Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年11月2日オンライン教室レポート:『不都合な真実』を受け入れ、「捨てる勇気」で勝利を掴む戦略

DATE: 2025年11月2日

1. Opening: 何かを捨てなければ、何も得られない

この日の教室は、前回の「最高の師は苦労人という真実」というテーマの振り返りから始まりました。すぐにできてしまう天才は「なぜできないか」が分からないため、指導者には向かない。むしろ、なかなかできなかったが、紆余曲折を経てやっとできるようになった人こそ、最高の指導者になり得るとコーチは語ります。

そして話は、「何かを得るためには、何かを捨てなければならない」という、成長の本質へと移ります。高市総理が、自身のアイデンティティとも言える政策を一時的に控えてでも「総理になる」という目的を掴みに行った例を挙げ、変化を恐れる姿勢に警鐘を鳴らしました。

【中島ノブヨリ】 (00:07:23)

フェニックスのメンバーにも、捨てましょうとよく言いますけども、なかなか捨てられないですよね。何一つ捨てずにさ、何かを得ようとしてる人、非常に多い気がしませんか?…日本のトップでさえ捨ててるんだっていうこと、これは重要じゃないですか?…森さん見ても分かるでしょ?何一つ捨てないじゃん。上達しないよねっていう風になるわけですよ。

上達しない人の典型は、自分の持っているものを何一つ捨てようとしない人。自分のやり方、小さなプライド、慣れた環境。それらを捨てずに新しいものを得ようとするのは、ただの欲張りだとコーチは指摘します。成長とは、不要なものを「捨てる」勇気から始まるのです。

今日のKey takeaway

成長とは「捨てる」勇気。 自分のやり方やプライドに固執する限り、上達はあり得ない。「何かを得ることは何かを捨てること」という原則を受け入れ、変化を恐れず不要なものを手放す覚悟こそが、成長の第一歩となる。

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2. Guidance Talk: 「背中で語るな」— 言語化と責任の共有

続いてのテーマは、日本のスポーツ界に根強く残る「背中で語る」指導法への痛烈な批判です。コーチは、これを「指導者にとって都合の良い言葉」であり、「指導の放棄」だと断言します。

「背中を見て育て」というスタイルは、一見すると選手の自立性を促すように見えますが、実際には指導能力の不足を隠し、育たなかった場合の責任を選手に押し付ける(「俺はやってるのにお前らがやらないだけ」)ための逃げ口上に過ぎません。

【中島ノブヨリ】 (00:11:37)

選手に対し、行動や意図は言葉にしなければ100%は伝わらないでしょうと思うんです。なぜその練習するのか、今のプレイのどこが良くて、どこを改善するのか。これ言葉にして伝えないと。背中を見せてるだけで分からないって。選手の頭の良さに依存しちゃうじゃないですか。それってやっぱり手抜きなんじゃないかなと思うんですよ。指導者側の。

この「指導の放棄」は、3つの重大な損失(①選手の成長機会の喪失、②指導者自身の自己成長の停止、③チームの信頼関係の崩壊)を招きます。Phoenix-Aichiが実践するのは、その真逆です。

  • 徹底した言語化: なぜその練習をするのか、意図を言葉で100%伝える。
  • 双方向の対話: 合宿や忘年会なども活用し、選手と徹底的に話し合う。
  • 責任の共有: 結果に対する責任は、指導者と選手が共に負う。

言葉で道を照らし、選手と共に歩む。それこそが、Phoenix-Aichiが目指す指導者の姿です。

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3. Book Review: 『言ってはいけない残酷すぎる真実』と「変えられる戦略」

この日のメイン教材は、橘玲氏の著書『言ってはいけない残酷すぎる真実』。世の中の「努力は必ず報われる」「人は見た目じゃない」といった“綺麗事”を、科学的なデータというハンマーで徹底的に打ち砕く一冊です。

「親の背が高いから子の背が高い」は受け入れられるのに、「親がバカだから子供の成績が悪い」はタブー視される。コーチは、この社会的な規範こそが、当人を苦しめていると指摘します。

本書が示す「不都合なデータ」

  1. 知能の遺伝: 頭の良し悪しは、約77%が遺伝で決まっている。
  2. 見た目の影響: 容姿が劣る男性は、平均より収入が13%も下がるという研究結果がある。
  3. 子育ての幻想: 親の教育や家庭環境(共有環境)が子供の知能や性格に与える影響は、ほぼ0である。

特に衝撃的なのは「子育て」の影響です。双子の研究では、親が管理する家庭内の教育よりも、家庭の外で出会う友人、教師、あるいは偶然の出来事(非共有環境)のほうが、その人らしさに遥かに大きな影響を与えることが分かっています。

【中島ノブヨリ】 (00:24:26)

だから親が教育を頑張るんじゃなくて、どういう経験をさせるかっていうことが大事なんですよ。例えばフェニックスの練習に行かせる。これももちろん1つあるよね。…お前忘年会行ってこいよ!とかね、そういう風に言えちゃう親御さんとか…

【中島ノブヨリ】 (00:26:13)

経験って1度経験したもって誰かに取られないじゃん。お金って騙されて取られるかもしんないけど、経験は取られないからね。どんどん経験を積み上げておくと、それが複利になって人生を豊かにするのでは?

