伸び悩む君へ。その「正々堂々」、勝利を遠ざけていませんか?
「自分はまだ技術が足りないから…」
試合で負けたとき、練習がうまくいかないとき、心のどこかでそう呟いていませんか? そして、「もっと技術を磨かなければ」と、ひたすらテクニックの練習に打ち込む日々。
もちろん、技術向上は大切です。しかし、もしあなたが「技術不足」を強く自覚しているなら、一つ、耳の痛い、しかし非常に重要な「勝負の皮肉な法則」についてお話しなければなりません。
なぜか「武器」を増やそうとしない選手たち
それは、**「技術的に劣ると自覚している選手ほど、技術以外の武器を手にしようとしない」**という、逆説的な現実です。
考えてみてください。
- 大きな声を出して、自分とチームの士気を高める。
- あえて弱気なフリをして、相手の油断を誘う。
- 絶妙な「間」を取って、相手のリズムを崩し、試合の流れを支配する。
- 審判や相手に心理的なプレッシャーをかける(もちろんルールとマナーの範囲内で)。
これらは、高度なテクニックがなくとも、意識と工夫次第で使える立派な「武器」であり「戦略」です。論理的に考えれば、技術が足りないと感じているなら、なおさらこうした**「技術以外の部分」**で差をつけ、補おうとするのが自然なはず。
しかし、現実はどうでしょう?
「正々堂々」という名の思考停止
技術不足を自覚する選手に限って、なぜか「波風を立てないように」「小細工はしない」といった姿勢を貫こうとします。相手のパフォーマンスを下げるような駆け引きや、心理的な揺さぶりを「卑怯だ」「スポーツマンらしくない」と、無意識のうちに避けてしまうのです。
彼らは**「正々堂々」**という、一見美しい言葉を盾にします。しかし、それは時として、勝利のためにあらゆる手段を尽くすことから目を背けるための、都合の良い言い訳になっていないでしょうか?
結果として、彼らの時間は技術練習「のみ」に費やされ、なかなか越えられない「技術の壁」の前で、伸び悩み続けてしまうのです。まるで、自ら天井の低い部屋に閉じこもってしまっているかのように。
真の強者は「総合力」で勝負する
忘れないでください。勝負の世界で求められるのは、技術だけではありません。
体力、メンタル、戦略、情報収集、駆け引き、そして時には少しの「ずる賢さ」。これら全てを駆使し、戦いのあらゆる側面を支配しようとする者こそが、真の強者への道を歩むことができます。
技術を磨く努力は絶対に必要です。しかし、それと同時に、**「技術以外の武器」を磨くこと、それを使う「勇気」**を持つことも、同じくらい重要なのです。
「正々堂々」の呪縛から自分を解き放ち、勝利のために使えるカードは全て使う。それこそ正々堂々ですし、カードをすべて使わないことは手抜きと私は思います。
あなたの「武器庫」には、まだ使われていない強力な武器が眠っていませんか?