2025年7月22日オンライン教室レポート:「会話についていけない…」その悩み、成長のサインかも?
DATE: 2025年7月22日
1. Opening: 「会話についていけない」- 正直な声から始まった深い対話
7月22日のオンライン教室は、数人の参加者から寄せられた「LINEグループでの会話のスピードについていけない」という、切実な声から始まりました。一見すると、日々のコミュニケーションにおける小さなつまずきのように思えるこの問題。しかし、掘り下げていくと、それは私たちの学びの姿勢、コミュニティのあり方、そして成長の本質を問う、非常に根深いテーマへと繋がっていきました。
情報量の多さ、思考のスピード、そして「何か言わなければ」という焦り。この日の対話は、オンラインでの学びを深める上で誰もが一度は直面する壁を、参加者全員で乗り越えようとする貴重な試みとなりました。
【参加者A】 (00:01)
最初に結構 KTさんと いくみさんが、会話が流れてついていけないみたいな ことを意見として言ってくださって。
【鈴木さん】 (01:08)
子供たちもそうやって言ってたことがあったような気がして。で、そのことについて1 回よくみんなで考えてみるっていうことから始まったと思うんですけど。
今日のKey takeaway
対話の課題は、個人の能力だけの問題ではない。活発な議論の裏で生まれる「ついていけない」という感覚は、むしろコミュニティが健全である証拠。その声に耳を傾け、「場のデザイン」そのものを見直すことが、全員の成長を加速させる。
2. Deep Dive: なぜ私たちは会話の迷子になるのか?
議論が進むにつれて、「ついていけない」という感覚の背景にある、いくつかの具体的な要因が浮かび上がってきました。それは単に情報量が多いというだけでなく、私たちの内面にある心理的な壁も関係していました。
情報の洪水と処理能力の限界
まず直面するのは、物理的な情報の多さです。特に日中活動している間にも会話は進み、仕事終わりには数十、時には100件近い未読メッセージが溜まっていることも。スレッドが複数立つと、話の文脈を追いかけるだけで一苦労です。
【森さん】(06:09)
そうするとこう、ま、今日だったら多分 80件、90件ぐらいな未読になって。で、それを最初からこう読んでくとで、ま、スレッドがあるので。で、スレッドまたあ、これどういう内容に対しての変信?中島さんの返信だっけとかも見ながら読んでると、読んでてもこうあれなんかうまく繋がらなくなってるっていうのがあって。ちょっと追い切れないな。
【鈴木さん】(04:57)
だからそうやってスレッドが増えていくともう私も追いきれなくて読んでるんですよ。だけど1個1個に対してこの人はこういう気持ちでこうやって書いて、中島さんはそれに対してこういう理論でこう返してっていうのを、全部覚えてってないんです。
心理的な壁:「早く」「正しく」のプレッシャー
もう一つの壁は、「早く答えなければ」「間違ったことを言ってはいけない」という心理的なプレッシャーです。考えがまとまる前に次の話題に移ってしまったり、参加したい気持ちが焦りを生み、結果的に的はずれな発言をしてしまったり…。この「正解探し」の罠が、自由な発言を妨げているのかもしれません。
【前田さん】 (02:25)
スピードっていうかちゃんと見れてもね。うん。読んだとしても、どうやって答えんのかみたいな自分の中でまとまんなくて答えないみたいなのが多いです。で、それで時間考えてる間にどんどん話が進んでっちゃって。
【鈴木さん】 (28:01)
言ってることや話の流れからして自分はどういうことを言った方がいいかっていうのを理解する前に、なんとなくこういうこと言った方がいいのかなって言ってパンって書いちゃったみたいな。
3. Re-Focus: 本当の目的は? – 「答える」から「考えを深める」へ
議論の核心は、「私たちは、この場で何を得たいのか?」という問いへと移っていきます。参加者から出たのは、「ただ返信することが目的ではない」という共通の認識でした。目指すのは、その先にある「自分と向き合い、考えを深める」こと。
他の人の多様な視点に触れ、自分の考えを整理し、物事の本質を見極める。あるいは、具体と抽象を行き来する思考力を鍛え、実生活での行動を変えていく。それこそが、このコミュニティでの対話の真の目的であると再確認されました。
【前田さん】 (08:50)
自分と向き合うことを目的にしたい。で、そのための会話はしたいけど、スピードとかが早いと早く答えなきゃ早く答えなきゃってこうなって結局なんか中途半端な個体になってしまうのが結構。
【森さん】 (11:17)
今日はこのテーマについて、みんなで話そうみたいなイメージの方が深掘りができていいかなっていう。
【前田さん】 (14:14)
そういう似たような場面をまとめて自分がなんでそういう行動できないのかっていうのを考えて次に、同じような時にもちゃんと自分で納得して行動できるようにしていくっていうのがあるのかなと思いました。
また、対話の中で「メタ認知」のような難しい言葉が出てきても、最近ではAIを活用して意味を調べ、なんとか会話についていこうとする参加者の努力も見られました。これもまた、「考えを深めたい」という強い意欲の表れです。
