『何も捨てられない人は、何も変えられない』—2025年7月30日オンライン教室レポート:動画分析と対話で見抜く成長の本質
DATE: 2025年7月30日
1. Opening: 何かを捨てなければ、何も変えられない
この日のオンライン教室は、コーチが最近見始めたという「進撃の巨人」の有名なセリフから始まりました。「何も捨てることができない人には、何も変えることができないだろう」。これは、まさにPhoenix-Aichiのコーチング哲学の根幹をなす言葉です。
何か新しいスキルを得るためには、今までのやり方を捨てる。自分を深く理解するためには、「人からよく思われたい」という見栄を捨てる。時間がないと嘆く前に、本質的でない無駄な思考や行動を捨てる。この「捨てる」勇気こそが、停滞を打破し、成長への扉を開く鍵となります。
【コーチ】(1:02:40)
何も捨てることができない人には何も変えることができないだろうってことですよね。うん。うん。化け物に勝つには人間を捨てないと勝てないだろうって。
【コーチ】(1:03:36)
何かを得ることは何かを捨てることっていうことを理解していかないと、なかなか一歩進めることはできないんじゃないか。本当時間もないなら何かの時間を削る、やめるしかないですもんね。はい。自分を理解するには人からよく思われるを捨てるとかね。
前回の自主勉強会のテーマ「価値のない人間は退会要請することの是非」も、この哲学に繋がります。コーチが設定した「行動するだけで価値がある」というルールは、一見厳しくも、成果主義の社会に比べれば非常に「温かい」もの。しかし、その温かさの本質を見抜き、行動を「変える」ことができるか。それとも現状維持という心地よさに甘んじ、何も「捨てない」ことを選ぶのか。私たちの姿勢が問われています。
今日のKey takeaway
成長とは「捨てる」ことの連続。 見栄、古いやり方、無駄な思考。これらを一つずつ手放すことで初めて、新しい自分に変わるためのスペースが生まれる。「よく思われたい」という感情を捨てたとき、あなたは本当の自分と向き合うスタートラインに立つ。
2. Video Analysis: 後輩を育てる「温かい配球」の正体
教室では、実際の練習動画を分析。特に印象的だったのは、トモティ選手とゆい選手のラリーでした。コーチは、トモティ選手のプレーを「後輩を育てる配球」だと高く評価します。それは一体どういうことなのでしょうか?
【コーチ】(1:12:34)
あ、こういうところもすごい後輩思いなんだよな。こういうのって。こうやってさ、ね。まずプライド高い人ってこういう時にミスるんすよね。こんなに浮かして入れたりしないんですよ。やられるぐらいだったらミスった方がいいやみたいな感じで。
【コーチ】(1:13:56)
こういうことをしてあげられるのはすごい先輩のね、いいとこなんだよな。うん。俺こういうとこないんだよね。これね、もうこっぱみじんにさ、抑え込むから。…俺がやるとテンション下がる側になっちゃうんだよね。
コーチが指摘する「温かい配球」とは、単に甘い球を打つことではありません。相手がギリギリ届くかもしれない、少し難易度の高いボールを送ることで、挑戦と成功体験を同時に与えるのです。相手を叩きのめして自分の力を誇示するのではなく、相手のテンションを上げ、成長を促す。これこそが、本当の意味で「温かい」プレーであり、強い信頼関係を築く鍵となります。
一方で、中級者プレイヤーの動画では「高い打点からロビングを上げるのはNG」「相手のミスで喜ばず、気を引き締めろ」といった具体的な戦術的指摘も。楽しむことと、勝つために思考を巡らせることは両立するべきだというメッセージが込められていました。
「思い知らせる」ことも思いやり
しかし、コーチは「甘やかすだけが優しさではない」とも語ります。時には、相手に「お前はまだ全然ダメだぞ」という現実を分からせることも、「思いやり」だというのです。
【コーチ】(1:25:00)
まあまあ返せるでしょ。思った。ちょっと甘やかしすぎてないか?っていう気はしますね。…実際の試合でこんな甘い球来ないからさ、惨敗になるじゃないですか、実際の試合ではね。うん。うん。思い知らせていくっていうのもね、大事だからね。やっぱりお前全然ダメだぞっていうをね、分からせていくっていうことも俺はね、思いやりだと思うんですよ。
相手のレベルや状況に応じて、育てる「温かい配球」と、現実を突きつける「厳しい配球」を使い分ける。このバランス感覚こそ、優れた指導者や先輩に求められる資質なのかもしれません。
3. Deep Dive: 「挨拶は美徳にあらず」の真意と成長を阻む無駄な思考
この日の格言は「挨拶は美徳にあらず」。一見、冷徹に聞こえるこの言葉の裏には、自己認識を深めるための「温かい」視点が隠されていました。
コーチによれば、挨拶や感謝は本質的に「自分の人生を有利に進めるためのテクニック」であり、「自己の快楽を得るための行為」だと言います。この利己的な側面をまず知的に理解し、「自分はそういう計算高い存在なのだ」と認識すること。そのステップを踏むことで初めて、打算のない心からの感謝や敬意が生まれてくる、という逆説的なアプローチです。
【コーチ】(33:56)
挨拶感謝ばっちり=素晴らしい人間と思い込んでいる人って多い。…それただのテクニックだよねって思うんですけども。で、そこを間違えちゃうと挨拶できない人間とかを否定とかになるわけですよね。それは違うぞと。ただ単にもうテクニックを駆使してるだけですよっていう認識をまずしましょうってのがステップ2です。
成長を阻む「無駄な思考」とは?
