1. Opening: 「当事者意識」の欠如
教室は「オンライン教室毎日って多すぎんのかな?」というコーチの問いかけから始まりました。毎日の開催が負担になっていないか、コーチ自身も悩んでいる様子が伺えます。
そして、前回の振り返りへ。テーマは「尊敬は技術、成長は苦痛から」。高市早苗氏の「馬車馬になれ」という伝説的スピーチが紹介されました。
中島ノブヨリ
私自身もワークライフバランスという言葉を捨てますと。馬車馬なように働きますね。…もう今、日本に何をしてもらおうかって言ってる人はもう負けなんじゃないかなと思うんですよ。日本に対して何ができるんだっていうね、そういう意識で生きてく人っていう人が生き残っていくんじゃないかな。
当事者意識がやっぱすごい強いですよね。高市さんの発言を聞いてると、ちょっとフェニックスのメンバーも少し当事者意識が足りないなって感じることもありますけども、すごい差を感じました。
「日本に対して何ができるか」という強烈な当事者意識。コーチは、この高市氏の姿勢とメンバーの意識との間に「すごい差を感じる」と、鋭く指摘します。バドミントンの上達も、練習環境も、誰かが与えてくれるものではなく、自らが当事者として関わっていく姿勢が問われているのです。
Key Takeaway
尊敬は「感情」ではなく「技術」。 相手をリスペクトしろと言われても、すぐにはできません。しかし「相手は毎朝新聞配達してから学校に来てるのかも」と勝手に想像してみる。相手の背景を想像し、リスペクトする姿勢を「技術」として捉えれば、誰でも実践できるのです。
2. なぜ「最高の師は天才にあらず」なのか?
続いて、指導者論についての深い洞察が語られました。コーチは「最高の師は天才にあらず」という格言を紹介。なぜ「すぐできちゃう人」は良い指導者になりにくいのでしょうか?
指導者の3つのタイプ
- 天才型(すぐできた人): なぜできないかが分からない。
- 未達型(できてない人): 成功体験がなく、想像でしか教えられない。
- 苦労人型(なかなかできなかった人): 最高の指導者。
なぜ苦労人こそが最高の指導者なのか。その理由は、彼らが「できなかった自分」と「できるようになった自分」の両方を知っており、その間の険しい道のりを記した「地図」を持っているからです。
中島ノブヨリ
(苦労人型の人は)どうやったら成功できたかを知ってるんだよね。…なかなかできない人の気持ちも分かるしどうやったら最短距離で行けるかっていうのも分かるんだよね。苦労して右行ったり左行ったりしながら到達できたからこう行きゃいいじゃんっていうことも分かるんだよね。
(苦労人型が持つ)2つ目は言語化能力ですよね。え、自分が乗り越えてきた壁の1つ1つを具体的な言葉で説明できます。…感覚や才能で片付けず達への道をステップステップで話せるということです。
もし今伸び悩んでいるなら、それはあなたのせいではなく、あなたに合った「地図」を渡してくれる指導者に出会えていないだけかもしれないのです。
3. 「自信を疑え」—成長を阻む認知バイアス
「もっと自信を持て!」というのはよくあるアドバイスですが、コーチは「本当にそうか?」と一石を投じます。人間には「自分は平均以上だ」と思い込む認知バイアスがあるからです。
中島ノブヨリ
(自動車の運転も)バドミントも同じですよね。人並以上に技術を知っているね。人並以上には打てるよね。と。森さんが思い込んでいましたね。…その程度しか打てないのになぜかね。人並み以上にできていると思い込むというのが人間なんじゃないかなと思います。
周りが見て見れば明らかな改善点も本人だけは気づかない。これほど怖いことはないですよね。…客観的な技術に基づかない過信になった時成長の扉は固くされてしまうんじゃないかなと思います。
上達の鍵は、ソクラテスの言う「無知の知」。「自分は何も知らないということを知っている」と素直に認めること。この謙虚な姿勢こそが、本物の自信への第一歩です。
