2025年8月10日オンライン教室:練習の先にある究極の動機とは?『自分が認める自分』になるための思考法
DATE: 2025年8月10日
1. Opening: 7つの悪いプライドを乗り越え、練習の本当の意味を知る
今回のオンライン教室は、まず「7つの悪いプライド」の振り返りから始まりました。基礎打ちで相手を打ち負かそうとする「基礎打ちマウンティング」、ミスを道具や照明のせいにする責任転嫁、決められるくらいなら自滅を選ぶ思考…。心当たりのある人もいるのではないでしょうか?
これらのプライドは、一見すると自分を守っているように見えて、実は成長を著しく妨げる足枷です。コーチは、こうした壁を自ら破壊し、本気で物事に挑む重要性を説きます。そして、そこからさらに議論は深まり、「練習とは、一体何のためにやるのか?」という本質的な問いへと進んでいきました。
【中島コーチ】 (03:36)
感情の仮面。スーパーショットを決めた後は当然感を出すために無表情。決められた後は本気じゃなかったという空気を出すために笑う。こういう人いませんかね?思い浮かぶ人いないですか?私は思い浮かぶ人いますけど。
【中島コーチ】 (04:25)
怒りは最強の成長燃料ですよと。信頼は演技から始める処世術です。停滞は自ら破壊していきましょう。何もしないが最も残酷ですよね。本気で挑まなければ本質は見えないですよね。
試合の勝利や大会での優勝ももちろん重要です。しかし、それだけが練習の全てなのでしょうか。この記事では、コーチの言葉をヒントに、バドミントンだけでなく、仕事や人生においてもあなたの成長を加速させる「究極の動機」について探っていきます。
今日のKey takeaway
練習は「聖なる儀式」。 他者に勝つためだけの行為ではなく、自分が心から「良し」と認められる自分を、一日一日、丹念に創り上げていくための神聖な時間である。その意識が、揺るぎない自信と成長の土台となる。
2. Mindset: 勝利の先にある「自分が認める自分」という究極の動機
「もっと上手くなりたい」「試合に勝ちたい」。こうした外部の目標は、確かに強力なモチベーションになります。しかし、コーチは問いかけます。「もしも誰かに勝ちたいわけでもなく、明確な目標があるわけでもない選手が、誰よりも情熱的に練習を続けていたら?そのエネルギーはどこから来るのだろう?」と。
その答えこそが、「自分が認める自分になるため」という、内側から湧き出る究極の動機です。他人の賞賛やトロフィーは一時的なものですが、「昨日の自分より、今日の自分は確かに前進した」という深い納得感は、決して色褪せることのない、燃え続ける炎となります。
【中島コーチ】 (06:47)
自分自身が深く納得できる感覚。それこそが決して揺らぐことのない、燃え続ける炎となるじゃないかなと思います。練習っていうのは他者に勝つための行為であると同時に、自分が認められる自分を丹念に作り上げていく聖なる儀式かもしれません。
【中島コーチ】 (08:17)
365日いつも同じ。もう大晦日であっても元旦であっても同じと。特別なことはなく、呼吸をするように努力を日常に溶け込ましていると。この愚直までの積み重ねは一体何を生み出すんだろう?試合のスコアボードに現れない、しかし何よりも確かな自信、自己肯定感なんじゃないかと思います。
コーチは、かつての鈴木選手を例に挙げました。当時は練習会で一番弱かったかもしれない。しかし、毎朝5時からのフットワーク、誰よりも早く体育館に来て誰よりも遅くまで練習するその姿は、まさに「自分が認める自分」を追求する姿そのものでした。この考え方はバドミントンに限りません。仕事、学習、人間関係…あなたの日常の中に、自分を成長させるための「練習」は無数に存在しているのです。
3. Video Analysis: 世界レベルの技術とゲーム練習の深層分析
座学の後は、実際のプレー映像を通して、より具体的な戦術や思考法を学びました。世界トップ選手の技術から、私たちの普段のゲーム練習まで、そこには上達のヒントが満載です。
技術の本質を見抜く:リバースカットとラッパー打ち
まず注目したのは「リバースカット」。これは単に相手を惑わすためだけのショットではありません。トップ選手が使うリバースカットは、相手のロビングを意図的に浅くさせ、距離感を狂わせる効果があります。体勢が崩れていなくても、リバースカットを数回打たれるだけで、レシーブ位置が50cmも前にずれてしまうのです。
次に「ラッパー打ち」。セオ・スンジェ選手やセティアワン選手が見せたこのプッシュは、ラケットヘッドを走らせずに打ちます。これにより、ミスの確率を劇的に減らすことができるのです。甘い球が来た時だけヘッドを走らせる、この使い分けが重要です。
【中島コーチ】 (13:20)
トップ選手でも(リバースカットに対するロビングで)浅くなっちゃうっていうことですよね。…リバースカットは分かりにくくするために打つんじゃなくて、ロビングを不安定にさせるために打つっていうようなイメージで打つと有効だと思います。
【中島コーチ】 (16:55)
ラケットヘッドを走らせてないのが分かると思うんですよ。こういう風にラケットヘッドを走らせないでプッシュを打ってください。そうすると、ま、ミスが少なくなりますよということですね。
ゲーム練習の解像度を上げる
後半は参加者のゲーム練習を分析。コーチの指摘は厳しくも的確でした。
- 安易に上げない: 中級者までは簡単にロビングを上げてしまいがち。ドライブやネット前など、他の選択肢を常に探す意識がレベルアップの鍵。
- 決め打ちで動かない: 「レシーブしたら前に詰める」と決め打ちするのではなく、打った後の相手の体勢を見てから次の動きを判断する。
- 不利な状況での構え: 強打される場面では、一番時間のないストレートコースにまずラケットを準備する。ラケットを下げてしまうと致命的なミスに繋がる。
- 練習の成果を即実践: ヨッシー選手が練習したばかりのラッパー打ちをすぐにゲームで試していたように、学んだことを実践投入する勇気が成長を加速させます。
【中島コーチ】 (56:56)
これ(レシーブ後)、次打って前っていう風に、レシーブする前から決めてしまっています。…レシーブしました。で、次に相手がどういう態勢になりそうかなと、打った後に判断してください。
【中島コーチ】 (01:18:56)
大体練習ダブルス練習で緊張してる顔してる人は上達が早いです本当に。…なんか楽しそうにやってる人ってうまくなんないですよね。大体試合の時ってさ、そんな気持ちでやれないじゃん、みんな。練習のための練習みたいになっちゃうからさ。
