Phoenix-Aichi オンライン教室

頑張りすぎが仇に?2025年7月6日オンライン教室レポート:本質を見抜く力と「演じる勇気」

DATE: 2025年7月6日

朝日が差し込む雄大な山脈の風景―困難な挑戦と、その先にある成長を象徴する大自然

1. Opening: 失敗を恐れず、本質を見抜く姿勢

この日のオンライン教室は、前回の「一生九敗の真実と5秒ルール」というテーマの復習から始まりました。多くのアスリートが陥りがちな「失敗への過度な恐れ」。コーチは、アドバイスを試す際に「これで上手くなるか?」という損得勘定で考えてしまうと、本質的な成長は難しいと指摘します。

挑戦は思考であり、実験。ユニクロの柳井氏が言うように、9回の失敗は当たり前。そのくらいの気概でなければ、本当の成長は掴めません。そして、人間は「やる気になる」のを待つ生き物ではない。「5秒ルール」で強制的に行動を起こす習慣こそが、自分を変える鍵となります。

【中島コーチ】(05:39)

やっぱりもう、上達につながろうが、つながるまいがどっちでもいいっていう気持ちがないと、アドバイスをやりきるっていうのは非常に難しいのかなという気がします。そういう損得勘定に支配されているとなかなかやりきれないことも多いんじゃないかなと思います。

【中島コーチ】(09:37)

人間はやる気になるようなものではありません。やりたくないことはあなたがいつまで立ったところでやりたいようになりませんからね。はい。で、それをやるには、ま、このような5秒ルールを使って、ま、強制的にやっていくってことが必要なんじゃないのってことを言ってます。

この日のテーマは、こうした「本質を見抜く力」と「行動する勇気」に繋がっていきます。フェイントの心理学、頑張りすぎるパートナーの問題、そして一見奇妙な練習法に隠された真意。あなたのバドミントン観を揺さぶる議論が始まります。

今日のKey takeaway

上達の本質は「構え」にあり。 小手先の技やフェイントではなく、どんな状況でも同じフォームから最適なショットを繰り出す「一貫性」こそが究極の武器。それは技術だけでなく、失敗を恐れずに行動し、チーム全体の成功を考える「心の構え」にも通じる。

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2. Mystery: なぜフェイントに弱い人ほど、フェイントを打ちたがるのか?

「フェイントにかかる人ほどフェイントを打ちたがる」。これは、多くの中級者が陥る罠だとコーチは語ります。なぜこのような現象が起きるのでしょうか?その答えは、選手のプレースタイルと思考のバイアスに隠されていました。

反応型 vs 予測型

  • 反応型プレイヤー: 打球後に動くタイプ。シャトルの飛び出しを見てから動くため騙されにくい。トップ選手に多い。彼らにとってフェイントは無意味な小細工に感じられます。
  • 予測型プレイヤー: 打球前に動くタイプ。相手のフォームや状況から予測して先に動くため、フェイントに引っかかりやすい。自分が効果を感じた戦術は相手にも効くと思い込む「自己投影」のバイアスに陥りやすい傾向があります。

【中島コーチ】(12:53)

面白いことにフェイントに弱い選手ほどフェイントを使いたがる傾向があります。これが心理学的に見てごく自然なことなんじゃないかなと思います。1つ目、自己投影バイアス。自分が効果を感じた戦術は相手にも聞くと思い込むっていうことですよね。自分が騙された経験がこれは使える戦術だという確信に変わってしまう。非常に恐ろしいですよね。

【中島コーチ】(14:38)

彼らが目指すのはいかにもフェイントってね、右に見せて左みたいなね、もう中級者がよくやってるようなフェイントですね。スマッシュ、ドロップ、クリアも全ても同じホームから放たれること。これがこれこそが究極ですね。

トップ選手が目指すのは、小手先の騙し合いではありません。同じ構えからあらゆるショットを打ち分け、相手に選択肢を絞らせないこと。それこそが、究極の武器なのです。自分がフェイントを多用しがちだと感じたら、それは「予測型」に偏っているサインかもしれません。

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3. Video Analysis: 頑張りすぎがチームを壊す?

教室の後半では、実際の国際大会の動画を分析。そこで浮き彫りになったのは、「パートナーの頑張りすぎが、逆にチームの調子を崩す」という皮肉な現実でした。

本来パートナーが打つべき球まで無理に手を出したり、自分のポジションを無視して動いたり…。一見、献身的に見えるそのプレーが、実はパートナーのリズムを乱し、信頼関係を損ない、結果としてチーム全体のパフォーマンスを低下させてしまうのです。

【中島コーチ】(17:01)

これ(パートナーが)ぬく(選手)に飛び込ました方がいいでしょ。どう見ても。この体勢。ヌクロー選手がこの辺に火を吹くような球を打ちますよ。多分。なのにこいつがなんか下がってきてさ、もう頑張っちゃうんすよね。

【参加者】(19:42)

それでもさ、返せなかったのは俺だからって言って、あまり強く言えないじゃないですか。こういう場面って。ごめんねみたいな感じになるじゃないですか。期待に答えられず申し訳ないみたいなね。こう自己否定になってくんですよね。ヌクロー選手側も。

【中島コーチ】(30:46)

