2025年8月25日オンライン教室レポート:素直さが最強の武器!「成長思考」で本物のサイクルを回せ
DATE: 2025年8月25日
1. Opening: なぜ「可愛がられる選手」は爆発的に伸びるのか?
この日のオンライン教室は、「素直さが最強の武器」という力強いメッセージから始まりました。コーチは、多くの指導者が共通して感じることとして「可愛がられる選手は爆発的に伸びる」という真理を語ります。しかし、それは決して媚びへつらうことではありません。
本当の意味での「可愛がられる力」とは、アドバイスに対する素直さに他なりません。「まずやってみる」という即座の行動が、最速で学習サイクルを回し、他の選手が停滞している間に、圧倒的な成長を遂げるのです。マイケル・ジョーダンや大谷翔平といった超一流選手も、新しい理論を素直に受け入れ、すぐさま実践したと言われています。
【中島ノブヨリ】 (00:03:14)
はい。私は可愛がれる力。言い換れば素直さがやっぱり選手にとって成長の鍵になるのかなという風に考えてます。…可愛がられるとは媚びへらうことではないんですよね。アドバイスに対する素直さに他なりません。「これ何でやるんですか?強くなるならやります」ま、これ牽制と合理的ですけども、ま、指導者との信頼関係は失われていきますので、成長の機械は逃げ逃していく形になってくのかなと思います。
【中島ノブヨリ】 (00:04:44)
で、根性なしを見抜くポイントとしては回避性のアイコンタクト。圧がかかると目をすぐそらす。それから姿勢と重心。重心が後ろになって首だけ前に出してるやつね。やばいですよね。
また、コーチは「根性なし」を見抜く具体的なポイントにも言及しました。圧がかかった時の視線、重心の位置、会話のテンポなど、人の本質は些細な言動に現れます。これは、強いチームを作る上で、また信頼できる人間関係を築く上で非常に重要な視点です。
今日のKey takeaway
素直な実践が成長を加速させる。 アドバイスを「まずやってみる」。この即時性が、最速の学習サイクルを生み出し、爆発的な成長の鍵となる。思考停止で従うのではなく、検証のために行動するのだ。
2. Growth Mindset: あなたの成長を左右する「心のOS」
教室では、ヒデさんから共有された「成長思考」と「固定思考」という考え方が紹介されました。これは、私たちの成長を根本から左右する、いわば「心のOS」のようなものです。
固定思考 vs 成長思考
- 固定思考 (Fixed Mindset): 「才能は生まれつき決まっている」と考える。失敗を恐れて挑戦を避け、他人の成功を脅威と感じやすい。
- 成長思考 (Growth Mindset): 「才能や能力は努力で伸ばせる」と考える。失敗を学びの機会と捉え、他人の成功からも学ぼうとする。
言うまでもなく、Phoenix-Aichiが目指すのは後者の「成長思考」です。指導者は、選手にこの思考を根付かせる環境を作ることが何よりも重要だとコーチは語ります。
【中島ノブヨリ】 (00:07:07)
一方、成長思考っていうのは才能や能力は努力、学習、経験で伸ばせるという考え方になります。失敗を学びや改善のチャンスと捉えます。努力を重視し、家庭そのものに価値を見出します。他人の成功から学び、自分の成長につげる。まさにフェニックスのそのものと感じしますよね。
【中島ノブヨリ】 (00:09:51)
指導者は答えが1つでない問いにも誠実に向き合う必要があります。…アドバイスよりもリマインド。日本人指導者は助けすぎになりがち。はい。アドバイスよりも問いかけで自分で気づかせることが選手の主体性につながる。本当にフェニックスに、時代がついてきてる感じしませんか?
