腕の位置による安定性の比較(3パターン)

3つの異なる腕の構え方における、正面からの力に対する安定性の違いを図解します。

パターン1: 腕全体を横に伸ばす (不安定)

押す力 腕が回転 体が回転しやすい てこの原理で不安定
  • 肩を支点に腕が回転しやすい。
  • 力がかかる点が体軸から遠く、大きな回転トルクが発生。
  • 体幹で力を支えにくい。

パターン2: 上腕は横、肘から先を前に出す (やや不安定)

肘 (体から遠い) 押す力 力点はやや近づくが... 依然として回転しやすい 肩からのアーム長く不安定
  • 肩と肘の位置はパターン1と同じ(体から離れている)。
  • 前腕だけを前に向けても、肩からのアーム長は変わらない。
  • 力がかかる点(手)は体軸に少し近づくが、依然として大きな回転トルクが発生しやすい。
  • 肘を体に引きつけた姿勢(パターン3)に比べると、不安定。

パターン3: 肘を体に近づけ、前腕を前に出す (安定)

肘 (体に近い) 押す力 力が体幹へ伝わる (安定) 回転しにくい
  • 肘が体に近く、前腕が力を受ける方向に向いているため安定。
  • 力がかかる点(手)が体軸に近く、回転トルクが小さい。
  • 押された力が体幹(体の中心)に伝わりやすく、支えやすい。
  • 体全体の構造を使って安定して力を受け止められる。

まとめ

腕全体を横に伸ばした状態(パターン1)は、体軸から力がかかる点までの距離が最も遠く、非常に不安定です。上腕を横に伸ばしたまま肘から先だけを前に出しても(パターン2)、肩からのアーム長は変わらず不安定さが残ります。最も安定するのは、肘を体に近づけ、前腕を力の方向に向ける姿勢(パターン3)であり、力が体幹に伝わりやすく、回転トルクも小さくなります。