Phoenix-Aichiオンライン教室
社会人2年目の壁を壊す『仮説思考』―あなたは”頼りがいのある人”か?
2025年6月29日
1. はじめに:社会人2年目、本当の勝負はここから
社会人1年目は、先輩の真似をして仕事を覚える「守」の時期。メールの書き方から挨拶まで、がむしゃらにキャッチアップしてきた方も多いでしょう。しかし、本当の差がつくのは2年目から。与えられたタスクをこなすだけの日々から、一歩抜け出すための考え方が必要になります。
【アキコ】
「トオルくんも社会人2年目だよね。最近どう?仕事には慣れた?」
【トオル】
「はい、アキコさん。おかげさまで一通りの業務は覚えました。でも、ここからどうやって成長していけばいいのか、ちょっと壁を感じていて…。」
【中島コーチ】
「いいところに気づきましたね、トオルくん。実は、社会人2年目からが本当のスタートラインなんです。ここからの動き方で、5年後、10年後のキャリアが大きく変わってきます。」
今回の学びのKey
社会人2年目以降の成長は、「タスク処理能力」から「対人影響力」へとシフトする。自分の行動が周囲にどう伝わり、どう動かすかを予測・検証する『仮説思考』が、その他大勢から抜け出すための鍵となる。
2. 先を読む力:『仮説思考』のススメ
相手の動きを予測する
「できる社会人」への第一歩は、自分の仕事が他人にどう影響するかを常に考えることです。単に資料を作るのではなく、「このまとめ方をしたら、A課長はどう判断するだろう?」「このメールを送ったら、取引先のBさんはどう動くかな?」と、相手の反応を予測する癖をつけましょう。
【中島コーチ】 (03:26)
「そのあなたがやったことがどのように伝わるかとっていうのを自分で想定しながら動く。自分の今、制している人たちから始めましょう。…あの人にこういうことをしたら、こんな成果物を出したら、あの人ってどういうふに動くかなっていうのをどんどん広げていくことが大事なんです。」
【トオル】
「仮説思考、ですか…。やったことがどう伝わるか、まで考えるんですね。正直、これまでは資料を完成させて提出するだけで精一杯でした。」
【中島コーチ】 (04:11)
「そうです。仮説思考で動いていって、想定通りうまくいかなかったら『なぜうまくいかなかったんだろう』って、ちょっとずつ調整をしていく。そうやって人との付き合い方にパターンを自分の中で持っていくことが大事です。」
この「仮説→実行→検証→調整」のサイクルを回すことで、人や状況に応じた最適なアプローチが身につき、あなたの仕事の精度は格段に上がります。
3. なぜ?:高学歴でも「使えない」と言われる人の謎
タスク思考の罠
学生時代まで優秀だった人が、社会に出たとたん「使えない」というレッテルを貼られてしまうことがあります。その最大の原因は、与えられた課題を完璧にこなすことだけが評価されると誤解している点にあります。
【アキコ】
「私の周りにもいます。すごく頭は良いはずなのに、仕事がうまく回らない人…。何が違うんでしょうか?」
【中島コーチ】 (02:17)
「ほぼみんな共通しているのが、与えられたタスクをこなしていれば何とかなると思ってるんですよね。で、そうじゃないんですよねー。残念ながらもうわかっている人にとっては当たり前のことなんだけれども。」
【中島コーチ】 (02:46)
「社会人になったら、いわゆる会社の中では(年齢が)40歳違うし、取引先とか仕入れ先とかだったら、どぅワーッていろんな人の数も増えるし年齢差も大きく変わる。で、そんな中でやんなきゃいけないんですよ。で、そんなのタスクだけこなしてればいい世界じゃないんですよね。」
会社は、年齢も価値観も異なる人々が協力して成果を出す場所です。タスクをこなすのは最低限の仕事。その先にある、人を動かし、組織としてより大きな成果を生み出すことこそが、本当に求められる能力なのです。
4. コーチング的5つの学び
- 「守」から「破」へ
1年目は先輩の真似(守)でOK。2年目からは、その型をベースに自分なりの工夫(破)を加える。「これをやったら相手はどう動くか?」という仮説思考を取り入れよう。 - 対人関係のパターンを蓄積する
仕事の依頼、報告、相談など、あらゆる場面で「Aさんにはこのやり方、B部長にはこの資料」といったパターンを意識的に作り、検証する。この引き出しの多さが信頼につながる。 (06:43) - わかりやすい自分を演じる
「〇〇さんはこういう人だよね」と周囲に共通認識を持たれることは、実は強み。一貫性のあるキャラクターを保つことで、相手はあなたとの関わり方を予測しやすくなり、仕事が円滑に進む。 (04:47) - コントロールできる範囲を広げる
最初は直属の上司や同僚から。次に、その先の部署や顧客がどう動くかまで想像力を働かせる。これができるようになると、先回りした提案や調整が可能になる。(07:29) - 「頼りがい」こそが価値
最終的に目指すのは「この人に任せておけば大丈夫」と思われる存在。そのためには、安易に「確認します」と言わず、自分のコントロール範囲で即答できることを増やしていく必要がある。「明日までに回答します」の一言が言えるかどうかが分かれ道。(08:44)
【トオル】
「なるほど…。僕が目指すべきは、ただ仕事が速い人じゃなくて、『頼りがいがある人』なんですね。そのためには、自分のことだけじゃなく、周りの人の動きまで考えないといけないんだ。」
【アキコ】
「『わかりやすい自分を演じる』っていうのも面白い視点ね。自分を偽るんじゃなくて、周りが安心して関われるように、自分の軸をしっかり見せるってことかしら。」
5. アクション:アウトプット習慣チェックリスト
インプットした学びを、行動に変えてこそ意味があります。以下のチェックリストを使って、明日からの仕事への取り組み方を見直してみましょう。
『頼りがいのある人』になるためのアウトプット習慣
6. 最後に:エースと呼ばれる存在になるために
社会人2年目は、キャリアにおける重要な分岐点です。与えられたタスクをこなすだけの「作業者」で終わるか、周りを巻き込み価値を創造する「仕事人」へと進化できるか。その鍵は、今回学んだ『仮説思考』にあります。
【中島コーチ】 (10:07)
「どんどん自分がコントロールできる世界が広がっていって、あなたはいつしか会社の中でも『彼は頼りがいがあるね』…それが会社のエースと呼ばれる存在です。」
自分の行動がどう伝わるかを常に考え、人との関わり方のパターンを増やしていく。その地道な積み重ねが、あなたを「替えのきかない存在」へと押し上げてくれるはずです。インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるでしょう。