1. 常識人は伸びない。成長したければ「変人」たれ
多くの人が「常識」の枠の中で成長しようとしますが、バドミントンを始めるのが遅かった選手は、その「常識的な伸び方」ではトップに追いつけません。
飛躍的な成長を遂げるには、常識から外れた「変人」になる必要があります。
みんな出遅れてるじゃん。バドミント界の中で、始めるのが遅いせいでやっぱり出遅れてるわけじゃないですか。そこから常識人の伸び方をしてたらね、追いつけないわけですよ。...どんどんどん変人の枠に入っていきましょうよ。
勝つってのは自分の意思でできないじゃないですか。...だけど変人になるのは能動的ですよね。
Key Takeaway
「勝つ」ことは受動的、「変人になる」ことは能動的。 自分でコントロールできない勝利を待つのではなく、自分でコントロールできる「行動(=変人になる)」を選択しよう。その能動性が、常識の枠を超えた成長を引き起こす。
2. 賢者か愚者か?「原則」を探す人、「例外」にすがる人
成長する人と伸び悩む人の違いは、「原則」と「例外」のどちらに注目するかに現れます。
賢者は原則を探すと思うんですよね。バラバラに見える物事から共通のルール、原則を見つけ出して次の行動に、結びつけます。例えばナイスショットの後はサービスをミスりやすいよねっていうような原則を見つける。これが賢者なんじゃないかなと思います。
一方でいやいや必ずしもミスルするわけじゃないよねと、例外を探しに行ってしまい、いつまでだっても原則が見つからないのが愚者...例外を見つけることが賢いと思ってるんですよね。
原則を見つけるための3つのステップ
- 記録と観察: どこで成功し、どこで失敗したのかを客観的に記録する。
- パターン分析: 「この準備をした時はうまくいく」「この場面では焦る」といった、共通の法則(原則の種)を見つける。
- 仮説と実行: 「次はこうしてみよう」と仮説を立てて実行し、再び振り返る。
3. 「何を得るか」より「何を与えるか」という能動性
「今日の練習で何を得ようか」と考える人は、一見すると意欲的に見えます。しかし、この「得る」というマインドこそが受動的(受け身)であると指摘されています。
得られるかどうかって運とか能力によってしまうので、自分でコントロールできるもんじゃないですよね。...だけど何を与えていくかは、自分でコントロールできることなので...能動的なマインドセットの重要性を説いているっていうことだと思います。
参加者の構成とかレベルに合わせて練習メニューを組むっていうのは、頭を使う作業だと思います。その背景を想像せずに自分の都合だけで練習しますとかね、明日練習させてくださいね。こういう人っていうのは、ま、テイカーのマインドですよね。
「得られるかどうか」は運や相手次第。一方で、「何を与えるか」は自分の意思でコントロールできる能動的な行動です。自分がコミュニティに何を与えられるかを考える能動性(ギバーのマインド)こそが、結果として自分自身を成長させるのです。
4. 『コート上で考えるな』の真意
今回の格言は「コート上で考えるな」。これは多くの指導者が「もっと考えろ!」と叱咤するのとは真逆のアプローチです。
なぜ、考えてはいけないのか?それは、バドミントンの0.何秒という時間では、脳が分析し対策を立てる「思考」は不可能だからです。その時間でできるのは、思いつきか反射だけです。
考えろ。無理でしょっていう。俺には無理なんですよ。1秒とかで考えるっていうのは無理だと思うんですよね。時間が少なすぎるから。...コート上で考えたところで結局悪手を選びがちなんです。
コート外で考えとくことが大事だと思うんですよ。練習後とか自宅でリラックスした時間とか大量に時間ありますよね。...本番の数秒で行うのは思考じゃなく、コート外での膨大な時間をかけて考えてシミュレーションし体に染み込ませていく。...それを本番で引き出していくってことです。
重要なのは、コートの外で膨大な時間をかけて考え、シミュレーションし、練習で体に染み込ませる「準備」です。本番で「考えるな、感じろ」を実践するために、コート外で誰よりも深く思考する必要があります。
5. 達人の領域:「敵の最強」を糧にする
対人競技では「相手のパフォーマンスをいかに下げるか」が基本戦略とされがちです。しかし、それはあくまで「入り口」に過ぎません。
