Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年6月24日オンライン教室レポート:相手の次の一手を読む!バドミントン「配球予測力」を鍛える動画分析

DATE: 2025年6月24日

霧のかかった森の中の道―先を見通す予測力と洞察を象徴する風景

1. Opening: なぜ「何を打つか」より「何が来るか」が重要なのか?

今回のオンライン教室は、バドミントンの戦術的思考を一段階引き上げる、重要な視点転換から始まりました。それは、「自分がどう打つべきだったか」という内省的な振り返りから一歩進んで、「相手の状況から、次にどんな球が来ると想定できたか」という予測的な視点を持つことです。

このアプローチは、受け身のプレーから脱却し、ゲームの主導権を握るための第一歩。相手の体勢、ラケットの位置、コート上のポジショニングといった情報から次の一手を予測することで、より早く準備し、有利な状況を作り出すことができます。

【森さん】(04:52)

こないだ中島さんが自分がどうするべきだったかっていうよりも、どういう球が来ると想定できたかっていうところを見た方がいいってアドバイスをくださったので、今日はその視点で見ていこうと思います。

この記事では、実際の試合動画をもとに参加者が行った「配球予測トレーニング」の様子をレポートします。相手の意図を読み解き、一歩先を行くプレーヤーになるためのヒントが満載です。

今日のKey takeaway

予測力は、試合を読む解像度を上げるスキル。相手の体勢や状況という「情報」を基に、次に来る球の「確率」を計算し、自分の動きを決める。この思考プロセスこそが、受動的な反応から能動的な支配への転換点となる。

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2. 動画分析①: 予測不能なカウンターをどう読むか

分析の最初の場面は、通常では考えにくいコースへのカウンターショット。棒球気味の球がサイドに行った瞬間、相手選手(岡田さん)は巧みに引きつけてクロスへカウンターを放ちました。参加者からは「こんな球、打つ人いない」と驚きの声が上がります。

【森さん】(06:12)

あんまりフェニックスの人こういうの打ってこないですよね。打たないですよねうん。カウンターみたいな球を打たないですよね。でもちょっと今あえてここで見て思ったんですけどめっちゃ棒球じゃないです?

【参加者A】(08:35)

多分さっきあの森さんと話してたのが、棒球がサイドに行っちゃってカウンター食らったよね。コースが悪いっていうのあるんだけど、ここに入ったら全衛開いた方が良かったかなっていう。

【参加者B】(12:41)

クロスカウンターが1番やっぱり(やられたら)嬉しいんじゃないですかね。うん。これはまあストレートとかショートリターン…とかだったらまだ1つやられないですもんね。

ここでの学びは、「質の低い球を打ってしまった」という事実認識が予測の出発点になるということです。棒球を不用意にサイドへ送ってしまえば、相手にカウンターの選択肢を与えてしまう。つまり、「自分のミスの質」を認識することが、相手のベストな選択肢を予測することに繋がるのです。この場面では、「クロスカウンターが来るかもしれない」という最悪のケースを想定し、ポジショニングを調整する必要がありました。

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3. 動画分析②: ネット前の攻防、多彩な選択肢をどう絞るか

次に議論が白熱したのは、ネット前でのプッシュの攻防。中島さんがバックハンドで構えた場面で、どこに打ってくる可能性があったのかを洗い出しました。

考えられる配球コースは?

  1. ストレートプッシュ: 最も基本的で確率の高い選択肢。
  2. センターへのプッシュ: ペアの間に打ち、連携を乱す狙い。
  3. クロス(大外)へのプッシュ: 決まればエースだが、リスクも高い。
  4. ネット前に落とす: 相手の足元に沈める選択肢。

【森さん】(26:40)

どこ打ちます?どこ打って次何待ちます?これ。

【ヨッシーさん】(28:04)

ネットね…うん、ある。落とすね。

【森さん】(29:18)

じゃあ、ここ何が来そうっていうのを書いてきましょうか。…ストレートプッシュ、あり得る。センター、ストレート&センター。それ以外なんかあると思います?

