Phoenix-Aichiオンライン教室
格言：「見返したい」は「マウントしたい」の裏返し。
そのエネルギー、自分に使えてますか？
1. 「見返す」は善で、「マウンティング」は悪？
「あなたはマウンティングをしますか？」
こう尋ねられて、「はい、します」と答える人はほとんどいないでしょう。「とんでもない、するわけがない」と、多くの人が否定するはずです。マウンティングは、一般的にネガティブな行為とされていますからね。
では、質問を変えましょう。
「試合に負けたり、誰かに見下されたりした時、『いつか見返してやりたい』と思いますか？」
これには「もちろん！」と力強く頷く人が多いのではないでしょうか。「見返す」という言葉には、努力や成長といったポジティブな響きがあります。しかし、この二つの感情、実はコインの裏表なのかもしれません。
格言
他人を見下ろす丘に立つな。
昨日のお前を見下ろす山に登れ。
この言葉が、今回のテーマの核心です。私たちの内なるエネルギーを、他者との比較や優位性の誇示に向けるのか、それとも過去の自分を超えるための成長に向けるのか。その選択が、あなたの未来を大きく左右します。
3. なぜ？傷ついた自尊心が求める「優位性」という回復薬
マウンティングと「見返す」という行為。一見すると全く違うように見えますが、その根源をたどると、同じ欲求に行き着きます。それは、「傷ついた自尊心を回復したい」という切実な願いです。
負けた、見下された、失敗した――。心が傷つくと、私たちは無意識に自分の価値を再確認したくなります。その手っ取り早い方法が「他者より優位に立つこと」なのです。
- マウンティング：自分の知識や経験、持ち物などを誇示し、相手より上に立つことで「自分はすごい」と直接的に確認する行為。
- 見返す：自分を傷つけた相手に対して、将来的に自分が優位な立場になることで「あの時の自分とは違う」と間接的に証明しようとする行為。
どちらも「誰かと比べて、自分の価値を測る」という点で、全く同じ構造をしています。つまり、見返したいという気持ちが強い人は、マウンティングをしたいという欲求も潜在的に抱えている可能性が高いのです。
4. エネルギーの矛先を「他人」から「自分」へ変える思考法
では、「見返したい」という強力なエネルギーを、どうすれば健全な成長に繋げられるのでしょうか。重要なのは、比較の対象を「他人」から「過去の自分」に切り替えることです。
× 他人軸のエネルギー（マウンティングの道）
「アイツに勝ちたい」「あの人より上に立ちたい」という思考。他人の動向に一喜一憂し、心が安定しません。相手が視界から消えれば、目標も消えてしまいます。
○ 自分軸のエネルギー（自己成長の道）
「昨日の自分より強くなりたい」「1ヶ月前の自分ならできなかったことを成し遂げたい」という思考。成長の基準が自分の中にあり、持続的なモチベーションに繋がります。
具体的なアクションプラン
1. 記録をつける：練習ノートや日誌をつけ、できるようになったこと、成長した点を具体的に書き出す。
2. 小さな目標設定：「あの選手に勝つ」ではなく、「今日はバックハンドのミスを3回減らす」のように、自分でコントロール可能な目標を立てる。
3. 感謝の視点：悔しさを感じさせてくれた相手を「自分の課題を教えてくれた存在」と捉え、成長の機会に感謝する。
5. まとめ：あなたの「悔しさ」を最強の武器にするために
「見返したい」という気持ちを、恥じたり否定したりする必要はありません。それは、あなたが向上心を持っている何よりの証拠です。
大切なのは、その強力なエネルギーの矛先です。
他人を引きずり下ろしたり、優位に立って悦に入ったりするために使うのではなく、過去の自分を乗り越え、まだ見ぬ未来の自分へと駆け上がるための燃料にしてください。
他人と比較して得る安心感は一瞬で消えますが、自分自身の成長がもたらす自信は、一生あなたの支えとなります。