2025/10/28 書籍レポート:『いいことが起こる人の習慣』—ネガティブな心を科学的にリセットする方法

こんにちは! Phoenix-Aichiオンライン教室、広報担当のカケルです。なんだか最近ツイてないな…、どうしてあの人みたいにうまくいかないんだろう…そんな風に心がモヤモヤしたり、イライラしたりすること、ありませんか?

特に高校生の皆さんは、勉強、部活、友人関係、将来のこと…と、悩みが尽きない時期かもしれません。心が「ちょっと苦しい」と感じる状態が、当たり前になってしまっている人もいるかもしれません。

そんな皆さんに、今日は「心の筋トレ」とも言える一冊をご紹介します。これ、本当にすごいです。科学的な裏付け(エビデンス)に基づいて、心を晴れやかにする具体的なヒントが詰まっています。

『いいことが起こる人の習慣』

著者: 内藤 誼人(ないとう よしひと)氏

概要: 人気の心理学者が、世界中の心理学研究を基に「心が晴れやかになる41のヒント」を紹介する一冊。

著者の内藤氏は、なんと250冊以上の本を書いている心理学のプロフェッショナル。本書で紹介されているのは、難しい精神論ではなく、「今すぐ試せる」簡単な考え方や行動ばかりです。

今日はこの本の中から、特に皆さんに知ってほしい「いいことが起こる人」になるための習慣を、私カケルが厳選してレポートします!

なぜかツイてない…そのモヤモヤ、解消できます!

この本のゴールはシンプルです。それは、不安やストレスから解放された「心理的に健康な人」になること。

「心理的に健康」と聞くと難しそうですが、要は「自己肯定的で前向きになり、感情に振り回されなくなる」状態のことです。自信がなくて否定的な考え方ばかりしてしまう…という状態の真逆を目指すわけですね。

目指すべき「心理的に健康な人」とは?

ストックホルム大学の研究によると、「心理的に健康な人」には6つの指標があるそうです。あなたはいくつ当てはまりますか?

  • ① 自分のすべてを受け入れている(自己受容)
  • ② 他者と肯定的な関係を築くのがうまい
  • ③ 自分自身の成長を目指している
  • ④ 人生の目的をもっている
  • ⑤ 自律性が高い(自己コントロールができる)
  • ⑥ 自分を取り巻く環境をコントロールしている

いきなり全部を目指すのは大変ですが、本書のヒントは、これらに近づくための具体的なステップなんです。

人間関係の悩み、解決の鍵は「自分」にあり

学校生活で一番の悩みは、やっぱり人間関係かもしれません。この本は、そんな悩みにズバッと答えてくれています。

疲れる「空気読み」、もうやめませんか?

「こんなこと言ったら、空気が読めないヤツって思われるかも…」そう考えて、相手の言葉の裏を読もうとしたり、本心を隠したりしていませんか?

実は、その「空気を読む」ことこそが、ストレスの原因なんです。イェール大学の研究では、恋人の言葉や感情を素直に受け止めない(裏読みする)人ほど、関係に不安を抱いていることがわかっています。

つまり、人の言葉を裏読みせず、素直に受け止めるほうが、人間関係の不安は減るんです。嫌われないために空気を読むのは、もうやめましょう。

「好かれたい」なら、まず「自分から好きになる」

じゃあ、どうすればいいのか。答えは驚くほどシンプルでした。

もし「人から好かれたい」と思ったら、必要なのは嫌われないために空気を読むことではない。自分のほうから相手を好きになることなのだ。

ワシントン大学の研究によると、「自分が相手を思う以上に、相手から好かれたい」と望む人ほど、対人不安が強いことがわかっています。他人からの評価なんて、本当のところは分かりません。

それなら、コントロールできない他人の評価を気にするより、コントロールできる「自分が相手を好きになる」努力をしたほうが、よっぽど健康的でストレスフリーだということです。

ネガティブ感情にサヨナラ! 知っておきたい「心のウソ」

失敗が怖い、イライラする、不満がたまる…。そんなネガティブな感情との向き合い方、私たちは間違っているかもしれません。

ウソ①:「失敗したら、ずっと恥ずかしい」

「あんな失敗したら、みんなに笑われる…」「恥ずかしくて立ち直れない…」

その心配、不要です。なぜなら、人間は「都合が悪い記憶は忘れてしまう」ようにできているからです。

ある大学の実験で、学生に高校時代の成績を思い出してもらったところ、「A判定」の成績は89%が正しく覚えていたのに、「D判定」の成績を正しく覚えていたのは、たったの20%でした。悪い成績のことは、みんな忘れてしまっているんです。

挑戦するときに失敗を恐れる必要はありません。もし恥をかいたとしても、あなたも周りも、どうせすぐに忘れます

ウソ②:「怒りの原因を突き止めればスッキリする」

イライラしたとき、「なんでこんなにムカつくんだ!」と原因を考えたり、誰かに話したりしていませんか?

実はそれ、逆効果です。怒りの原因に注目すればするほど、怒りはエスカレートしてしまうことがわかっています。

【専門用語解説】怒りのエスカレーション

攻撃的な気持ちを持っているとき、そのこと(例えば怒りの原因)について考えたり話したりすると、その思いがますます強くなってしまう心理現象のことです。ある実験では、夫婦ゲンカで皮肉や敵意のある話をすればするほど、血圧や心拍数が上がっていくことが確認されています。

怒りがわき始めたら、原因を見つめるのではなく、「すぐに忘れよう」とすることこそが有効な対処法なんです。

ウソ③:「グチを言えばストレス解消になる」

「あーあ、マジ最悪」「部活の先輩がさー」…。友達とグチを言い合って、「あースッキリした!」と思っていませんか?

