2025年10月21日オンライン教室レポート:ラケット直置きから読み解く「インテグリティの欠如」審判視点で学ぶバドミントンの真剣勝負
DATE: 2025年10月21日

1. Opening: ラケット直置きから透ける「プレーヤーの姿勢」
この日のオンライン教室は、試合映像を審判(主審・線審)の視点から分析するという、一味違ったテーマでスタートしました。バドミントンにおいて、プレーの正確さだけでなく、選手としての「姿勢」や「インテグリティ(誠実さ)」がいかに重要かが見えてきます。
最初に話題となったのは、コートサイドの備品の置き方。競技規則では、ラケットや飲み物を床に直置きすることは禁止されています。
【ayako suzuki】 (00:04:01)
ああ、飲み物がバックの中に入ってなくて怒られたことがあります。この床に置いてて怒られました。箱がある時はその中に入れなきゃいけなくて、ない時はバックの中に入れてくださいって言われた。
【塩澤源市コーチ】 (00:06:01)
反対側の選手はちゃんと、えっと、バックに全てを入れて何にも床に直置きしてないですよね。(中略)このブルーの、え、日本大学の子かな。うん。ちょっとこうチャラいっていうか緩いっていうイメージを自分は感じますね。ラケット直置きしてる時点でっていう丁寧さがないっていうイメージを持ちました。
コーチは、ラケットを直置きしている選手(ブルーのユニフォーム)を見て、「チャラい」「緩い」という印象を持ったと指摘。これは単なるマナーの問題ではなく、試合への集中度や真剣さが、こうした細部に現れているという示唆です。トーナメントバッグの上に置くなど、いつでも交換しやすいように準備する姿勢も重要だと語られました。
今日のKey takeaway
審判の視点は「メタ認知」の訓練。 プレーヤーとしての自分を客観視し、行動の隅々まで「インテグリティ(誠実さ)」が伴っているかを自問する。ラケットの置き場所一つにも、試合への敬意とプロ意識が問われている。
2. Rules Deep Dive: サービス判定の重要ラインと審判の責務
次に、主審がサービス時にイン・アウトの判定を行うラインについて深掘りしました。正確なルールの理解は、選手としても審判としても不可欠です。
主審が判定する2つのライン
- ショートサービスライン(ネットに近いライン): サービスがこのラインを越えなければフォルト(違反)となります。
- センターライン: サービスを行う際に、選手がこのラインを踏んでいないかを確認します。
これら以外のサイドラインやバックラインの判定は、基本的に線審(先進)の仕事です。
【つげよしゆき】 (00:00:00)
あの、ネットに近いとこっていうか…前の前のところ手前。
【塩澤源市コーチ】 (00:02:02)
ショートサービスライン、ネットに近いラインと今この映像でブルーの選手が踏んでいる真ん中のセンターライン。この2つが主審がインかアウトの判定をするライン2本。これが主審のお仕事です。
3. Mystery: 選手の「癖」か「意図的な遅延」か?審判のジレンマ
試合映像には、審判の判断が問われる微妙なプレーが多数含まれていました。特に問題視されたのは、ブルーの選手の以下の行動です。
癖かフォルトか?サーブ時の足のずれ
ブルーの選手は、サーブ時に左足を引きずるような動作を見せます。コーチはこの動作が「癖」であり、シャトルをヒットする瞬間には足が止まっているため、厳密にはフォルトではないと判断しました。しかし、プレーヤーはサーブの「前方への振り出しが始まった時点」で足が動くと完全にフォルトとなるため、審判は慎重に見極める必要があります。
流れを変えるための「チャラい」行為
また、この選手は試合の流れを変えようと、相手のサーブ準備中に下を向いたり、ガットを見たり、髪を撫でたりといった「遅延行為」に近い仕草を頻繁に見せていました。さらに、イン・アウトの判定後、線審にプレッシャーをかけるような視線を送る場面もありました。
