Phoenix-Aichiオンライン教室
格言:「調子」の波に乗るな、乗りこなせ。
不調を最強の武器に変える思考法
2025年9月30日オンライン教室レポート

1. はじめに:「いつも通り」が一番の罠
「今日はどうも調子が悪い…」
スポーツでも、仕事でも、私たちはつい口にしてしまいます。そして、「いつもなら決まるはずのショットが決まらない」「いつもならできるはずのタスクが進まない」と、過去の最高の自分を基準に、現在の自分を責めてしまいがちです。
しかし、その「いつも通り」という感覚こそが、成長を妨げる最大の罠かもしれません。コンディションは常に揺れ動くもの。大切なのは、その揺れ動きを嘆くことではなく、その日の自分に合った最善の選択をすることです。この記事では、「調子のせいにするな」という厳しい格言の裏にある、真の強さを手に入れるための思考法を解き明かします。
2. 格言の真意:「絶好調」は偶然の産物である
核心の格言
「いつもなら入ってる」「いつもなら決まってる」…いやいや。入ってるとき、決まってるときの方が偶然ですよ。
この言葉は、私たちの思い込みを根底から覆します。私たちは、自分のベストパフォーマンスを「実力」や「基準」だと考えがちです。しかし、実際には心技体のすべてが完璧に噛み合った「絶好調」の状態は、奇跡的な偶然の産物に近いのです。
それを基準にしてしまえば、日常のほとんどが「不調」になってしまいます。真に安定した強さを持つ選手は、この事実を受け入れています。彼らは「絶好調」を追い求めるのではなく、「どんな状態でも勝つ方法」を探求するのです。「調子が悪い」と感じたとき、それは失敗のサインではありません。「戦術を変更せよ」という、次の一手を考えるための重要なサインなのです。
3. 「不調」を武器にする、3つのプレープラン
では、具体的にどうすれば「調子」に左右されずに戦えるのでしょうか。鍵は、状況に応じた複数の「プレープラン」をあらかじめ用意しておくことです。
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プランA:絶好調の戦術
キレのあるスマッシュや精密なヘアピンなど、自分の得意技を最大限に活かす攻撃的なプラン。感覚が研ぎ澄まされている時に選択します。
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プランB:平常心の戦術
無理をせず、確実性の高いプレーを中心にラリーを組み立てるプラン。リスクを抑え、相手のミスを誘います。ほとんどの日は、このプランが基本となります。
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プランC:不調時の戦術
守備に重点を置き、とにかく粘り強くシャトルを返すことに徹するプラン。攻撃は最小限にし、試合の流れを切らないことを最優先します。まさに「調子が悪い」と感じた時にこそ、このプランの出番です。
重要なのは、試合開始時や練習中に自分の状態を冷静に分析し、「今日はプランBでいこう」「ここはプランCで耐える時間だ」と、意識的にプレーを切り替えることです。これができれば、「不調」はもはや弱点ではなく、多様な戦術を引き出すための武器に変わります。
4. まとめ:言い訳を捨て、戦略を手にせよ
「すべての調子が良いことはありません。それなら調子に合わせてプレーを選択しましょう。」
このシンプルな結論に、パフォーマンス向上のための深い真理が隠されています。自分の状態を客観視し、その日の自分でできる最善手を選択し続けること。その積み重ねが、コンディションの波に揺らぐことのない、本物の実力を作り上げます。
「不調」は、言い訳のための言葉ではない。
それは、次なる戦略への扉を開くための「鍵」である。
さあ、今日から「調子が悪い」という言葉を封印し、「さて、今日の自分にはどのプランが最適か?」と自問することから始めてみませんか。その思考の転換が、あなたを新たなステージへと導くはずです。