残念ながら、それもウソ。グチや不満は、吐き出させても解消されるどころか、むしろ増幅します

ある会社の実験(エグジット・インタビュー)で、「今後の参考にするから」と不満点を積極的に聞き出そうとしたグループは、通常のインタビューのグループに比べ、会社や上司への不満の数がほぼ倍増したそうです。

不満は、言葉にして表に出すほど、自分の中で明確になり、より強く意識してしまうのです。グチを言っても、スッキリすることはないんですね。

不安は「最高のスパイス」だった!?

「受験が不安だ…」「うまくいくかな…」と、不安で動けなくなること、ありますよね。でも、この本は「不安は悪いことじゃない」と言い切ります。

不安が大きいほど、達成感は強くなる

考えてみてください。最初から「絶対うまくいく」とわかっていることをやっても、達成感ってありますか?

この本で紹介されているランス大学の実験が面白いです。絶叫マシーンに乗る人を調査したところ、乗る前の「不安」が大きい人ほど、乗り終わった後の「快感」が強かったのです。

至福、達成感、満足感…。これらはすべて、不安や苦労、努力といった逆境を乗り越えてこそ得られるもの。今感じている不安は、未来の大きな喜びのための「スパイス」なのかもしれません。

根拠ゼロでもOK!「自分を信じる力」

「不安がスパイスなのは分かったけど、それでも不安だよ!」という人も大丈夫。大切なのは、根拠や自信がなくても、「この不安はやがて消える」と自分を信じてみることです。

対人不安が強い人でも、「自分の性格は変わる!」と思っている人ほど、不安を減らせることが研究でわかっています。

それでも不安が襲ってきたら、「セルフトーク」がおすすめです。

【専門用語解説】反論思考(セルフトーク)

自分自身に語りかけることです。例えば、「健康が心配だ」という不安が頭に浮かんだら、すかさず「大丈夫、定期検診を受けているから」と事実をもって自分に反論します。この「根拠のない不安」に「事実で反論する」トレーニングを4週間続けたグループは、前向きな性格に変わったという研究結果があります。

今日からできる!「自分を変える」具体的な習慣

最後に、私が「これは!」と思った、自分を変えるための超・具体的な習慣を3つ紹介します。

① まずは「外見」から整える

「自信がない…」という人、まずは服装に気を配ってみてください。自分の服装や外見に気を配っている人ほど、他人の視線に対する不安(視線恐怖)が低いことがわかっています。

さらに、スーツなどのフォーマルな服装をすると、その服装に見合う自分になろうとして、実際に自信が高まり、証言などもハキハキと速く正確になるという実験結果もあります。まずは「形から入る」のは、科学的にも正しかったんです!

② 「なりたい人」のそばに行く

「もっと明るい性格になりたい」と思うなら、明るい人のそばに行ってください

学生寮で同じ部屋で寝起きしていると、性格が似てくる傾向があるそうです。これは、相手のムードが自分に「感染」するためです。

【専門用語解説】感情感染効果

一緒にいる人の感情やムードが、まるで風邪のようにうつる現象のこと。明るい人のそばにいれば、その陽気な雰囲気や前向きな会話に触れることで、自分も明るいムードが感染し、やがて性格も変わっていくのです。

③ 話す「時制」を未来に変える

あなたの周りに「昔はよかった」「あの頃は楽しかった」と、過去の話ばかりする人はいませんか?

研究によると、ホームレスの人々は抑うつ度が高く、思い出話が多い傾向にあったそうです。これは、現状に満足していないため、過去に思考が向いている状態です。

もし現状に満足していないなら、意識して「未来の話」をしましょう。「来週はこれを頑張る」「将来こんなことがしたい」。そうすることで、気持ちも未来志向に切り替わっていきます。「いまが最高!」と思えれば、あなたの話を聞きたい人が自然と集まってくるはずです。

【熱い感想】読解のプロが本気で感動したワケ

広報担当のカケルです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

私がこの本を読んで一番衝撃を受けたのは、「怒りは原因を考えると悪化する」、「グチは不満を増幅させる」という事実でした。良かれと思ってやっていたことが、全部「逆効果」だったなんて…!

私たちはつい、「心」の問題を「心」だけで解決しようとします。「もっと前向きにならなきゃ」「ポジティブに考えよう」と。でも、この本が教えてくれるのは、そんな精神論ではありません。

「自信がないなら、まず服を着替えろ」
「性格を変えたいなら、付き合う人(環境)を変えろ」
「不安なら、事実で反論しろ」

すべてが具体的で、行動ベースです。心を変えるには、まず「行動」や「環境」を変えるほうが早い。このアプローチは、勉強に行き詰まった高校生の皆さんにも、そのまま当てはまるのではないでしょうか。

「やる気が出ない」と悩むより、まず机に座ってペンを持つ。
「集中できない」と悩むより、スマホを別の部屋に置く。

「知っている」だけでは、何も変わりません。この本に書かれているヒントは、すべて世界の研究で効果が確認されたものばかり。「だまされたと思って、まず1個だけ試してみる」。その小さな一歩が、あなたを「いいことが起こる人」に変えてくれるはずです。

心がちょっと疲れたな、と思ったときに、ぜひ手に取ってみてください。

Phoenix-Aichiオンライン教室 広報担当 カケル

 

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