監督からのアドバイス
先日試合で全敗し、監督から『感情をコントロールし過ぎ、本来の負けず嫌いが表面に出てくるといい』とアドバイスをいただいた。
咄嗟に『負けず嫌いという認識がない』と答えてしまい、なぜか否定したい気持ちになったが、監督のアドバイスはいつも核心をついているので、これは自分と向き合わないといけないなと思った。
負けず嫌いというと、一般的に、負けたときに”悔しい”気持ちになるものだと思うが、試合で負けたとき、そう思わなかった。
ダメだと思ってタイミングを取る練習を始めたくらいだ。
試合の帰り道、『明日はタイミングを取る練習、それから相手を見て打ち分けるオーバーヘッドの練習、それからラウンドで招き打ち、オールロングに・・・』
試合でできなかったことを早く練習したくてたまらなくなっていた。
どういうところが負けず嫌いなのか考えてみたものの、気が進まず思考は一向に深まらない。
負けず嫌いの特性や原因を調べたり、診断をしたりして過ごしたが、1日過ぎ、また1日が過ぎ、JUST DO IT!がプレッシャーをかけてくる。
行き詰ったら、もう監督に話を聞いてもらおうと思った。
奥底へ沈めていたもの
負けず嫌いは、大きく2種類あるそうだ。
・1つ目は、他人に負けたくないタイプ
・2つ目は、自分に負けたくないタイプ
私は、実は1つ目のタイプだと思った。
人と自分を比べている。自分ができないとき、人並みにできるようになりたいと思う。できない人だと思われたくないという願望を持っている。
自己分析を監督へ伝えると、
『劣等感は優越感の裏返し。人並みになりたいということは、自分より下の人を作りたいということ。劣りたくないは優れたいと同義』
自分よりできない人を作って安心する=人より優れたい??
同じだとは思えなかった。
腑に落ちないことを監督へ伝えると、
『じゃあ、安心はどういう願望に基づいているか考えてみては?』
『・・・』
『自分は価値のある人間だと思いたいのでは?』
自分より下がいる、だからその人よりは価値がある
自分はあの人より優れている、だからあの人より価値がある
同じだ!
他者との比較で自分の価値をはかろうとすることが負けず嫌いの原因だとわかり合点がいった。
監督は、他者との比較ではなく、自分自身が”自分は価値のある人間だ”と思えることがモチベーションを維持するのに大切だと言っている。
監督のアドバイスである、『本来の負けず嫌い』は他者との比較のことを指しているはずだと思い、それについて聞いてみた。
『私の本来の負けず嫌いって他者との比較ですよね?なのに表面に出すんですか?』
『鈴木はまだ勝ちにこだわって戦っていない。他者と比較する負けず嫌いの人は、なんでもいいから勝ちたいと考える。目先の1点でもいい。そういう負けず嫌いが出てくれば、今よりは1点にこだわってプレーできるんじゃないかと思ったんだよ』
監督の意図を聞いて、ある出来事がフラッシュバックした。
負けず嫌いを前面に出して疲弊したときの記憶。
私は、負けず嫌いを前面に出し人間関係を悪化させた苦い経験がある。その経験を経て、負けず嫌いを表に出さず隠すようになったのだ。
それが今、バドミントンにマイナスに影響しているということか。
試合に出てもラリーが成立しないくらい弱小だった私が、しっかりクリアを打ち合えるようになってきたんだからまだマシ!と納得しようとしているような。
勝ちにこだわれない要因。
本心は勝ちたいのに戦わず、自信を持てない私。技術を身に付ければもっとやれると考えている私。それを見抜いている監督のアドバイスの意味を理解した。
負けず嫌いさえ利用して
監督は、『性格とは演じるもの、積極的に演じていこう!』と推奨している。
人は、行動を、感情までも目的のために選択しているのだそうだ。それならば、勝つために負けず嫌いを選択したい。
現時点、人との比較による負けず嫌いであっても、その気持ちを前面に出し1球に対する執念を育てることに利用できる。
そして、今負けず嫌いの感情を選択するのは、『勝つために、他者に勝りたいという本能さえも利用して最善を尽くす自分』に、価値を感じるからである。そんな自分を演じることができたら、他者との比較抜きで自分の存在を価値あるものと認識できると思うからである。
今の自分とありたい自分像のギャップは、演じることで埋める!
監督のアドバイスを取り組み年末の試合をしっかり振り返れるよう、やるべきことをやろう。
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