対話の中で、メンバーが抱える「不安」や「思考の迷走」についても議論が及びました。コーチは、多くの人が「周りによく思われる答え」や「正解」を探そうとして、本質的な自己との対話から逃げていると指摘します。
【アキコ】(23:44)
なんか自分でも本当すり替えてることに気づいてないっていうか。うん。…本当は読む時間ぐらいはあるんだけどそこで読んで考える時間がないから読む時間がないことにしてる。
【コーチ】(25:05)
謎の思考をし始めるんだよ。うん。もうそういう思考脱出してほしいなんて思いますよね。
「時間がなくて読めない」のではなく「読んで考えるのが大変だから、時間がないことにしてる」。「的外れなことを言ってしまうのが不安」なのではなく「正解を言わなければならないと思い込んでいる」。このような無意識の思考のすり替えや、言い方のような本質的でない部分へのこだわりが、成長を妨げる「無駄な時間」を生んでいるのです。
4. AI Talk: 最新AIツールで学びを加速させる
教室の途中、コーチから最新のAI活用事例が紹介されました。Googleの「NotebookLM」というツールを使い、オンライン教室の録画動画から、わずか数クリックで要約やポッドキャスト風の映像コンテンツを自動生成できるようになったというのです。
【コーチ】(35:09)
昨日のやつね、これ動画見ました?これ昨日からこうね、ノートブックLMで動画が自動生成されるようになったんだ。
【参加者】(36:22)
え、見てない。で、これ、ま、英語がわかんない人でもこうやってこうやってやれば、まあ、ええ、翻訳で出てきますと。すごい。
これは単なる時短テクニックではありません。長時間の動画を見返す時間がない、という言い訳をテクノロジーが無力化し、学びたいという意欲さえあれば誰でも効率的にインプットできる環境が整いつつあることを示しています。「時間がない」のではなく「興味がない」だけではないか?AIは、私たちの学習意欲そのものを映し出す鏡となりつつあります。
AIによる学習効率化の例
- 動画の内容をテキストで要約してくれる。
- 重要なポイントを箇条書きで抽出してくれる。
- 動画の内容に関する質問に答えてくれる。
- ポッドキャストのように、内容をまとめた音声コンテンツを生成してくれる。
5. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回の教室での学びは、バドミントンの技術論を超え、キャリアや人間関係にも通じる深い示唆に富んでいました。特に心に留めておきたい5つのポイントをまとめます。
「捨てる勇気」が成長の第一歩
「よく思われたい」という見栄、慣れ親しんだ古いやり方、正解探しという無駄な思考。これらを捨てなければ、新しい自分に変わることはできない。成長とは、何かを得るために何かを手放すプロセスの連続だ。
後輩を育てる「温かい配球」
本当の優しさとは、相手を叩きのめすことではなく、相手がギリギリ挑戦できるレベルの課題を与え、成長を促すこと。相手のテンションを上げる配球は、信頼関係を築く最強の武器になる。
「思い知らせる」ことも思いやり
甘やかすだけでは人は育たない。時には「お前はまだダメだ」という厳しい現実を突きつけることも、相手の目を覚まさせ、真の成長へと導くための重要な「思いやり」である。
挨拶や感謝は「自分のためのテクニック」と知る
挨拶や感謝を「良い行い」と盲信するのではなく、まず「自分の利益のためのテクニック」と冷静に認識する。その利己的な自分を受け入れた時、初めて打算のない本物の感情が生まれる。
時間がないは幻想。問題は「無駄な思考」
成長が遅いのは時間のせいではない。言い訳を探したり、言い方にこだわったり、正解を探したりする「無駄な思考」に、貴重な認知リソースを浪費していることが本当の原因だ。
【コーチ】(1:03:19)
何も捨てられない人は何も変えられない。はい。これがね、本当にフェニックスでもよく起きる現象ですよね。今あるものをね、捨てたくないっていう考えに陥ってしまうとなかなか変えられないです。何も変えることができないね。
6. Action: 「捨てる勇気」を育むためのチェックリスト
学びを行動に変えてこそ、成長は加速します。「捨てる勇気」と「本質を見る目」を養うための具体的なアクションリストです。日々の生活や練習の中で、一つでも実践してみましょう。
アウトプット習慣チェックリスト
7. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ
「何も捨てられない人は、何も変えられない」。この厳しい言葉は、裏を返せば「何かを捨てれば、何かを変えられる」という希望のメッセージでもあります。
今日の教室は、バドミントンの動画分析を通して、私たちの思考のクセや成長を阻む壁を浮き彫りにしました。「温かさ」の本当の意味、本質を見抜く視点、そして無駄を削ぎ落とす勇気。これらの学びは、コートの中だけでなく、私たちの人生のあらゆる場面で応用できるはずです。
【コーチ】(1:26:20)
はい。終わりましょうか?本当楽しくになっちゃうんだよね。見てると。うん。
【参加者】(1:26:29)
はい。ありがとうございました。またね。
インプットしただけで満足せず、ぜひチェックリストの項目を一つでも実践してみてください。今日捨てた小さな見栄や無駄な時間が、明日のあなたをより強く、より自由にすると信じて。次回のオンライン教室で、さらに成長した皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。