指示だけで選手を動かす「ティーチング」ではなく、問いかけによって主体性を引き出す「コーチング」。Phoenix-Aichiが5年前から実践してきたことが、ようやく世の中に浸透し始めたとコーチは言います。時代が我々に追いついてきたのです。
3. Learning Science: 脳をハックする科学的学習アプローチ
「成長思考」を実践する上で、科学的な学習の仕組みを知ることは強力な武器になります。教室では、脳のメカニズムに基づいた効果的な学習法がいくつも紹介されました。
- エビングハウスの忘却曲線: 人は1日で学んだことの74%を忘れます。だからこそ、アウトプットを伴う「復習・反復」が不可欠です。「教える」ことで記憶の定着率は90%に跳ね上がります。
- チャンキング理論: バラバラな情報を意味のある塊(チャンク)にまとめることで、脳の負荷を軽減し、記憶しやすくなります。
- インターリーブ練習: 同じ練習を繰り返すより、複数の課題を交互に行う方が学習効果は高まります。脳が自動処理モードになるのを防ぎ、常に負荷をかけることが重要です。
- 心理的安全性: 失敗を共有しても非難されない環境が、挑戦を促し、チーム全体の学びを加速させます。「バカにされること」を恐れず、何でも言い合える文化が強さの源泉です。
【中島ノブヨリ】 (00:11:09)
(学習内容は)座学だけだと5%しか残りません。…体験学習で50%、で教えると90%残るんですよね。なのでやっぱり教えていく…アウトプットしていきましょうってことですよ。…アウトプットすることで記憶が定着されるからアウトプットしていきましょう。
【中島ノブヨリ】 (00:17:26)
心理的安全性、これ大事ですよね。失敗を共有しても(非難)されない環境と。はい。挑戦を促し学び合う文化を作る。この辺とかはやっぱ馬鹿にしてくっていう文化とすごい近いと俺は思ってて…もう馬鹿にされるっていうのは別に何ともね、普通のことだっていう風にハードルを下げることによって別に何でもないよね、いうような状況にしていこうと思ってるんですよね。
自分の感情を客観的に認識し、コントロールする力(EQ)も重要です。フェニックスではさらに一歩進んで、「感情は選択するもの」と捉えます。感情に振り回されるのではなく、自ら望ましい感情を選び取る。これが高いパフォーマンスを維持する秘訣です。
4. Deep Dive: なぜコーチは湾岸戦争を語るのか?
話題は一転し、1990年に始まった湾岸戦争へ。コーチが20歳の時にリアルタイムで体験したこの戦争は、現代戦争の転換点となった歴史的事件でした。一見バドミントンとは無関係に見えるこのテーマから、私たちは何を学ぶべきなのでしょうか。
ステルス戦闘機や精密誘導兵器が導入され、戦争の様子がリアルタイムで世界に中継される。それは、まるでゲームのように戦争が消費される時代の幕開けでした。コーチは、この歴史的事実を通して、私たちに根源的な問いを投げかけます。
【中島ノブヨリ】 (00:37:24)
湾岸戦争って知ってますかね?もう私にとっては結構印象深い戦争なんですけど、あの、ま、大体1990年から始まったと言われてます。だから私がちょうど20歳の時なんですよね。…急にね、あのゲームみたいに戦争が始まったんですよ。
【中島ノブヨリ】 (00:42:06)
このさ、問いかけのところの1つにもあるけどさ、殺人は本当にダメなのかっていう風に書いてるますけど、これ殺人しろよって言ってるってことですからね。戦争しろよってことはね。…国はね、戦争しろよ。つまり殺人しろよ。だけど殺人した人をさばくんです。自己矛盾してますよね。
「国は『戦争をしろ(=殺人をしろ)』と命じる一方で、個人が殺人を犯せば罰する」。この巨大な自己矛盾。常識や当たり前とされていることの裏には、こうした複雑な現実が横たわっています。物事を一つの側面から見るのではなく、多角的・批判的に捉え、思考の枠組みそのものを疑う。この視点こそが、本質を見抜く力、そして予測不能な試合展開に対応する力の源泉となるのです。
5. Video Analysis: パートナーとの連携と危険な配球
教室の後半は、実際の試合映像を分析。特に焦点が当てられたのは、パートナーとの連携を崩壊させる「危険な配球」でした。
分析ポイント:なぜその配球は危険なのか?
