ふくらはぎの肉離れ時のテーピング方法

⚠️ 注意事項

急性期の対応： 受傷直後（痛み、腫れ、熱感が強い時期）は、まずRICE処置（安静・冷却・圧迫・挙上）が基本です。テーピングを行う場合も、専門家の指導のもと、圧迫や固定を目的として行うことが多いです。
回復期サポート： ここで説明する方法は、主に回復期に入り、少しずつ活動を再開する際のサポートを想定した一例です。
痛みが出たら中止： テーピング中や後に痛みが増す、痺れが出る、皮膚に異常が出るなどの場合は、すぐにテーピングを中止し、専門家にご相談ください。

準備するもの

伸縮性テープ
(幅5cm程度)

非伸縮性テープ
(幅3.8cmや5cm)

ハサミ

アンダーラップ
(任意)

テーピング手順

STEP 1: 準備姿勢と皮膚の準備

楽な姿勢（うつ伏せや椅子に座るなど）をとります。
足首の角度は、痛みが出ない自然な角度にします。無理につま先を伸ばしたり、逆に強く曲げたりしないでください。
受傷直後や痛みが強い場合は、わずかにつま先を伸ばした状態（軽い底屈位）の方が楽なことがあります。
皮膚を清潔にし、乾燥させます。アンダーラップを使用する場合は、テーピングする範囲に巻いておきます。

STEP 2: アンカーテープの貼付

非伸縮性テープ（または伸縮テープを引っ張らずに）を使用します。
膝下: ふくらはぎの一番太い部分の少し上あたりに、締め付けすぎないように注意しながら1周貼ります。
足首上: アキレス腱の少し上あたりに、同様に1周貼ります。

STEP 3: サポートテープの貼付（スターアップ）

伸縮性テープを使用します。
下のアンカー（足首側）から、痛めている箇所（肉離れ部位）を覆うように、上のアンカー（膝側）に向かってテープを貼ります。
筋肉を軽く持ち上げるような意識で、ややテンションをかけて貼ります。
痛みの範囲をカバーするように、テープを少しずつずらしながら、内側、中央、外側と3〜5本程度貼ります。
テープ同士が少し重なるように、扇状に広がるイメージです。
テープの貼り始め（下アンカー側）と貼り終わり（上アンカー側）は、引っ張らずに置くように貼ります。

STEP 4: コンプレッションテープの貼付（圧迫と固定）

伸縮性テープを使用します。
下のアンカーの上あたりから、サポートテープ全体を覆うように、らせん状（スパイラル）または横方向（サーキュラー）に巻いていきます。
テープが半分程度重なるように、下から上に向かって巻きます。
目的はサポートテープの固定と、患部への適度な圧迫を加えることです。
絶対に強く締め付けすぎないでください。血行障害を起こす危険があります。軽くテンションをかける程度にします。
上のアンカーまで巻いたら終了です。

STEP 5: 補強（必要に応じて）

特にサポートを強化したい場合の追加手順です。
痛みの中心部に非伸縮テープで「X」字サポートを追加したり、コンプレッションテープの上からさらに非伸縮テープで軽く固定したりすることもあります。
この補強は専門家の判断を仰ぐのが望ましいです。

STEP 6: 仕上げと確認

テープ全体を手のひらでしっかり押さえて密着させます。
テープのシワや、皮膚が強く引っ張られている箇所がないか確認します。
最重要：足先の血行を確認します。 爪を押してすぐに色が戻るか、痺れはないか、皮膚の色は悪くないか、などを注意深く観察します。少しでも異常を感じたら、すぐに緩めるか剥がしてください。
軽く動かしてみて、痛みが増さないか、サポート感があるかを確認します。

重要ポイント

肉離れの場合、筋肉がそれ以上伸ばされて損傷が悪化するのを防ぐことが重要です。そのため、サポートテープにはある程度のテンションをかけますが、強すぎると逆効果になることもあります。
コンプレッション（圧迫）は、腫れを抑える効果も期待できますが、締め付けすぎは厳禁です。
痛みが出たらすぐに中止し、専門家に相談してください。
これはあくまで一例です。肉離れの部位（ふくらはぎの上部か下部か、内側か外側かなど）や重症度、回復段階によって最適な方法は異なります。

最終注意

本ガイドは一般的な情報提供を目的としています。実際のケガの治療には、医師、理学療法士、アスレティックトレーナーなどの専門家の診断と指導を受けることをお勧めします。自己判断での処置は症状を悪化させる可能性があります。