本当にね、頑張りすぎですので、なかなか分かってもらえないですけどね。頑張りすぎってよくない。頑張ることがいいっていう風に思ってる人すごい多いんじゃないですかね。頑張ることの何が悪いんだみたいな感じ。うん。頑張るとやりづらいんだよってことが分かってくるといいですよね。

自分の役割を理解し、パートナーを信頼して任せること。そして、チームとして最も失点に繋がる穴はどこかを考えてポジションを取ること。「頑張る」ことと「自分の仕事をすること」は違います。この動画は、チームプレーの本質について深く考えさせられる、貴重な教材となりました。

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4. Deep Dive: 「シャ迦です!」に学ぶ、上達のための思考法

この日の練習では、「シャ迦です!」というユニークな掛け声と共に、巻きつけ打ちの練習が行われました。一見ふざけているように見えるこの練習ですが、その裏には上達のための深い意図が隠されています。

「シャ迦です!」の元ネタとは?

これは、あるホストが「僕は神と人間のハーフしか(だから)ね」と格好つけるネタを真似たもの。参加者たちがこれを全力で演じることで、教室は笑いに包まれました。この「演じる」という行為が、実は今回の重要なテーマの一つです。

コーチがこの練習を通して伝えたかったのは、「恥ずかしさを捨てて、素直にやってみること」の重要性です。メリットがあるからやる、という損得勘定ではなく、バカバカしく見えても一度本気で演じてみる。そのプロセスが、自分の殻を破り、新しい感覚を掴むきっかけになります。

【参加者】(1:19:04)

なんかこういう恥ずかしいってあるじゃないです。うん。うん。そこじゃなくてこれやったらなんかいいそのメリットのかなっていう風に考えまず考えるのが、ちょっとやるの恥ずかしいんだけどうん。うん。なんか自分で思いつくこれいいところ、あるかなとかそういう風に考えるようにした方がいいな。

【中島コーチ】(1:17:34)

意味を考えるとね、やれなくなっちゃいますからね。うん。もうバドミントの上達に繋がらなくてもいいっていうね、そういう考えにならないとなかなかやれないんじゃないかなと。損してもいいっていうね。そういう感じじゃないと、いろんな物事は躊躇しがちになるんじゃないかなと思います。

また、練習の最後には、球拾いをせずに休んでいる参加者に対して、コーチから厳しい指摘がありました。練習は、仲間が球を拾ってくれるからこそ成り立っている。その感謝と責任感を忘れた時、プレイヤーとしての成長は止まってしまいます。フェニックスの温かさとは、こうした人間性の部分にも真剣に向き合う厳しさの中にあるのです。

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5. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回の教室から得られた、バドミントンのコートを越えて応用できる5つの重要な学びをまとめました。

1

「頑張りすぎ」は善ではない

自分の役割を超えた過剰なプレーは、パートナーのリズムを崩し、チームの機能を低下させる。自分の仕事を理解し、仲間を信頼することが真のチームプレーだ。

2

究極の武器は「構えの一貫性」

小手先のフェイントに頼るのではなく、どんなショットも同じ構えから繰り出すことを目指そう。相手に予測させないことこそが、最高の攻撃となる。

3

恥を捨てて「演じて」みる勇気

「シャ迦です!」のように、一見無意味に見えることでも全力でやってみる。損得勘定を捨て、恥ずかしさの殻を破った先に、新しい成長の扉がある。

4

練習は「お膳立て」されて成り立つ

自分が練習に集中できるのは、シャトルを集めてくれる仲間がいるから。その感謝を忘れ、傲慢な態度を取ることは、プレイヤーとしての終わりを意味する。

5

ゲームで崩れる原因を「形」で修正する

ノックでは上手くいくのにゲームでミスが出るのは、プレッシャー下で「形」が崩れているから。感覚に頼らず、正しいフォームを体に染み込ませることが安定への道だ。

【中島コーチ】(1:24:20)

シャトル集めてくれる人がいるから自分を練習させてもらいだ。自分をもちろん集めていくべきだよねって俺は思うんです。お膳立てをしてさ、自分がうまくなるためにみんなはお膳立てをするべきだっていう傲慢な考え方にはならないよ。なったら終わりじゃないかなと思ってるから。

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6. Action: アウトプット習慣チェックリスト

今日の学びを自分のものにするために、具体的な行動に移してみましょう。一つでもチェックできると、あなたのバドミントンは確実に変わります。

アウトプット習慣チェックリスト

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7. Closing: 学びを行動へ、次の一歩を踏み出そう

「頑張りすぎ」という落とし穴、「フェイント」という甘い誘惑、そして「シャ迦です」に隠された成長のヒント。今回のオンライン教室は、テクニック以前の、より本質的な「あり方」を問う時間となりました。

特に、練習への貢献意識についてのコーチの厳しい言葉は、多くの参加者の胸に響いたのではないでしょうか。強い選手である前に、信頼される人間であること。その土台があって初めて、技術は輝きを増します。

【参加者】(1:38:39)

休み休みでもいいから、ちょっと時間を長めにやっていくといいんじゃないかみて気がしますけどね。風に当たりながらやっていきましょう。

【中島コーチ】(1:38:51)

はい。では終わります。ありがとうございました。

学びは、行動に移して初めて価値を持ちます。今日感じたこと、考えたことを、ぜひ明日の練習に一つでも持ち込んでみてください。その小さな変化の積み重ねが、あなたを間違いなく次のステージへと導いてくれるはずです。

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