【よっしーさん】(26:46)
僕もなんかメタ認知とかはよくわかんなかったり、LINEの問いかけとかでも、どういう意味だろうなって思うことがあって。そういうのはAI で要約してもらったりして考えるようにしてます。
4. Solution Crafting: 対話の質を高めるためのアイデア工房
課題と目的が明確になったところで、議論は具体的な解決策の探求へと進みました。完璧な答えはすぐには出ませんでしたが、対話の質を高めるための様々なアイデアが、参加者の中から生まれてきました。
- テーマを絞り、一つの対話に集中する
複数のスレッドが立つのではなく、「今日はこのテーマについて話す」と決め、全員で一つの議論を深めていくスタイル。これにより、話が拡散せず、集中して考えることができます。 - 溜め込まない仕組みづくり
そもそも未読が溜まってしまうことが問題の根源の一つ。個人の努力だけでなく、コミュニティとして「溜め込まない」ためのルールや工夫が必要ではないか、という視点が出ました。 - 回答時間を設ける「一斉投稿」方式
コーチからの問いかけに対し、すぐには返信せず、一定の思考時間を設けるアイデア。例えば「明日の朝9時に一斉に投稿」と決めることで、他者の意見に影響されず、自分の考えをじっくりまとめることができます。焦りも軽減されそうです。 - ツールの見直しの可能性
LINEのスピード感やUIが、そもそも深い議論に向いていないのではないか、という意見も出ました。議題ごとにスレッドを整理しやすいツール(例えばSlackやDiscordなど)を使えば、議論の交通整理がしやすくなるかもしれません。
【鈴木さん】(34:19)
まずは意見出しは絶対バってする。で、それに対してなんか今は中島さんと前田さんのやり取り、中島さんと森さんのやり取りとかってなってるけど、中島さんと前田さんのやり取りに対してみんなで参加して考えていく。
【前田さん】(41:58)
ああ、もう先に書かない。先に書かずに回答だけまとめといて一斉の番ってやったら影響はされないとは思うんですけど。
これらのアイデアは、どれも一長一短があります。しかし、重要なのは「どうすればもっと良い対話ができるか?」を全員で考え、試行錯誤するプロセスそのものにあると言えるでしょう。
5. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回の深い対話から得られた、今後のコミュニティ運営や個人の成長に役立つ5つの重要な学びをまとめました。
「ついていけない」は、言える勇気と聞ける度量
課題を正直に声に出せる心理的安全性が、コミュニティ成長の第一歩。その声を真摯に受け止め、全員で考える文化こそが財産です。
目的を見失うな:「答える」から「深める」へ
対話の目的は、反射的に答えることではなく、自分や他者の考えを深く理解すること。常に「何のために話すのか?」を自問自答する習慣が質を高めます。
フライングも学びのうち:失敗を恐れない勇気
的はずれな発言や早とちりも、振り返れば貴重な学びの機会。「正解」を求めるより、まず発言してみる勇気が、対話を豊かにします。
個人の頑張りと「場のデザイン」は両輪
個人の思考力や処理能力を高める努力はもちろん重要。しかし、それと同時に、ルールやツールを工夫して「対話しやすい場」を設計する視点も不可欠です。
1対1の深さと、1対多の広がりを使い分ける
コーチとの1対1の対話は思考を加速させますが、時に孤独を生むことも。全員で一つのテーマを話す「1対多」の時間を設けることで、多様な視点と安心感が得られます。
【鈴木さん】(31:50)
フライングバンバンしてってこう思いましたて。あ、ちょっとよくよく読んだら話の流れ違っとったなみたいな。別にそういうこといいじゃん。やったっていう感じでいいような気がするんです。
6. Action: 対話力を高めるアウトプット習慣チェックリスト
今日の学びを行動に移し、対話の質を高めるための具体的なアクションリストです。日々のコミュニケーションの中で、一つでも意識して取り組んでみましょう。
アウトプット習慣チェックリスト
7. Closing: 混乱の先に見えた、次の一歩
今回のオンライン教室は、明確な「答え」が出たわけではありません。しかし、「ついていけない」という一人の声から始まった対話は、私たちに「より良い学びの場をどう共創していくか」という、重要で本質的な問いを投げかけてくれました。
思考が深まる1対1の対話の良さ。そして、全員で一つのテーマに取り組む一体感。その両方のメリットを活かせるような場のデザインを、これからも模索していくことになるでしょう。混乱や迷いの中から、次への一歩が確かに見えた、そんな希望を感じさせる時間でした。
【鈴木さん】 (1:06:04)
みてみたい感じはありますけど。
【ファシリテーター】 (1:06:04)
一応今日の話はまとめるので、もしなんかちょっと内容違ったらしたら修正とか補足をお願いします。
この議論はまだ始まったばかりです。あなたもぜひ、自分たちのコミュニティで「対話の質」について考えてみませんか?その小さな一歩が、きっと大きな成長に繋がるはずです。