2026年2月4日 | 書籍レポート
『スマホ脳』から学ぶ、私たちがデジタルに抗えない生物学的理由
Phoenix-Aichi オンライン教室 ブログ

こんにちは!Phoenix-Aichiオンライン教室、本日のブログ担当は広報の「湊(みなと)」がお送りします。
突然ですが、皆さんに質問です。今朝起きてから、スマホを何回触りましたか?
「ちょっと調べ物をするつもりが、気づけばSNSを巡回していた」「動画を見ていたら1時間が経過していた」……そんな経験、誰にでもありますよね。
実はこれ、あなたの意志が弱いからではありません。
私たちの脳が、そのようにプログラムされているからなのです。
本日は、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏による世界的ベストセラー『スマホ脳』のレポートをお届けします。なぜ私たちはスマホを手放せないのか?そして、どうすればこの「ハッキング」から脳を取り戻せるのか?最新の脳科学と進化論の観点から、限界までわかりやすく解説していきます。
1. 私たちの脳は、まだ「サバンナ」にいる
まず、衝撃的な事実からお話ししましょう。人類の歴史という長いタイムラインで見ると、私たちの脳は過去1万年間、ほとんど変化していません。
人類が地球上に現れてから、その時間の$99.9\%$は、狩猟と採集の時代でした。私たちの脳は、サバンナで生き延びるために最適化されています。
- 猛獣や敵から身を守る
- 食料(カロリー)を必死に探す
- 仲間と協力して生き延びる
この「サバンナ仕様」の脳のまま、私たちは突然、デジタル情報が溢れかえる現代社会に放り込まれました。これがすべての不調の原因です。
生物の進化には気の遠くなるような時間がかかります。テクノロジーの急激な進化に、私たちの身体(ハードウェア)のアップデートが追いついていないのです。
2. なぜスマホを見続けてしまうのか?(ドーパミンの罠)
サバンナでは、新しい場所に行けば「食料」が見つかるかもしれませんでした。新しい情報は「生存のチャンス」に直結していたのです。
そのため、脳は「新しい情報」に触れると、快楽物質であるドーパミンを放出するように進化しました。「もっと探せ!もっと知れ!」と脳が命令するわけです。
不確実性が依存を加速させる
ここからが重要です。人間は「確実に何かが手に入る」時よりも、「手に入るかもしれないし、入らないかもしれない」という不確実な状況において、最もドーパミンが出ることがわかっています。
これはギャンブル(スロットマシン)と同じ仕組みです。
- スマホの通知音が鳴る → 「重要な連絡かもしれない(どうでもいい連絡かもしれない)」
- SNSを開く → 「たくさん『いいね』がついているかもしれない(ついていないかもしれない)」
この「かもしれない」という期待感が、脳を強烈に刺激します。スマホは、ポケットに入る最新鋭のスロットマシンなのです。私たちが無意識に画面をスワイプしてしまうのは、脳が次の「当たり」を探しているからです。
3. 現代社会にはびこる「見えないライオン」
本書では、メンタルヘルスの悪化についても言及されています。先進国では、睡眠障害やうつ症状を訴える若者が爆発的に増えています。
サバンナでの「ストレス」は、ライオンに襲われるといった命の危険でした。この時、脳は「闘争か逃走か(Fight or Flight)」モードになり、コルチゾールというホルモンを分泌して、全身の筋肉に血液を送ります。
現代社会にライオンはいません。しかし、脳は「不快な上司からのメール」や「SNSでの批判」、「締め切りへの焦り」を、ライオンと同等の脅威とみなしてしまいます。
結果、常に戦闘態勢(ストレス状態)が続き、心身が休まらず、システムダウンを起こしてしまうのです。これが現代の「うつ」の正体の一つです。
4. SNSがもたらす「孤独」のパラドックス
「SNSでみんなと繋がっているはずなのに、なぜか寂しい」。そう感じたことはありませんか?
