Phoenix-Aichiオンライン教室
【格言】教えるな、気づかせよ。古い地図を渡すのではなく、生徒自身のコンパスを磨く指導法とは
公開日: 2025年9月30日

価値観指導における、よくある「勘違い」とは?
「価値観指導」と聞くと、あなたはどんな光景を思い浮かべるでしょうか。
情熱的な指導者が、自らの経験則や揺るぎない持論を、熱意を込めて生徒に語り聞かせる――。そんな一方通行のコミュニケーションを想像してしまった方も、少なくないかもしれません。あたかも、それが指導者の重要な役割であるかのように。
しかし、私たち PHOENIX愛知 は、そこに大きな「勘違い」が潜んでいると考えています。真の価値観指導とは、指導者の持論を語ることでは決してないのです。
なぜ指導者の「持論」を語るだけでは不十分なのか
指導者が持つ経験や知識は、もちろん尊いものです。しかし、それがそのまま目の前の生徒に当てはまるとは限りません。時代も、環境も、そして何より一人ひとりの個性も全く異なるからです。
指導者の「古い地図」が、生徒の「新しい道」を塞いでしまう
指導者の「俺はこうやって成功した」という持論は、いわば過去の成功体験が描かれた「古い地図」です。それを絶対的な正解として渡してしまうことは、生徒が自分だけの新しい道を発見する可能性を奪いかねません。
率直に言えば、指導者の古臭い持論など、生徒にとっては「どうでもいい」ことなのかもしれません。大切なのは、誰かの正解をなぞることではなく、生徒自身が納得できる自分だけの答え、つまり「自分自身の持論」を見つけることなのですから。
真の指導者の役割は「答え」ではなく「問い」を授けること
では、指導者は何をすべきなのでしょうか?
それは、生徒さん自身の持論に「気づいてもらう」ための、最高のサポーターになることです。
私たちはティーチャー(教師)である前に、コーチ(伴走者)であるべきです。私たちの役割は、答えを与えることではありません。良質な問いを投げかけ、対話を重ねることで、生徒の内面に眠る考えや価値観、つまり「自分だけのコンパス」を引き出す手助けをすることです。
- 「君は、どうしてそう思うの?」
- 「何が君をそうさせるんだろう?」
- 「理想の状態は、どんな状態?」
こうした問いかけこそが、生徒が自分自身の力で未来を航海するための、何よりの贈り物になるのです。
明日からできる、生徒自身の「羅針盤」を見つける手助け
価値観指導の本質は、非常にシンプルです。
指導者の持論を「教える」のをやめ、
生徒自身の持論に「気づかせる」ことに全力を注ぐ。
この記事を読んでくださったあなたが指導者であれば、ぜひ明日から、何か一つでも「教える」から「問いかける」への転換を試してみてください。
生徒の瞳の奥が輝き、自らの言葉で未来を語り始める瞬間。それこそが、私たちが目指すべき、価値観指導の最高のゴールです。古い地図を渡すのをやめ、彼らが持つべきコンパスを一緒に磨き上げていきましょう。