格言:虻蜂取らずになってない?一つの教えに徹する勇気が、成長への最短路だ

相反するアドバイスに悩んでいませんか?
バドミントンの練習中、あるコーチからは「もっと確実に入れていけ!」と言われ、別のコーチからは「チャンスだ、決めにいけ!」と檄を飛ばされる。そんな経験はありませんか?
どちらも正しいように聞こえるけれど、その指示は真逆。一体どうすればいいのかと、頭が混乱してしまったことがあるかもしれません。多くの人が「状況によって使い分ければいいんだ」と考えがちですが、実はその「いいとこ取り」の発想こそが、成長を妨げる落とし穴なのです。
今週の格言:「いいとこ取り」は何も得られない
「アドバイスのいいとこ取りを狙うと、大概何も得られない」
これは、単なる精神論ではありません。上達のメカニズムに基づいた、非常に重要な原理原則を示しています。中途半端な理解で複数の教えをつまみ食いするのではなく、まずは一つの道を深く探求することの重要性を、この格言は教えてくれます。
なぜ「いいとこ取り」は失敗するのか
「入れていけ」という守備的な戦術と、「決めにいけ」という攻撃的な戦術。これらは単なるショットの選択肢ではありません。それぞれの背後には、試合の組み立て方、リスク管理、相手との駆け引きといった、一貫した「コンセプト」が存在します。
「いいとこ取り」をしようとすると、この根幹にあるコンセプトを理解しないまま、表面的な技術だけを真似ることになります。それは、木の幹や根を見ずに、枝葉だけを寄せ集めるようなもの。土台がなければ、どんなに良い枝葉も枯れてしまい、結果として何も身につかない「虻蜂取らず」の状態に陥ってしまうのです。
成長への最短ルート:一つの教えに没頭する
では、どうすればこのジレンマを乗り越えられるのでしょうか。答えはシンプルです。「一つに絞って、徹底的に試す」ことです。
まず、一つのコンセプトを選ぶ
「今回は『決めにいく』スタイルを徹底的に試そう」と覚悟を決めます。他のアドバイスは一旦、意識の外に置きましょう。
期間を決めて没頭する
例えば「次の2週間は、どんな場面でも攻撃的な選択を意識する」と決め、練習やゲームで実践します。失敗を恐れず、そのコンセプトの長所と短所を身体で感じ取ることが目的です。
もう一方のコンセプトも同様に試す
次に、「入れていく」スタイルにも同じように期間を設けて没頭します。これにより、両方のコンセプトの核にある思想を体感的に理解できます。
経験を元に取捨選択・統合する
両方を深く理解した上で、初めて自分に合ったスタイルは何か、どちらを軸にすべきかが見えてきます。ここに至ってようやく、本当の意味での「使い分け」が可能になるのです。
まとめ:信じる道を、まず歩き出す勇気
情報が溢れる現代では、つい効率を求めて色々なものを「つまみ食い」したくなります。しかし、真の成長は、一つのことを深く掘り下げる集中力と没頭から生まれます。
もし今、あなたが複数のアドバイスの間で迷っているなら、勇気を出して一つに絞ってみてください。遠回りに見えても、一つの教えに徹することが、あなたを次のステージへと導く最も確実で、最も速い道となるはずです。

