この日の教室は、てる選手の大学生相手に1勝1敗という嬉しい報告からスタート。しかし、その先に待っていたのは、すべてのプレイヤーが直面する「頑固さ」という名の、見えざる成長の壁についての深い議論でした。
1. 成長の敵「頑固さ」の正体
コーチは断言します。「成長の敵は頑固さだ」と。多くの人が「信念」と「頑固さ」を混同しています。しかし、その二つは全くの別物です。
- 信念:目的に向かい、手段や考え方を柔軟に変え続けること。
- 頑固さ:自分のやり方や考えを変えないことに固執し、変化を拒絶すること。
中島コーチの核心
変わらないっていうのを信念があるっていう風になんかイメージしてる人って結構多い気がするんですけど、どうですかね。…目的に対してぶれないっていうのが本当の信念だと思うんですよね。ですけど、変わらないということを信念っていうのは違うよなっていう風に思うんだよね。
「ありのままの自分を大切に」という言葉は、時として成長しないことの言い訳になります。本当の自分らしさとは、変化を恐れず、より良い自分を目指す過程で見つかるものです。
2. なぜ「常識」に囚われるのか?
なぜ多くの初心者は、より合理的で本質的な考え方(B)よりも、まず一般的な常識(A)を求めてしまうのでしょうか?そこには、人間の根源的な心理が隠されています。
初心者が「常識(A)」を選ぶ4つの心理
- 集団への帰属欲求: 「みんなと同じ」であることに安心し、仲間外れを恐れる。
- 努力の正当化: これまでの努力を「無駄だった」と認めたくない。
- 現状維持バイアス: 慣れ親しんだやり方を変えることへの心理的抵抗。
- 初期経験の呪縛: 最初に学んだことが絶対的な基準になってしまう。
中島コーチの指摘
これがまさにこの努力を否定したくないってことなんですよ。これ陥りますからね。…やばいですよ。本当に無駄なことをやってたとして無駄なことをやり続けたこれにはきっと価値があるって思いたいんですよ人間って。
3. ラーメン屋事件から学ぶ本質
「本当にそうか?」と常に問い続ける視点は、コートの外でも重要です。コーチが語った「ラーメン屋事件」は、その教訓を鮮やかに示しています。
電光掲示板に「ラーメン」とあるのに、店内には無い。この矛盾を指摘したところ、店長は逆ギレ。結果、その店は1ヶ月後に潰れていました。このエピソードは、事実と建前の矛盾を放置し、不誠実な態度をとることが、いかに信頼を損なうかを教えてくれます。
中島コーチの体験談
(電光掲示板に「ラーメン」とあるのに店内には無く)ラーメンないっすかって聞いたら、ラーメンないっすよなんて言われて…『うちはさ、もう3ヶ月前からこれでやってっくから』と店長が怒り始めたんですよ。…結果どうなったかって言うと、1ヶ月後に通りかかったらお店潰れてました。
4. 動画分析で見えた思考の癖
教室後半の動画分析では、ayako suzuki選手とヨッシー選手の試合から、思考がプレーに直結している様子が浮き彫りになりました。
suzuki選手の課題
「勝とう」と意識しすぎると、試したいプレーができなくなる。逆に意識を変え「分析モード」になると、今度はプレーが淡白になってしまう。感情と思考のバランスが、プレーの質を左右していることが示されました。
また、コーチは具体的な配球についても鋭く指摘。序盤からトリッキーなショットを狙うのは、再現性が低くセオリーから外れていると一蹴。まずは基本に忠実な、確率の高いプレーを徹底することの重要性が語られました。
あなたのプレーも、あなたの思考の癖がそのまま現れているのです。
5. 人生を変える5つの学び
今回の教室で見えてきた、あなたのバドミントンと人生を豊かにする5つの本質的な学びを紹介します。
①「信念」とは変化を恐れないこと
自分のやり方に固執するのはただの「頑固さ」。目的に向かって常に最適解を探し、変化し続ける柔軟性こそが真の強さです。
② 常識を疑う勇気を持つ
「みんながやっているから」で思考停止せず、その常識が本当に合理的か問い直しましょう。本質的な選択が成長を加速させます。
③ 過去の努力に固執しない
「もったいない」という気持ちが新しい学びの障壁になります。未来の結果のために、過去のやり方を手放す勇気が必要です。
④ 物事の本質を問う
「本当にそうか?」という批判的な視点が、見せかけや不誠実さを見抜き、正しい判断へと導きます。
⑤ プレーは思考の現れ
何気ないショットにも、あなたの思考の癖が表れます。一貫した意図と再現性のあるプレーを心がけましょう。
6. 「柔軟な思考」アクションリスト
学びを行動に変えてこそ、力になります。今日のテーマ「頑固さからの脱却」を実践するための具体的なアクションリストです。
動画で理解を深める
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