- 安易なクロスロビング: 相手に時間を与え、パートナーの準備が整う前に攻撃されるリスクが高い。特に遠いサイドへのロビングは浅くなりやすく、致命的なカウンターを食らう原因になります。
- 意図の不明なポジショニング: 前衛が前に詰めるのか、サイドにケアに入るのか。その意図がパートナーに伝わらない中途半端な動きは、お互いの守備範囲に穴を開けてしまいます。
- 「見てから動く」の欠如: 相手の体勢や返球の質を判断せずに決め打ちで動くと、逆を突かれてしまいます。常に相手を観察し、次の展開を予測することが重要です。
【中島ノブヨリ】 (01:00:10)
(塩澤さん)なんでここでクロスにロビングしてるんすか?これねえ。遠い方に出すから浅くなっちゃうじゃん。パートナーも対応しづらいし。
【中島ノブヨリ】 (00:53:58)
ね、突っ込んでないからサイドバイに見えるじゃないですか。えってなるわけですよ。突っ込むならもっと前じゃん。…パートナーに見せていくっていうのすごい大事なんじゃない?
良いプレーは、常にパートナーへのメッセージが込められています。「私は次にこう動くから、あなたはここをカバーしてくれ」という意思表示です。自分の動きでパートナーを動かし、2人でコートを制圧する。そのための共通言語が、質の高い配球と明確なポジショニングなのです。
6. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回のオンライン教室で得られた、バドミントンだけでなく人生のあらゆる場面で応用可能な5つの重要な学びをまとめました。
素直さは最強の学習ツール
アドバイスを疑う前にまず実践する。この「即実行」の素直さが、最速の学習サイクルを回し、他人を置き去りにするほどの成長を可能にする。
思考を「成長思考」にセットせよ
「才能は努力で伸ばせる」と信じること。失敗は限界の証明ではなく、貴重な学習データ。このマインドセットが、困難な壁を乗り越える力になる。
学習は科学的に、アウトプットが鍵
脳は忘れるようにできている。だからこそ、人に「教える」ことを前提に学ぶ。アウトプットこそが、知識を本当のスキルに変える唯一の方法だ。
心理的安全性が挑戦を生む
失敗を恐れずに発言・挑戦できる環境が、個人の成長とチームの進化を加速させる。違いを尊重し、学び合う文化を自ら作ろう。
貢献感が最強のエンジン
「チームや仲間の役に立っている」という感覚が、幸せと持続的なモチベーションの源泉となる。自分のためだけでなく、誰かのために力を尽くそう。
【中島ノブヨリ】 (00:33:52)
他者との違いは貴重な財産ですと。え、自分と異なる価値観を否定せずにそれぞれ利があるんだね。フラットに捉えましょう。俺はこう思ってるよみたいじゃなくて、ま、それぞれいいとこあるよねという理解が必要かなと思います。
7. Action: 「成長思考」を根付かせる実践チェックリスト
学んだことを血肉に変えるには、日々の小さな行動の積み重ねが不可欠です。今日から実践できる「成長思考」を習慣化するためのチェックリストを作成しました。毎日一つでも多くチェックを入れられるよう、意識して取り組んでみましょう。
成長思考 実践チェックリスト
8. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ
「素直さ」という最強の武器を手にし、「成長思考」というOSをインストールする。そして、科学的な学習法でそのプロセスを加速させ、「心理的安全性」のある環境で仲間と共に挑戦し続ける。今回の教室で語られたことは、まさにPhoenix-Aichiが目指す成長の理想形そのものでした。
バドミントンの技術向上はもちろんのこと、人としてどう成長していくか。その本質的な問いに向き合う、非常に密度の濃い時間となりました。インプットしただけで満足せず、チェックリストの項目を一つでもクリアすることから始めてみてください。その小さな一歩が、あなたの未来を大きく変えるはずです。
【中島ノブヨリ】 (01:02:57)
はい、終わりましょうか。明日はまたトティと鈴木さんの勉強会みんな出てくださいよ。…結構面白いと思うけどね。はい。やってみてください。
【岩崎かおり】 (01:04:39)
(勉強は)めちゃくちゃ進んでいます。…それは当然です。
次回の教室でお会いする時、皆さんが一回りも二回りも成長していることを楽しみにしています!