Phoenix-Aichi オンライン教室

成長とは『捨てる』ことの連続だ―2025年7月31日オンライン教室レポート

DATE: 2025年7月31日

雲海から昇る朝日と山脈―執着を手放し、新たな高みへ挑戦するイメージ

1. Opening: 「何も捨てられない人は、何も変えられない」

この日のオンライン教室は、あるメンバーの突然の退会という衝撃的な話題から始まりました。しかし、コーチである中島氏の口調は意外にも穏やかでした。それは、成長の過程で誰もが直面する、ある普遍的なテーマを象徴する出来事だったからです。

そのテーマとは「捨てる」こと。人気漫画『進撃の巨人』の有名なセリフを引用し、コーチは語ります。「何も捨てられない人は、何も変えられない」。人から良く思われたいという執着、正解を言わなければならないというプレッシャー。そういったものを手放す勇気がなければ、成長の扉は開かないのです。

【中島ノブヨリ】 (00:00:00)

やっぱりなるべく早くりえさんを解放してあげたいっていう思いと、ゆいさんの将来を考えると、踏みとどまって対話を続けてった方がいいのかという葛藤がありました。もう葛藤しなくて済むということで、本肩の荷が降りた感覚。

【中島ノブヨリ】 (00:04:50)

何も捨てられない人は何も変えられないって話したところをAIが拾ってくれたんですね。進撃の巨人の名セリフ。…人からよく思われたいとかね。そういう執着を捨てていかないと、なかなか成長の扉は開かないよね。

この日の議論は、バドミントンの技術論を超え、「成長とは何か」という本質的な問いを私たちに突きつけました。変わるためには、まず何を「捨てる」べきなのか。そのヒントが、このレポートには詰まっています。

今日のKey takeaway

成長とは「捨てること」の連続である。 他人の評価や完璧主義といった執着を手放す勇気を持つことで、初めて変化への扉が開かれる。成長とは、新たな価値観を得るための「脱却」のプロセスなのだ。

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2. Growth Theory: 「練習は美徳ではない」―感謝が成長を加速させる

「練習を頑張っている俺は偉い」。そんな風に思ったことはないでしょうか? コーチは、この無意識の驕りこそが成長を妨げる大きな罠だと指摘し、「練習は美徳ではない」という衝撃的な格言を提示しました。

フェニックスにおける練習の定義、それは「自分が上達したいという自己中心的な目的のために、他者の大切な時間を利用させてもらう行為」。この認識がなければ、相手への感謝は生まれません。「もっといい球打ってよ」「今日の練習相手はレベルが低いな」…そんな不満は、実は自分の成長のエンジンを自ら止めている危険なサインなのです。

【中島ノブヨリ】 (00:08:35)

練習することって、いいことやってんだって思うやつ、いるんですよね、時々。…練習やるイコール正義みたいな。…そういうのやめましょうって話です。練習っていうのは非常にわがままなことですよっていう理解をしましょう。

【中島ノブヨリ】 (00:11:11)

そういう理解ができないと相手への感謝ってのは生まれないですよね。もう練習してやってんだ。俺はこんなに努力する正義の人間なんだみたいな認識をしてると練習相手の感謝っていうのは生まれません。…そうすると成長のエンジンは止まっていくでしょう。

感謝の気持ちは、具体的な行動に現れます。練習の始めと終わりに「今日はありがとう」と伝える。相手の時間を無駄にしないよう万全の準備をする。練習後に「何か気づいたことある?」とフィードバックを求める。これらは単なるテクニックではなく、自分の成長を加速させるための重要なアクションなのです。

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3. Deep Dive: 子の成長に親の成長は必要か?

教室では、非常に興味深い問いが投げかけられました。「選手の親自身の成長は、子供の成長に必要か?」。これに対し、参加者の意見は「必要」「不要」「見守る」と真っ二つに割れました。

この問いに対し、コーチは「子供の成長段階による」という明確な見解を示します。コーチの言葉をまだ十分に理解できない低学年の子や、対話能力が未熟な子の場合、親がコーチの意図を理解し、子供に分かりやすく伝える「翻訳者」としての役割が極めて重要になります。この段階では、親の理解力や伝達能力のレベルアップが、子の成長を飛躍させる鍵となるのです。

【中島ノブヨリ】 (00:16:21)

小学低学年とか…私が言ってることの理解は難しい。さらに言ったら親も全然理解してないですよね。…なので理解する能力だったりとかあるいはそれを理解したことを子供に伝えていく能力だったりとかね、そのレベルアップが子供の成長に大きく寄与するだろうっていうのが俺の意見です。

一方で、ヨッシー選手のように自立し、コーチと直接深い対話ができるレベルになれば、親の成長の影響は小さくなります。この議論は、フェニックスのミッションステートメント「成長したい思いが強い人ほど居心地が良い場所」の意味を改めて浮き彫りにしました。成長を望まない人にとっては居心地が悪くなるのは必然であり、それはチームが正常に機能している証拠でもあるのです。

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4. Liberal Arts: なぜ武士道と騎士道を学ぶのか?

