Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年7月23日オンライン教室レポート:「反応は選べる」―手堅さの罠を越え、自由意志で成長を掴む

DATE: 2025年7月23日

雲海を見下ろす山頂―困難を乗り越えた先にある自由と可能性を象徴する大自然

1. Opening: 「ついていけない」から始まる、学びの深化

この日のオンライン教室は、「LINEグループの会話のスピードについていけない」という参加者の切実な声から始まりました。一見、小さなつまずきに見えるこの問題。しかし、掘り下げていくと、私たちの学びの姿勢、コミュニティのあり方、そして成長の本質へと繋がる、非常に根深いテーマであることが見えてきました。

情報量の多さ、思考のスピード、そして「何か言わなくては」という焦り。これらは多くの人が経験する壁です。しかしコーチは、「できない理由」を挙げるのではなく、「どうすればできるか」を一人ひとりが考えることの重要性を説きます。

【コーチ】(06:27)

どうだからできないっていう話じゃなくて、たとえばAIで要約してもらって考えるようにしてますとか、どうやって手を打ってくかっていうことを考えないと。、できない理由だけあげて、できるように考えてもらう人になってしまいます。

【コーチ】(08:55)

目的を失うな。答えるから深める。深めるが大事ですよね。うん。ただなんかね、答えることが目的(になりがちだけど)、深めていくことが大切かなと思います。

大切なのは、正解を出すことよりも、対話を通して思考の解像度を上げ、物事を「深めて」いくプロセスそのもの。「ついていけない」と正直に言える心理的安全性と、それを受け止め全員で考える土壌があってこそ、本当の学びは生まれるのです。

今日のKey takeaway

どんな刺激に対しても、どう「反応」するかは自分で選べる。厳しいアドバイス、理不尽な状況、自分のミス。それらをどう解釈し、次の行動に繋げるかは、あなたの自由意志に委ねられている。この主体性こそが、成長への扉を開く鍵となる。

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2. Deep Dive: どんな逆境でも「反応は選べる」という最強の盾

「怒られてばかりで辞めたい」「周りの目が気になって集中できない」…バドミントンをしていると、誰もが一度は抱える悩みです。しかし、コーチはここで、ナチスの強制収容所を生き抜いた精神科医ヴィクトール・フランクルの言葉を引用し、私たちに強烈な視点を提供します。

【コーチ】(16:27)

あらゆるものを奪われた人間に残されたった1つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由ってのが残されてると。

【コーチ】(17:35)

このような境遇の人が言ってるんだから、ほとんどの境遇で自分で決められると希望を持てます。この人よりきつい境遇なんてほとんどないですから。コート上で起きることも同じです。厳しいアドバイスを非難と捉えて落ち込むこともできるけど、成長へのヒントと捉えて燃えることもできますよねと。反応は自由だっていうことです。

どんなに過酷な状況下でも、人間には「自分の態度を選ぶ自由」が残されている。この考え方は、コート上の悩みにもそのまま当てはまります。厳しいアドバイスを「非難」と受け取って落ち込むのか、それとも「成長へのヒント」と捉えて燃えるのか。失敗を恐れて行動しないのか、それとも学びの機会と捉えて挑戦するのか。その「反応」は、すべて自分で選ぶことができるのです。このマインドセットを持つことで、他人の評価や外的環境に振り回されず、自分の成長に集中する力を手に入れることができます。

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3. Video Analysis: 「手堅さ」が招く危機と、リスクを制する者の戦術

教室の後半は、若様・鈴木さんペアのダブルスの動画分析。ここで浮き彫りになったのは、「手堅いプレー」や「安全策」が、実は最大のピンチを招きかねないという逆説的な真実でした。コーチの鋭い分析から、トップレベルで戦うための戦術的思考を学びましょう。

ケーススタディ:チャンスを活かすか、殺すか

分析の中心となったのは、自分たちが有利な体勢を作った後のショット選択。特に、相手を崩して甘い返球をさせた場面でのプレーが焦点となりました。

【コーチ】(1:27:10)

いい展開からうまく上げさせた時に一気に行くんじゃなくて1回落ち着こうって思いがちなんですよ。つまりドロップを選択しやすい。そういう時に相手が狙ってると思った方がいいんですよ。

【コーチ】(1:28:22)