【塩澤源市コーチ】 (00:27:37)
ここで例えばイエローカードを主審が出すと、この青のプレイヤーがもうちょっとシャキッとする可能性もありますよね。(中略)イエローカードの次はもうレッドカードなのでっていう話で。
【ayako suzuki】 (00:34:35)
自分的にはもう、自分の方がもっと時間取ってる時があって。
【塩澤源市コーチ】 (00:34:35)
私だったらあの場面はイエローカード出したい。もうちょっとしっかりバトミントやりましょうよっていう感じにさせてあげたい。
コーチは、このような「ラフ」なプレーや集中力の欠如が見られる選手に対し、「真剣にバドミントンに取り組むよう促す」ために、イエローカードを出したいという考えを示しました。審判の役割は、単にルールを適用するだけでなく、試合を平等にコントロールし、選手のインテグリティを育むことにあるのです。
4. Takeaways: コーチング的5つの学び – 真剣勝負とインテグリティ
今回の審判視点の分析から、バドミントンの技術以上に重要となる、成長のための普遍的な教訓を5つにまとめます。
試合への「インテグリティ」は細部に宿る
ラケットや飲み物を床に直置きしない、バッグに整理して入れるといった行動は、ルール遵守以上に試合と相手への敬意を示す。細かい部分にこそ、その選手の真剣さが表れる。
プレーヤーこそ「審判の視点」を持て
審判や線審がどのラインを見ているか、自分のどの動作が「チャラい」と見られるかを知ることは、自分自身を客観視する「メタ認知」の強力な訓練となる。
意図的な遅延行為は「逃げ」である
劣勢の場面で、ガットを見つめたり髪を撫でたりする行為は、流れを変えたいという焦りの現れ。本質的な解決ではなく、真剣勝負から逃げている姿勢と見なされる。
審判の警告は「成長へのチャンス」
イエローカードは「もっと真剣にやりましょう」という審判からのメッセージ。それを逆手に取り、自分の態度を見直して奮起できる選手こそが成長できる。
「癖」は客観視で修正せよ
サーブ時の足のずれなどの「癖」は、無意識のうちに相手に疑念を与えかねない。自分のプレーを動画などで客観視し、ルールに則った、再現性の高いプレーを確立することが不可欠である。
【塩澤源市コーチ】 (00:34:35)
結構うん。ラフっていうかちゃあまりシャトルに集中できてない感じですよね。周りを気にしたり、インアウトをやたらきにしたりっていう感じなので、ちょっと残念かなという感じがあったので、自分はそう感じました。
5. Action: プレーとインテグリティ向上チェックリスト
今回の学びをプレーヤーとしての「インテグリティ」と「メタ認知」の向上に繋げるための具体的な行動リストです。今日の反省を明日の成長に変えましょう!
プレーとインテグリティ向上チェックリスト
6. Closing: 審判視点という新たな「メタ認知」を
ラケットの直置き、サーブの癖、微妙な遅延行為。これら審判の視点から見えた一つ一つの行動は、その選手のバドミントンに対する「インテグリティ」のレベルを示しています。
試合を平等にコントロールするという審判の責務は、私たち選手にとって、常に自分を客観的に見つめる「メタ認知」の力を養うための鏡となります。単に「勝てばいい」ではなく、真の勝者は、プレーも態度も誠実であるべきです。
【塩澤源市コーチ】 (00:31:36)
これがえっと試合、えっと平等でありコントロールするということなんで、ここでもう1回例えばさっきイエローカード出してないので、今回イエローカード出せばこのプレイヤーがすんなり諦めるのか、逆にガツンと気合入れて試合に望むのかっていう流れもこれは分からないっていう話ですよね。
ぜひ、チェックリストを活用し、審判の視点を取り入れた新たな自分磨きを始めてください。その真剣な姿勢が、必ずあなたのプレーを次のレベルへと引き上げてくれるはずです。次回のオンライン教室も、皆さんのご参加をお待ちしています!