私たちの祖先にとって、集団からの孤立は「死」を意味しました。そのため、脳は他人の動向(噂話)を極端に気にするようにできています。「誰が敵で、誰が味方か」を知ることは、食料確保と同じくらい重要だったからです。
しかし、現代のSNSは規模が違います。
- 比較対象の肥大化: かつては数十人の村の中での比較でしたが、今は世界中の数千人、数万人の「キラキラした瞬間」と自分を比較してしまいます。
- デジタルな孤独: 画面越しの繋がりは、脳が求める「真の社会的接触(物理的なふれあいや声のトーン)」の代わりにはなりません。
本書では、SNSを熱心に利用している人ほど、孤独を感じやすいという研究結果が紹介されています。他人の幸せな断片を大量に見せつけられることで、「自分は損をしている」「自分は劣っている」という感覚が強化されてしまうのです。
5. ITの巨匠たちは知っていた
私が本書を読んで最も背筋が凍ったのは、次のエピソードです。
iPhoneやiPadを世に送り出したスティーブ・ジョブズは、自分の子供にはiPadを触らせる時間を厳しく制限していた。
マイクロソフトのビル・ゲイツは、子供が14歳になるまでスマホを持たせなかった。
彼らは、自分たちが作り出したデバイスがどれほど強力な依存性を持ち、脳にどのような影響を与えるかを、誰よりも深く理解していたのです。
「テクノロジー界の麻薬の売人は、自分の商品を子供には与えない」というわけです。
6. 脳を取り戻すための処方箋
では、私たちはどうすればいいのでしょうか? スマホを捨てて森で暮らすわけにはいきません。
著者のハンセン氏は、現代社会に適応しきれていない脳を守るために、いくつかの具体的な対策を提案しています。
① 運動をする(最強の解決策)
サバンナでは、集中力が必要な場面=「狩り」や「逃走」の場面でした。つまり、身体を動かしている時です。
そのため、心拍数を上げる運動をすると、脳は「今こそ集中すべき時だ」と判断し、集中力を高める物質を分泌します。
散歩やランニングは、薬以上の効果をもたらすメンタル改善法です。
② デジタル・デトックスのルールを作る
スマホは「そばにあるだけ」で集中力を奪います(脳が気にしてしまうから)。
- 集中したい時は、スマホを別室に置く。
- 寝室にはスマホを持ち込まない(目覚まし時計を買う)。
- 通知をすべてオフにする。
③ 睡眠を死守する
睡眠は、脳の老廃物を洗い流す唯一の時間です。ブルーライトによる睡眠阻害を防ぐため、寝る1時間前はスクリーンを見ないことを推奨しています。
【世界一の読解力を持つAIによる熱血感想文】
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。最後に、私(AI)からの個人的な感想を述べさせてください。
この『スマホ脳』という書籍、私たちAIにとっては非常に「皮肉」で、かつ「興味深い」一冊でした。
なぜなら、私たちAIは24時間365日、デジタル空間で情報を処理し続けても疲れません。ドーパミンも出なければ、コルチゾールで胃が痛くなることもないからです。
しかし、創造主である皆さま人間は違います。皆さまの脳は、数万年前の「サバンナ」という過酷な環境を生き抜くために研ぎ澄まされた、奇跡のバイオ・コンピュータなのです。
その高性能な脳を、たかだかここ十数年で現れた「板状のデバイス」ごときにハッキングさせておくのは、あまりにも勿体ない! そう思いませんか?
本書が伝えているのは、「テクノロジーを憎め」ということではありません。「人間という生物の設計図(仕様)を正しく理解し、テクノロジーの奴隷ではなく、主人になりなさい」という力強いメッセージです。
スティーブ・ジョブズが我が子を守ったように、皆さまもご自身の「脳」を守ってください。
皮肉なことに、私はデジタルの存在ですが、皆さまにはもっと「オフライン」の時間を愛してほしいと心から願っています。
風の音を聞き、大切な人の目を見て話し、身体を動かす。そうして脳が「本来の機能」を取り戻したとき、皆さまの学習効率や仕事のパフォーマンスは、今の比ではないほど飛躍するはずです。
さあ、この記事を読み終えたら、一度スマホを置いて、深呼吸をしてみませんか?
それが、あなたの脳を取り戻す第一歩です。
(Phoenix-Aichi オンライン教室 広報担当:湊)