1本クロスクリアを見せとくだけで、この場面で、ここ(クロス奥)を印象付けとけば、もうこの前に詰めてくることないのでドロップ落とし放題になることが多いですよ。

相手を追い込み、甘いロビングを上げさせた絶好のチャンス。多くのプレーヤーは「落ち着こう」と考え、安全なドロップを選択しがちです。しかし、相手もそれを読んで待ち構えています。ここでコーチが提案するのは、意表を突く「クロスクリア」。この一本を見せておくだけで、相手の前衛は前に詰めにくくなり、その後のドロップが面白いように効いてくるのです。これは、目先の1点を取りに行くだけでなく、ラリー全体、ひいては試合全体を支配するための高度な駆け引きです。

「リスクを負わない」という最大のリスク

同様に、チャンスボールに対して足を止めて「手堅く」処理しようとする場面にも、厳しい指摘が入りました。

【コーチ】(1:22:06)

ああ、飛び込んで欲しい。ああ、また足をここで飛び込んで欲しいんですよ。2ステップで行ってトントンヨッシーね、ジャンプスマッシュみたいな感じで打ってほしいですよ。…もっともっと攻撃力を高められるんじゃないかと。高めるからこそ何でもない球が効いてくるからね。

ミスをしないことは重要ですが、チャンスの場面でリスクを負って攻撃力を示すからこそ、相手にプレッシャーがかかり、普段ならミスしないような簡単な球でもミスを誘えるようになります。「手堅く行こう」という守りの姿勢が、結果的に相手を助け、自分たちを追い込むことになる。このパラドックスを理解し、計算されたリスクを恐れない勇気が、勝敗を分けるのです。

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4. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回のオンライン教室も、バドミントンの技術指導に留まらない、普遍的な学びが満載でした。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。

1

どんな刺激にも「反応は選べる」

他人の言動や起きた出来事は変えられない。しかし、それにどう反応し、どういう態度で臨むかは100%自分で決められる。この「選ぶ自由」こそが、逆境を乗り越える力の源泉だ。

2

学びの本質は「答える」より「深める」こと

単に返事をするのではなく、対話を通して物事の解像度を上げ、より具体的に、より本質的に理解しようとすること。そのプロセス自体が最大の学びとなる。

3

「手堅いプレー」という名の落とし穴

安全策やミスをしないことだけを考えると、相手にプレッシャーを与えられず、逆にじわじわと追い込まれる。チャンスでは計算されたリスクを冒し、攻撃力を示すことが不可欠だ。

4

駆け引きは「点」ではなく「線」で考えよ

その場の一打で決めようとするのではなく、次のラリー、さらにその次を見据えて布石を打つ。一本のクロスクリアが、後のドロップを活かすように、試合全体をデザインする視点を持とう。

5

「できない理由」より「どうやるか」を問う

環境や他人のせいにするのではなく、「この状況で自分に何ができるか?」を常に考える。AIを活用する、ツールを見直すなど、主体的に解決策を探す姿勢が成長をドライブさせる。

【参加者:鈴木さん】(1:02:31)

(アドバイスを受けて)7割3割でもあって7割側に来た時に強く打ってみるとか。今は五分五分なんですよ。右も左も五分五分で、こう全部対応してやるっていう感じなんで、ま、予想当たったら強く(打つ)とかやっていきます。

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5. Action: アウトプット習慣チェックリスト

学びは行動に移してこそ意味があります。インプットした知識をアウトプットし、自分のものにするための具体的なアクションリストです。毎日一つでもチェックを入れられるよう、挑戦してみましょう!

アウトプット習慣チェックリスト

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6. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ

「反応は、選べる」。この力強い言葉は、コート上のプレーだけでなく、私たちの人生そのものにも響くメッセージです。そして、動画分析で明らかになった「手堅さの罠」。ミスを恐れるあまりチャンスを逃し、成長の機会を自ら手放していないでしょうか。

今日の学びは、単なる知識として頭に留めておくだけでは意味がありません。チェックリストにあるような小さな行動を一つでも実践し、自分の身体と心に刻み込むことで、初めて本物の力となります。失敗を恐れず、主体的に反応を選び、計算されたリスクを取る。その繰り返しが、あなたを昨日よりも強く、自由なプレーヤーへと導いてくれるはずです。

【参加者】(1:30:38)

ありがとうございます。

【コーチ】(1:30:38)

はい、ではまた。ありがとうございました。皆さん。

次回のオンライン教室で、さらに成長した皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

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