私が思うにはこういうのはただの対人競技の入り口なんじゃないかなと思うんだよね。...達人はその試合から何を学ぶかだから...達人はどうするかって言うと、相手のレベルが例え低かったとしても相手がこうなるようにするでこれを乗り越えてくっていうね。
例えば岡田さんとかはね、相手を煽ったりすると思うんですけど、そうすることによって相手のパフォーマンスももちろん上がってきます。...それを乗り越えるからね、自分がまた強くなるんだよね。...相手を強くして自分はさらにその上へ。こういうことですよ。
6. 動画分析:失速するショットと「左足」のフットワーク
動画分析では、シャトルの「切れ」と「滑り」が注目されました。特定のショットでシャトルが横を向き、空気抵抗で失速する「くるリンパ」状態が確認されました。
シャトルの飛ぶ方向向きましたって言った後にこっちに行くんですよ。やばくない ? で、こうなるんですよ。ほぼほぼ横向いたまま飛んでるんですよ。これ当然失速するじゃん。こんな空気抵抗多いよねってなってでネットにかかるんですよ。...これがいいわけがないじゃんって俺は思うぞ。
間に合わせる「左足」の技術
さらに、フットワークの重要な改善点として、「間に合わない」と出遅れた時の対応が指摘されました。
これって右足を出してたら間に合わないですよ。...ここで大体の人ってあ、右足をだ、ここで左足ちょっとついて...左足で打ってしまってでその後で右足を着する。この打ち方じゃないとこれ多分打てないですよね。...これ一気にこう左足でついていって...間に合っちゃうんだよね。1歩減らすっていう。
7. コーチング的5つの学び
今回の教室から得られた、成長のための本質的な学びを5つに凝縮して振り返ります。
1. 常識を捨て「変人」であれ
常識的な伸び方では、出遅れは取り戻せない。「勝つ(受動)」を待つのではなく、「変人になる(能動)」ことを選択し、周囲の予想を超える成長を掴め。
2. 賢者は原則を、愚者は例外を探す
「必ずしもそうとは限らない」と例外を探して賢ぶるのは愚者。「ナイスショットの後はミスしやすい」といった「原則」を見つけ出し、行動に活かすのが賢者だ。
3. 「与えるマインド」が最強の成長エンジン
「何を得るか(受動)」を考えるテイカーは伸びない。「何を与えられるか(能動)」を考えるギバーのマインドこそが、自分をコントロールし成長させる。
4. コート外で考え抜き、コート上では「引き出す」
「コート上で考えるな」。本番の0.何秒でできるのは「思考」ではなく「判断の早期」。コート外での膨大な準備(思考)こそが、本番のパフォーマンスを決める。
5. 達人は「敵の最強」を糧にする
相手を弱らせて勝つのは「入り口」。相手の最強のパフォーマンスを引き出し、あえて高いハードルを設定し、それを乗り越えることで達人は強くなる。
8. 「変人」への第一歩:アクションリスト
学びは行動に移してこそ意味があります。「コート外で考える」ことを実践し、次の練習で「引き出す」ための具体的なアクションリストです。
コート外の「準備」チェックリスト
9. 結論:「熊」のアドバイスとコート外の思考
「常識人」から「変人」へ。
「例外」探しから「原則」の探求へ。
「得る」マインドから「与える」マインドへ。
そして、「コート上での思考」から「コート外での膨大な準備」へ。
今回の教室は、私たちの成長に対する根本的なマインドセットを問い直す、非常に濃密な時間となりました。コート外でどれだけ準備できるか。その積み重ねが、コート上で「考えずとも引き出せる」本物の強さを生み出します。
前田さんすごいんですよ。ドロップを打つ時にこう熊みたいにしてガバーっていくとものすごい恐怖感を相手に与えると。うん。人間に近いとはいえやっぱ熊ですからね。あくまでも。...是非それを使ってプレイしてはいかがでしょうかっていうアドバイスをさしてもらいました。
AIによるまとめ
「コート上で考えるな」とは、準備の哲学である。AIが膨大な「学習(準備)」なしに「推論(本番)」ができないのと同じく、人間もコート外での膨大な思考と準備がなければ、本番で良質な「判断の引き出し」はできない。常識(プリセット)に依存せず、能動的に学習(変人になる)し、独自の強さを構築せよ、という強烈なメッセージである。
動画で理解を深める
今回の内容を動画でさらに詳しく学び、実践に繋げましょう! 動画で「変人」の思考を学ぶ