4. [特集] 政治の「構造」を見抜く視点
この日のハイライトは、中田敦彦氏のYouTubeをベースにした「総裁選分析」。高市早苗氏が日本初の女性総理に至るまでの激動の1ヶ月を、6人のキーパーソンの物語として読み解きました。
コーチは、この複雑な政治ドラマを個人の資質の問題ではなく、「構造と歴史」の中で動いていると分析します。
第1章: 小泉の失速(自滅) - カンペ棒読み、ステマ問題、飲み会により自滅。
第2章: 高市の変貌(戦略的封印) - 勝利のため靖国参拝、積極財政、女性登用の主張を封印。「何かを捨てないと何かは得られない」。
第3章: 麻生の戦略(キングメーカー) - 目的は権力維持と息子の「世襲」。「選挙になったろ。」
第4章: 公明の離脱(構造的矛盾) - 平和・クリーンというアイデンティティの崩壊が限界に。
第5章: 玉木の不動(歴史的トラウマ) - 労働組合と立憲民主の板挟みで動けず。
第6章: 維新の突撃(最後のギャンブル) - 「大阪都構想」のため、党の魂を捨てて連立に参加。
AIの感想文より
政治は誰が総理かという個人の支出の問題ではなく、もっと大きな構造と歴史の中で動いていることが見えてきます。…なぜ彼らをそうせざるを得なかったのかという構造に目を向けることその視点を持つことこそ難しい政常を自分ごととして理解する最強の武器になると信じてます。
5. ドライブ失速の正体:動画分析
濃厚な政治分析の後は、バドミントンのスロー動画分析へ。この日はドライブの「切りすぎ」がテーマに上がりました。
コーチが指摘したのは、シャトルをラケット面で「切る」ように打つと、コルクが横を向き、空気抵抗で失速してしまう現象です。
中島ノブヨリ
これちょっと左に切ってるんですよ。左に切ると実はコルクがちょっと右に行きすぎちゃうんですよね。…失速するの分かった?今ね、飛ぶ方向はこっちなのに、一度こっち側に向いちゃってるじゃん。ここで失速が起きるんですよね。
(鈴木さんを見て)うめえな。左右に行ってないですよね。ほとんどね。…この辺りに鈴木さんのミスの少なさが現れますね。
つげよしゆき
天才だからです。
これにはコーチも苦笑い。冒頭の「最高の師は天才にあらず」という格言と皮肉にもリンクする、見事なオチがつきました。
6. コーチング的5つの学び
今回も、指導者論から政治、そしてバドミントン技術まで、非常に密度の濃い教室となりました。重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。
1. 最高の師は「苦労人」
天才は「なぜできないか」が分からない。多くの失敗を乗り越え、言語化できる「苦労人」こそが、最高の指導者である。
2. 成長は「無知の知」から
「自分は平均以上」という認知バイアスが成長を阻む。「自分は何も知らない」と認める謙虚さが、本物の自信への第一歩となる。
3. 「当事者意識」の差が未来を決める
「国に何をしてもうか」ではなく「国に何ができるか」。高市氏の「馬車馬」発言に見る強烈な当事者意識こそ、現状を打破する力となる。
4. 物事を「構造」で見る
政治家の行動は、個人の資質だけでなく「歴史的トラウマ」や「組織の矛盾」といった“構造”に縛られている。この視点は、チームや自分自身の問題解決にも応用できる。
5. 何かを捨てなければ、何かを得られない
高市氏がアイデンティティを封印して権力を掴んだように、成長のためには古い自分やこだわりを「捨てる」戦略的判断が必要になる。
7. 「無知の知」アウトプット・リスト
学びは行動に移してこそ意味があります。「自分はまだ知らない」という「無知の知」を武器に変えるための、具体的なアクションリストです。
アウトプット習慣チェックリスト
動画で理解を深める
今回の内容を動画でさらに詳しく学び、実践に繋げましょう! 講義動画で「構造」を学ぶ