話題はバドミントンから離れ、ユダヤ教の歴史、そして「武士道と騎士道の違い」という壮大なテーマへ。一見、何の関係もなさそうですが、これこそが物事の本質を見抜く「視点」を養うための、フェニックス流のユニークなアプローチです。

武士道 vs 騎士道 ― 忠誠の向かう先

  1. 忠誠の対象: 武士道が「主君」という個人への絶対的忠誠を重んじるのに対し、騎士道は「神と正義」という、より普遍的な理念に忠誠を誓います。
  2. 死生観: 武士道では主君のための「名誉ある死(切腹)」が美徳とされる一方、キリスト教の影響下にある騎士道では自殺は罪であり、「生き延びること」が重視されます。
  3. 正義の在り方: 武士道では主君の命令が絶対ですが、騎士道では「悪い主君には従わない」という選択肢が存在します。正義は個人の良心に委ねられているのです。

【中島ノブヨリ】 (00:50:00)

スケールでちょっと負けてますよね。主君っていうでも小さい個人の話なのか、社会全体のために戦ってるのかっていうね、スケールの大きさの違いを…感じますよね。

個人の恨みを晴らすために命を懸けるのか、それとも社会全体の正義のために戦うのか。このスケールの違いを理解することは、自分の価値観を見つめ直し、より高い視点から物事を判断する力を養います。コート上の戦術選択も、人生の大きな決断も、すべては自分の「正義」が問われるのです。

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5. Video Analysis: 心理戦と『小芝居』―リスクを制する者が勝つ

教室の最後は、恒例の試合動画分析。ここでは、技術以上に、選手間の心理戦や駆け引きが赤裸々に映し出されました。特に印象的だったのは、ある選手の「膝が痛いふり」という見事な(?)小芝居。

【中島ノブヨリ】 (00:54:22)

もうここで足止めて左足残して。ああ、考えにくいです。もう膝痛そうです。関係ないですからね。完全ひきずっています。この人が、あと数十分後にもう、はいずり回って動くからね。

この分析で繰り返し強調されたのは、「リスクを負うこと」の重要性です。有利な状況で安全策を取るのではなく、あえて相手の意表を突く配球を選択する。不利になると急に博打を打つのではなく、常に計算されたリスクを取り続ける。その姿勢が、ラリーの主導権を握る鍵となります。

例えば、安易なロビングは上級者には格好の餌食です。ネット前に落として相手を前に誘い出す、あるいは相手が打ちにくいコースへあえて打つことで、予測を外させる。そうしたプレーの積み重ねが、最終的な勝敗を分けるのです。鈴木選手が見せた、人生初のカウンターショットは、まさにその「リスクを負う勇気」が生んだスーパープレーでした。

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6. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回の教室での学びは、バドミントンのコートを越え、人生のあらゆる場面で応用できる普遍的な知恵に満ちていました。特に重要な5つのポイントを振り返ります。

成長とは「捨てる」ことの連続

人からの評価、プライド、古い価値観。何か新しいものを得るためには、何かを捨てる勇気が必要。変化を恐れず、執着を手放すことからすべてが始まる。

練習は「感謝」を伝える機会

練習は他者の時間を借りる自己中心的な行為。その本質を理解し、相手への感謝を言葉と行動で示すことが、自分の成長エンジンをフル回転させる鍵となる。

子の成長に「親の理解力」が影響する

特に子供が幼い段階では、親がコーチの意図を正確に理解し、子供に伝える「翻訳者」としての役割が不可欠。親の学びが、子の成長を大きく左右する。

教養が「視点」を高める

武士道と騎士道の違いを知るように、異なる価値観や歴史を学ぶことは、物事を多角的に捉える視点を養う。その広い視野が、コート上の判断力に繋がる。

有利な時にこそ「リスク」を負え

安全策は現状維持に過ぎない。有利な状況でこそ、計算されたリスクを取り、相手の予測を超える一手を打つ。その攻撃的な姿勢が勝利を引き寄せる。

【中島ノブヨリ】 (01:03:33)

リスク負わない人って、ちょっと不利になると博打に出るよね。…急にリスクを負う。有利な時に博打打てよってことですよね。逆なんだよな。

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7. Action: 「捨てる勇気」を育むチェックリスト

学びを行動に変え、習慣化することが成長への唯一の道です。今日学んだ「捨てる勇気」と「感謝の心」を育むための、具体的なアクションリストです。一つでもいい、今日から始めてみましょう。

アウトプット習慣チェックリスト

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8. Closing: 捨てることから、すべては始まる

「成長とは捨てることの連続である」。この力強いメッセージで貫かれた今回のオンライン教室。それは、古い自分を手放し、新しい自分に生まれ変わるための、少し痛みを伴うけれども希望に満ちたプロセスです。

練習を「感謝の場」と捉え直し、自分の価値観をより高い視点から見つめ、コート上では勇気を持ってリスクを冒す。これらの学びは、すべて繋がっています。何か一つでも、今日のチェックリストを実践してみてください。その小さな一歩が、あなたの成長を劇的に加速させるはずです。

【ayako suzuki】 (01:20:10)

ありがとうございました。

【中島ノブヨリ】 (01:20:12)

はい、終わりましょう。いよいよ8月です!

執着を捨てた先には、これまで見えなかった新しい景色が広がっています。次回の教室で、一皮むけた皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

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