他人の目、気にするくせに「他人」を見てますか? – コート上の厄介な矛盾
「下手だって思われたくないんです…」 「あのペアより、うちの方が強いって見られたい!」 「今の空振り、めちゃくちゃダサいって思われたかな…」
コートに立つと、こんな風に「周りからどう見られているか」ばかり気にしてしまうこと、結構ありませんか? 自分のプレーの良し悪しよりも、他者の視線や評価という、実に曖昧でコントロール不能なものに心をすり減らしてしまう。
そして、厄介なことに、「自分はこんなに気にしているんだから、周りだって私のプレーを細かくチェックしているはずだ」なんて、無意識に思い込んでいたりしますよね。まるで自分が世界の中心人物であるかのように。…日々、お疲れ様です。
でも、ここで一つ、意地悪な質問をさせてください。
「周りの目」をそこまで徹底的に気にしているあなたは、その視線の主であるはずの「他人」一人ひとりに対して、どれだけ本物の興味を持っているでしょうか?
- ペアを組んでいる相方が、最近どんな気持ちで練習に臨んでいるか、知っていますか?
- 対戦相手の得意なコース、苦手なショット、試合中の癖を、自分の評価のためではなく、相手を理解するために観察していますか?
- いつもアドバイスをくれるコーチが、あなたのどんな可能性を信じて言葉を選んでいるか、想像したことがありますか?
…もしかしたら、驚くほど「他人」そのものには無関心だったりしませんか? 自分の評価ばかりを気にするあまり、周りの人々は「自分を評価するための存在」としてしか見ていないのかもしれません。
**なぜなら、他人を本当に理解するのは骨が折れるからです。**面倒くさい、と言ってもいいかもしれません。だから、よくわからない「不特定多数」に向けて、「なんとなく良い印象」を与えようと必死になる。それはまるで、どこにあるかもわからない的を狙って、ひたすらシャトルを打ち続けるようなもの。勝てるはずのない、「難攻不落の戦い」に自ら挑んでいるようなものです。正直、不毛ではありませんか?
さて、どうしましょうか。これからも、正体不明の「他人の目」という幻影に怯え、その評価のためだけにプレーし続けますか? それとも、少しだけ視点を変えて、すぐ隣にいるチームメイトや、ネットの向こう側にいる対戦相手という、「リアルな他人」にもう少しだけ目を向けてみますか?
…まあ、他人に興味を持つのが面倒なら、無理にとは言いませんが。