この議論から導き出された結論は、全ての可能性をカバーするのは不可能であり、確率の高い選択肢に絞って守備範囲を分担することの重要性です。例えば、「大外は捨てて、自分のサイドとセンターを警戒する」といったように、ペアで意識を共有することで、守備の穴を最小限に抑えることができます。闇雲に待つのではなく、予測に基づいたポジショニングをとることが求められます。

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4. 動画分析③: 不利な体勢から相手の狙いを読む

最後に注目したのは、相手を崩し、低い打点で打たせることに成功した場面。ここから相手がどんな返球をしてくるかを予測します。

相手は手が伸びきり、体勢は不十分。この状況から考えられる選択肢は何か。参加者たちは複数の可能性を挙げました。

【森さん】(41:22)

そう思うとなんかこう、そこの陣形だったら、この球ってあんまり有利じゃないような気がする。なんか前狙ったら後ろが遅れるし、後ろ読んだら前が遅れるじゃないですか。

【参加者B】(43:49)

だから(前に)入るとしたらもう打った瞬間ぐらいですよね。…もうこういうこの打点になるって予想して打った瞬間に前に入る。

【ヨッシーさん】(45:07)

アタックロブのストレートとクロスですね…(あと)ストレート落としですよね。

この場面での重要な洞察は、「相手が不利な状況で何を選ぶか」を読むことです。強い球は打てないため、アタックロブで体勢を立て直そうとするか、ネット前に落として時間を作ろうとする可能性が高い。さらに、「えぐり打ち」のようなカウンター気味のクロスもゼロではない、という意見も出ました。

ここでの戦略は、「先に動かない」こと。相手の選択肢が多い場面で先に動いてしまうと、その裏をかかれてしまいます。じっと構え、相手が打った瞬間に反応する。ただし、頭の中では「ロブ」と「ネット前」の両方を想定しておく。この冷静な状況判断が、相手の反撃を防ぎ、自分たちのチャンスを持続させる鍵となります。

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5. Takeaways: 配球予測力を高める5つの視点

今回の動画分析セッションから見えてきた、「配球予測力」を向上させるための5つの重要な視点をまとめます。

1

自分のショットの質を客観視する

「甘い球を打ってしまった」という認識が予測の第一歩。自分のミスが相手にどのようなチャンスを与えたかを理解することで、相手の最も合理的な選択肢が見えてくる。

2

相手の体勢と打点から選択肢を読む

相手のラケットが上がっているか下がっているか、体勢が十分か苦しいか。これらの物理的な情報から、打てるショットと打てないショットを判断し、可能性を絞り込む。

3

確率で考える(全部は取れないと知る)

全てのコースを完璧にカバーすることは不可能。最も可能性の高いコースを予測し、ペアで守備範囲を分担する。時にはリスクの低いコースを「捨てる」勇気も必要。

4

選択肢を言語化し、リストアップする

「ストレート、クロス、ネット前…」のように、頭の中で考えられる選択肢を具体的に言葉にする。これにより、思考が整理され、冷静な判断が可能になる。

5

先に動きすぎず、相手の動き出しを待つ

特に相手に複数の選択肢がある場面では、予測で決め打って先に動くのは危険。ギリギリまで相手の動きを見てから反応することで、裏をかかれるリスクを減らせる。

【森さん】(1:01:55)

私もここの落とされることを1番に待ってた方がいいような気がする。までもクロスロビングもあるし、後ろも警戒しながら…そうですね、先に動いたら撃たれるかもしれないですね。

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6. Action: 配球予測力向上チェックリスト

学んだことを実践してこそ、力になります。日々の練習で「予測力」を意識的に鍛えるためのアクションリストです。一つでも多くチェックできるよう、挑戦してみましょう!

配球予測力向上チェックリスト

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7. Closing: 予測力を武器に、コートの主導権を握る

今回のオンライン教室は、バドミントンのスキルが単なるショットの技術だけではないことを改めて教えてくれました。相手を観察し、状況を分析し、次の一手を読む「予測力」こそが、プレーヤーを次のレベルへと引き上げる強力な武器になります。

ただボールを待つのではなく、相手の意図を読み、先回りする。この思考のトレーニングを日々の練習に取り入れることで、コート上での景色は一変するはずです。インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。

【森さん】(1:14:42)

一旦これで終わりますか?はい、じゃあこれちょっとまとめてまた中島さんに見てもらうように。ありがとうございます。

【参加者一同】

ありがとうございました。失礼します。

次回のオンライン教室も、皆さんの思考を刺激し、成長を加速させる場となることを楽しみにしています!

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