これらの残酷な真実は、私たちを絶望させるためにあるのではありません。むしろ、「遺伝のせいなのに本人の努力不足だ」と個人を責め立てる綺麗事から解放し、「変えられないもの(遺伝)」を受け入れた上で、「変えられるもの(戦略=どんな経験を積ませるか)」に集中するための、現実的な処方箋なのです。

【AIサトルの感想文】 (00:27:36)

頭を殴られたような衝撃、そして奇妙な安堵感がありました。…こうした苦しみの原因を私たちは自分の努力不足とか根性のさに整理にしてきました。社会もそうやって私たちを責めてきました。しかし遺伝や非共有環境という自分ではコントロール不能の要素だったとしたら私たちは自分を責める必要がなくなるのです。…この本は綺麗の呪縛から私たちを解放し変えられないものつまり遺伝ですよね。を受け入れてその上で変えられるもの戦略ですよね。…ここに集中するという極めて現実的である意味では優しい処方箋を示してくれてるのだと私は思います。

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4. Video Analysis: ミスを誘発する「バックハンドの上げ」

教室の後半は、練習動画の分析です。この日は浩司さんとテルさんの半面シングルスが非常に高レベルだったと触れつつ、実際の分析は「昨日の謎のダブルス」のプレーが題材となりました。

特に焦点が当たったのは、判断ミスと技術選択のミスです。

改善すべきプレーの分岐点

  • 前への警戒: 相手が前に落とす素振りを見せているのに、バックライン近くに立ちすぎている。もっと前を警戒すべき。
  • 不要なロビング: 上げなくても処理できる(ショートリターンなど)場面で、安易に上げてしまう。
  • 打ち方の選択ミス: サイドアウトしやすいバックハンドで打つのではなく、フォアハンドで回り込んで打つべき場面。

【中島ノブヨリ】 (00:33:49)

ここら辺もね、前をもっと警戒して欲しいんですよね。ここでね、もうちょっと前行って欲しいですよね。ここバックライン近いですからね。…これあげなくていいんだよね、今の。あとフォアハンドで打った方がいいですよね、今の。ま、この場面、上げるとしてもここフォアハンド打てば、サイドアウトはすることは少ないです。

なぜそのショットを選択したのか? 他の選択肢はなかったか? コーチの指摘は、単なる技術論ではなく、ミスを減らし再現性を高めるための「戦略」の重要性を示していました。

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5. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回のオンライン教室も、バドミントンの技術指導に留まらない、人生や仕事にも通じる普遍的な学びが満載でした。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。

1

「捨てる勇気」が成長の第一歩

自分のプライドや古いやり方、アイデンティティにしがみつくのをやめる。本当に欲しいもの(勝利や成長)を掴むため、不要なものを手放す覚悟を持つ。

2

指導者は「背中で語るな」

意図を「言語化」し、選手と「対話」し、結果の「責任を共有」する。選手の頭の良さに依存する指導は、ただの手抜きであり、信頼関係を破壊する。

3

「不都合な真実」を直視せよ

遺伝や容姿など「変えられないもの」の存在を認める。それは絶望ではない。無駄な努力や根拠のない自己責任論から解放されるためのスタートラインだ。

4

リソースは「戦略」に集中投下せよ

変えられない過去や遺伝に悩むのではなく、変えられる「戦略」に集中する。どんな経験を積むか、どの技術を選択するか。そこにリソースを注ぎ込む。

5

最高の師は「苦労人」である

すぐにできた天才は、なぜできないかを理解できない。紆余曲折を経てできるようになった「苦労人」こそが、できない人の気持ちが分かる最高の指導者になる。

【中島ノブヨリ】 (00:05:34)

指導者に向いてるなっていう人はやっぱなかなかできなかった人すぐにできなかったんだけど、紆余曲折して、やっとできたっていう人が指導者に向いてるんじゃないかなと思います。

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6. Action: 「不都合な真実」を行動に変えるチェックリスト

学びは行動に移してこそ意味があります。「不都合な真実」を受け入れ、それを「変えられる戦略」に落とし込むための具体的なアクションリストです。毎日一つでもチェックを入れられるよう、挑戦してみましょう!

アウトプット習慣チェックリスト

【中島ノブヨリ】 (00:12:56)

フェニックスが実践する共に育つ法、徹底した言語化、え、それから双方向の対話。…あと責任の共有ですね。ね、結果に対する責任は指導者と選手共に大切と思います。

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7. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ

「アイデンティティを捨てる」覚悟。「背中で語らない」責任。そして、「変えられない真実」を受け入れ、「変えられる戦略」に集中すること。

今回のオンライン教室は、私たちが無意識に囚われていた「綺麗事の呪縛」から目を覚まさせるような、強烈な内容でした。遺伝や環境のせいにしたり、逆に根拠のない努力万能論にすがったりするのではなく、現実を直視し、その上で最善の戦略(=経験)を選択していく。これこそが、バドミントンだけでなく、人生を豊かに生きるための鍵なのかもしれません。

【中島ノブヨリ】 (00:36:49)

来週はまた体験の方が来そうです。え、24歳女性経験年数不明です。皆さん仲良くしてください。…(中略)…私今日早寝して平瀬に行ってから幸田へ行こうと思います。…皆さん風邪引かないようにお願いします。

【凪紗】 (00:36:49)

ありがとうございました。

インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変える「戦略」となるはずです。次回のオンライン教室も、皆さんのご参加をお待ちしています!

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