4. Physics: なぜバドミントンで「テコの原理」が重要なのか?
教室の途中、話題は物理学の基本「テコの原理」へ。一見バドミントンとは無関係に思えるかもしれませんが、実は私たちのプレーの根幹を支える重要な概念です。古代ギリシャのアルキメデスが「私に支点を与えよ。そうすれば地球を動かしてみせる」と言ったとされるこの原理は、小さな力で大きな力を生み出す仕組みを教えてくれます。
【中島コーチ】 (24:13)
テコの原理は人類の歴史の中で最も古い道具の1つです。古代エジプトではピラミッドのような建造物を作るために、え、テコの原理を使ってたと言われてます。
テコには、支点・力点・作用点の位置関係によって3つの種類があります。
- 第一種のテコ: シーソーやハサミのように、支点が力点と作用点の間にあるタイプ。スマッシュの時の肩や肘の使い方は、この原理に近いと言えます。
- 第二種のテコ: 栓抜きのように、作用点が支点と力点の間にあるタイプ。少ない力で大きな力を発揮できます。フットワークで地面を蹴る際の足首の動きなどがこれにあたります。
- 第三種のテコ: ピンセットのように、力点が支点と作用点の間にあるタイプ。大きな力は出せませんが、素早い動きや細かいコントロールが可能です。手首を使った繊細なネットプレーなどはこの原理です。
これらの原理を無意識のうちに私たちは使っています。しかし、その仕組みを理解することで、より効率的なフォームや力の伝え方を意識的に習得できるようになるのです。
5. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回のオンライン教室も、バドミントンの技術指導に留まらない、普遍的な学びが満載でした。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。
究極の動機は「自分が認める自分」
勝利や他者の評価は移ろいやすい。しかし「昨日の自分を超えた」という自己認識は、決して揺らがない成長のエネルギー源となる。
悪いプライドは成長の足枷
ミスの原因を他に求めたり、感情的な報復に走ったりするプライドは自ら破壊すべき壁。自分の弱さを認めることが、成長の始まりだ。
技術は「なぜ」を理解して使う
リバースカットは「相手のロビングを浅くするため」、ラッパー打ちは「ミスを減らすため」。技術の目的を理解することで、プレーの質は飛躍的に向上する。
練習に「試合の緊張感」を持ち込む
練習で安易なプレーに逃げない。試合で焦る場面を想定し、普段から厳しい状況判断を繰り返す。緊張感のある顔で練習する選手は早く上達する。
学びは「即実践」で血肉となる
インプットした知識や技術を、その日のうちに試す勇気を持つ。成功や失敗を恐れず実践投入することが、最速の上達ルートだ。
【アキコ】
コーチの話を聞いていると、結局は自分とどう向き合うか、ということに尽きるんですね。練習相手や試合相手はいるけれど、本当の相手は常に自分の中にいるんだと感じます。
6. Action: 「自分が認める自分」になるための実践チェックリスト
学びは行動に変えてこそ価値が生まれます。今日学んだことを日々の練習に落とし込み、確かな成長に繋げるためのアクションリストです。一つでも多くチェックを入れられるよう、明日から挑戦してみましょう!
実践チェックリスト
7. Closing: 今日の一歩を、未来の自分への投資に
「自分が認める自分になる」。この言葉は、私たちの日々の練習、そして生き方そのものに、深く、静かな光を投げかけてくれます。スコアボードの数字や他人の評価に一喜一憂するのではなく、自分自身の内なる基準に従って、愚直に、誠実に努力を積み重ねる。そのプロセス自体が、何物にも代えがたい財産となるのです。
今回の教室で得た気づきは、コートの中だけに留まるものではありません。ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行し、今日の一歩を、未来のあなたをより豊かにするための投資としてください。
【参加者】 (01:20:00)
気持ちよく終われました。ありがとうございました。
【中島コーチ】 (01:20:15)
はい。では終わりたいと思います。またね、わかんないこととかあればLINE等でも聞いてください。
次回のオンライン教室でも、皆さんの成長に繋がる深い学びを共有できることを楽しみにしています。