Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年7月15日オンライン教室レポート:「前衛で腰が引ける」はなぜ起きる?動画で学ぶ、勝者の“予測”と“構え”

DATE: 2025年7月15日

霧深い森を貫く一本の道―先を見通し、正しい道筋を選択する戦略性の象徴

1. Opening: 「何となくのラリー」から抜け出すために

今回のオンライン教室では、岡田選手のダブルスの試合映像を題材に、「次の一打」を予測するトレーニングを行いました。一見、淡々と続くラリー。しかしその中には、相手の体勢、打点、ポジショニングから読める無数のヒントが隠されています。

練習が始まると、参加者からは「ただ打つだけになって、何がしたかったのか分からなくなる」「どう展開していいかイメージが湧かない」といった、多くのプレイヤーが抱えるリアルな悩みが吐露されました。単に技術を磨くだけでなく、「何を狙ってそのショットを打つのか」という戦略的視点こそが、試合を支配する鍵となります。

【参加者A】 (07:40)

なんかでもこういうラリーすごい…何したかったのかがわかんないみたいな、ただただ打つだけみたいになっちゃってて。…だからここで岡田さんがしくる(ミスする)んだと思うんですけど。

【参加者B】 (10:19)

こういう時ってどういうのが有効なんだろう。…これからどういう風に展開していくっていうイメージをしてラリーしてるのかなっていうのが全然わかんなくて。なんとなくストレートとかに打っちゃうんですけど。

この「何となく」をなくし、一打一打に明確な意図を持たせること。それが、今回の教室の大きなテーマです。

今日のKey takeaway

予測力とは、一点読みのギャンブルではない。相手の体勢、打点、パートナーの位置から最も確率の高い選択肢を導き出し、それに備える「構え」を瞬時に作ること。その緻密な準備こそが、相手を上回る予測力の正体だ。

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2. 状況分析:中途半端な体勢から、どうゲームを組み立てるか?

試合の中では、お互いに決め手がなく、どちらが攻めているとも言えない「中途半端な状況」が頻繁に発生します。動画の中の、両ペアがトップアンドバックになりきれていない場面もその一つ。ここからいかにして有利な攻撃体勢を作り出すかが、腕の見せ所です。

【参加者A】 (10:19)

中途半端なヨッシーも中途半端なんか完全なトッパンじゃないような気がして。こういう時ってどういうのが有効なんだろう。…なんとなくストレートとかに打っちゃうんですけど。

【参加者B】 (11:37)

なんかクロスクリア打ったら中島さんが後ろ行きますよね、これ。と向こうが綺麗なトッパンになっちゃうじゃないですか。からストレートなのかな?ストレート。

ここで重要なのは、参加者の気づき通り、安易なクロスクリアは相手に理想的な攻撃体勢を与えてしまうリスクがあるということです。対して、ストレートへの返球は、自分たちの陣形を崩しにくく、ラリーの主導権を少しずつ引き寄せるための堅実な一手となります。実際にこの後のプレーでは、ストレートへの展開からトップアンドバックの形が作られていました。派手さはありませんが、再現性の高いプレーでゲームを組み立てる意識が大切です。

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3. 深掘り:なぜ前衛は差し込まれるのか?「腰が引ける」の正体

「前にいるのに、速い球に反応できない」「クロスに打たれると取れない」。これは前衛の選手が共通して抱える悩みです。今回の動画分析で、その原因が「構え」にあることが浮き彫りになりました。

差し込まれる3つの原因

  1. 予測の欠如: 漠然と待っているため、相手のショットに対する反応がコンマ数秒遅れる。
  2. 体の向きと姿勢: 相手に正対できず、恐怖心から無意識に体が後ろに傾く「腰が引けた」状態になっている。
  3. 準備不足: 「速い球が来るかもしれない」という想定がなく、ラケットの準備が間に合わない。

【参加者A】 (39:16)

これ(ダミーで前にいるけど)本当どうやって待ってればいいのかね…いるんですけど取れないんです。もっと寄った方がいいんですかね。

【参加者B】 (39:16)

寄るっていうかなんか構え方だと思うんですけど。…もっと迎え打つような感じで…なんかちょっと腰が引けとるというか。ああ、なんかうんと前にこう前傾してないっていうか。

参加者の鋭い指摘通り、問題はポジションだけでなく「構えの質」にあります。「腰が引ける」のは、相手のショットへの不安や予測の欠如の表れ。コースをある程度予測し、「さあ、来い」と前傾姿勢で迎え撃つ。この積極的なメンタリティと準備が、相手の速い球を止めるための第一歩なのです。

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4. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回のビデオ分析から見えてきた、ダブルスのレベルを一段階上げるための重要なポイントを5つにまとめました。

1

迷ったらストレートが定石

安易なクロスは陣形を乱し、相手にチャンスを与える。ストレートへの返球は、再現性が高く、パートナーとの連携を保つための基本戦術だ。

2

前衛は「待つ」な、「狩る」準備をせよ

ただ待つのではなく、「このコースに来たら叩く」という明確な意図を持って構えること。その積極性が相手へのプレッシャーとなる。

3

「腰が引ける」は心の迷いの表れ

コースが読めない不安が、体を後傾させる。打球を予測し、コースを絞り、勇気を持って前傾姿勢で迎え撃つ準備が不可欠だ。

4

ビデオは最高の客観的コーチ

自分のプレーを映像で見返すことで、主観では気づけない「構えのクセ」や「ポジショニングの甘さ」が明確になる。上達への最短ルートだ。

5

ローテーションは2人の無言の対話

自分の打球だけでなく、パートナーがどう動くかを常に予測し、空いたスペースを埋める意識が、鉄壁のディフェンスを生み出す。

【参加者A】 (40:22)

なんか何来るんだろうって見てたらもう絶対手は出せない。…いつも思いながらできてないんですけど。なるほど。今まだやってビデオで見ると分かります。ちょっと後傾になったりて。そうそうそう。腰が引けてきちゃってるっていう。

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5. Action: 予測と構えを実践するチェックリスト

今日の学びを自分のものにするには、意識して実践を繰り返すことが不可欠です。次の練習から使える具体的なアクションリストを作成しました。一つでも多くチャレンジしてみましょう。

予測と構えを実践するチェックリスト

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6. Closing: 今日の気づきを、明日のコートで試そう

「予測」と「構え」。この二つがいかに密接に結びついているか、そしてそれらがダブルスの勝敗を大きく左右するかを学んだ今回の教室。特に「腰が引ける」という具体的な現象を深掘りしたことで、多くの参加者が自身の課題を明確に捉えられたのではないでしょうか。

インプットした知識は、アウトプットして初めて自分のものになります。ぜひ、チェックリストを携えて、次回の練習に臨んでみてください。小さな意識の変化が、あなたのプレーを劇的に変えるきっかけになるはずです。

【参加者A】 (53:09)

そっか。そっか。ジャパンオープンか。

【参加者B】 (53:09)

なんかちょっと見たい動画を1つずつなんかセレクトしますか?…じゃ、今度ダブルで来る時に想定力の続きでいいですかね?

トップ選手のプレーを見ることも、最高の学びの機会です。ジャパンオープンなどで一流の「予測」と「構え」を観察し、自分のプレーに活かしていきましょう。次回の教室も、皆さんの新たな発見と成長を楽しみにしています。

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