1. なぜ「様子見」の謎に迫るのか?
この日の教室は「権利を主張するな、貢献せよ」という強烈なテーマの振り返りから始まりました。子育てすら自己中心的な欲求だという厳しい指摘。そして、誰もが持つ「人間の愚かさ」と向き合う重要性が語られます。
コメントもせず、ただ聞いているだけの「様子見」の姿勢。それは、楽をしたいという自分の欲求を優先している点で、社会的な事件の犯人と本質的に変わらないのではないか──。コーチの鋭い問いかけが、私たちの心に突き刺さります。
中島コーチ
光市母子殺害事件の犯人と自分は違うと思いたいでしょうけど、根本的に言ったら、変わんないよねっ。とんでもない事件だけどやってることを抽象化してみたら変わらない。問いかけに答えるべきと思っても、他のやりたいことを優先するのと同じ。やりたいことをやっているだけ。
この「様子見」という行動こそ、多くの人の成長を妨げる根源的な問題なのかもしれません。その謎を解き明かす旅が、ここから始まります。
2. あなたを縛る「様子見」5つの壁
なぜ私たちは、積極的に関わることを避け、「様子見」という安全地帯に留まってしまうのでしょうか。その原因は、5つの心理的な壁にありました。あなたを縛っているのは、どの壁ですか?
1. 八方美人的思考
コーチよりも他のメンバーとの関係を優先し、嫌われることを恐れる。「コーチに媚びている」と思われたくない心理が行動を縛る。
2. コスパ・お客様意識
最小限の労力で上達したいコスパ思考と、「教えてもらうのが当たり前」というお客様意識。意見を言うことを「損」と捉える。
3. 活動・指導者への不信感
活動自体の価値やコーチを信頼していない状態。練習さえできれば良いと考え、人間研究のようなテーマに価値を感じない。
4. 人間研究への抵抗感
人の心理を探求することへの無意識の抵抗。「面倒なやつ」と思われたくない、他者に興味がない、という根源的な問題。
5. 真面目勢の葛藤
コーチに嫌われまいと「正解」を当てに行こうとする姿勢。自分の意見ではなく、コーチが望む回答を探してしまう。
コーチは、特に対人競技であるバドミントンにおいて、「人に興味がない」という姿勢が致命的であると指摘します。
3. 沈む船から脱出せよ!生存戦略
議論は個人の内面から社会全体へ。社会学者・宮台真司氏の議論を引用し、現代日本が置かれた厳しい状況と、私たちがとるべき生存戦略が提示されました。
現代社会は、国や会社という巨大な「沈みゆく船」。多くの人が船の中で良い席を取ろうと競争していますが、その競争自体が無意味だとコーチは断言します。
中島コーチ
本当にすべきなのは座席争いじゃなくて信頼できる仲間と共に自らの手で小さなボートを作り船から脱出することですよね。(中略)どういう人が信頼できるかっていうのもね、LINEグループを見てたら分かってくるじゃないですか。
本当にすべきなのは、信頼できる仲間を見極め、共に助け合う「共同体」を自ら作っていくこと。「様子見」をしていては、仲間も見つからず、一緒に沈んでいくだけなのです。
4. 技術編:安定はラケットヘッドに宿る
人間研究の深い議論から一転、話題は具体的なバドミントンの技術へ。この日のテーマは「ショットの安定性」。特に、ラケットヘッドの動きに焦点が当てられました。
ネットミスやショットのばらつきは、インパクト時にラケットヘッドが下を向くことが原因の一つ。コーチは、ラケットヘッドが下を向く時間を極力なくし、横を向いたまま振る意識を実演しました。
さらに、低い打点から攻撃的な軌道で返す「リバースショット」の練習も。人間理解も、技術の科学も、全ては「勝つ」ための総合力。その両輪を回す重要性が示されました。
5. 明日から変わる!5つの学び
今回の教室から、明日からの行動を変える5つの学びを抽出します。
1. 「様子見」の正体を自覚する
自分がなぜ行動しないのか?「嫌われたくない」「コスパが悪い」など、自分の「様子見」のタイプを自覚することが変化の第一歩。
2. 「小さなボート」を作る覚悟を持つ
国や会社に依存する時代は終わった。本当に信頼できる仲間を見極め、自ら助け合える共同体(ボート)を作る視点を持つ。
3. 人に興味を持つことが最強の戦略
対人競技の根幹は「人間研究」。相手を知り、仲間を知り、自分を知る。無関心を装うのをやめ、積極的に関わる姿勢が成長を加速させる。
4. 尊敬される人(リスペクタブル)であれ
地位や学歴ではなく、仲間から人として尊敬される存在を目指す。貢献する姿勢、誠実なあり方が問われる。
5. 技術は思考の現れ。動きを科学する
ショットの安定性は物理現象。感情論や根性論ではなく、なぜそうなるのかを科学的に捉え、再現性を高める努力を怠らない。
6. 「様子見」脱出アクションリスト
学びを行動に変えてこそ、本当の成長が始まります。今日からできる「小さな一歩」を踏み出してみましょう。
小さなボートを漕ぎ出す、はじめの一歩
あなたのオールは、あなた自身の手の中にあります。今日の一つの行動が、未来という大海原へ漕ぎ出す、力強いはじめの一歩になるはずです。
今回の内容を動画でさらに詳しく学び、実践に繋げましょう!
動画で生存戦略を学ぶ