Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年8月12日オンライン教室レポート:「権利を主張するな、貢献せよ」—進撃の巨人に学ぶ、人間の愚かさと成長の真理

DATE: 2025年8月12日

霧のかかった山々と森が織りなす壮大な風景―人間の愚かさと大自然の対比、そして成長への道筋を象徴

1. Opening: 努力の質を問う—なぜ権利を主張する人ほど成長しないのか?

厳しい練習を終えた夜、この日のオンライン教室は、前回の振り返りから始まりました。テーマは「悪いプライド」の克服と「即実践」の重要性。しかし、話はすぐに、より深く、本質的なテーマへと移行しました。それは「真の努力とは何か」という問いです。

コーチは、世の中に蔓延る「権利ばかりを主張する人々」の心理を鋭く分析します。給料や待遇に不平を言うが、自らの貢献度には目を向けない。その根底には、自分の不甲斐なさと向き合うことから逃避する「自己中心的な欲求」があると指摘します。

【中島コーチ】(15:23)

努力してない人ほど権利を主張しがちと思いませんか?給料が安いとか、税金が高いとか、給付金が少ねえとか。国に文句、会社に文句…権利ばかりを主張する人って世の中にたくさん多いと思います。

【中島コーチ】(17:00)

彼らは自分の内面から目をそらして外部に原因を求めるんです。自分が悪いんじゃない。会社が悪いんだ。時代が悪いんだ。評価制度がおかしいんだ。…自分が受け取るべき見返りが不足すると主張することで自己の不甲斐なさと向き合うことから逃避してるんですよね。

一方で、真に成長する人々は、努力できる環境そのものに価値を見出し、感謝します。彼らにとって努力は苦痛な義務ではなく、自己を成長させる貴重な機会。このマインドセットの違いが、成長の道を大きく分けるのです。

今日のKey takeaway

努力のベクトルを「権利の主張」から「貢献への意志」へ。 不足に目を向けて不平を言うのではなく、今ある環境に感謝し、「自分は何を貢献できるか?」と問い続ける。その姿勢こそが、真の成長と信頼を引き寄せる。

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2. Deep Dive ①: 指導者の傲慢さ—「子育ては美徳にあらず」の真意

議論はさらに深まり、コーチングや人材育成の根幹を揺さぶるテーマ「子育ては美徳にあらず」へと展開しました。これは、子育てや指導そのものを否定するのではなく、その行為に潜む「指導者側のエゴ」に警鐘を鳴らす、衝撃的な視点です。

コーチは、「自分が育てたい」「自分の教えで成功させたい」という欲求は、選手の可能性を縛る鎖になり得ると語ります。「自分が正しい」という無意識の思い込みが、相手が持つ多様な価値観に触れる機会を奪ってしまうのです。

【中島コーチ】(21:20)

そもそも子育てってどういうことかっていうのね、私流に言葉にすると、他の誰かが育てた方が有益である可能性を排除して自分が育てたいという自己中心的な欲求を子供に押し付ける行為だと思うんですよね。…美徳でもなんでもないです。ただ単に自分が育てたいという傲慢な欲求を押し付けているにすぎない。

【中島コーチ】(24:04)

その認識に立つ時、私たちの役割は押し付けることから相手を深く観察し、自ら伸びるための環境を整えることへシフトしてくはずでしょう。…優れた指導者とは豊富な知識や技術を持つ人である以上に自分は完璧ではないと知る謙虚さを備えた人でしょう。

「こんなに教えているのになぜ伝わらないんだ」という怒りは、相手をコントロールしようとするエゴの表れ。真の指導者とは、一方的に教えるのではなく、相手を深く観察し、自ら伸びる環境を整え、共に学ぶ謙虚さを持つ人なのです。

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3. Deep Dive ②: 人間の愚かさと向き合う—光市母子殺害事件と「進撃の巨人」

この日の教室では、バドミントンの枠を大きく超え、人間社会の根源的な問題にも切り込みました。まず取り上げられたのは、1999年に起きた「光市母子殺害事件」。当時18歳の少年による残虐な犯行と、その後の裁判の経緯を通じて、少年法や司法のあり方、そして反省なき加害者の姿がもたらす社会への影響について重く考えさせられました。

続いて、コーチが最近見終えたというアニメ「進撃の巨人」を題材に、人間の「愚かさ」が考察されました。人類滅亡の危機にあっても殺し合う人間、無知と偏見が生み出す憎しみの連鎖、そして誰もが自分の「正義」を信じて疑わない姿…。

【中島コーチ】(39:01)

なかなか人間って捨てられないんだなっていうことの裏返しですよね。作品を通してそれを言い続けるってことは、人間がなかなか捨てられないんだということを表現している。そういう意味でも愚かさ、人間の愚かさを、書き続けている作品と感じました。

【中島コーチ】(42:11)

自分たちの正義は誰かの悪魔だってことですよね。真理ですよね、この構図。…自分が「正義」だと思った瞬間に他者の否定になっていくっていうことですよ。

物語は、私たち自身の姿を映し出す鏡です。「何も捨てられない人は、何も変われない」という作中の言葉は、人に嫌われたくないというプライドを捨てられない私たち自身への問いかけでもあります。他者を理解しようとせず、自分の正義に固執する。それはコートの上でも、日常生活でも起こりうる、人間の普遍的な課題なのです。

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4. Video Analysis: 動きを科学する—フットワークとラケットヘッドの極意

哲学的な議論の後は、具体的な技術分析へ。この日は特に、前衛へのフットワークと、それに連動するラケットワークがテーマとなりました。コーチ自らの動きを比較対象としながら、参加者一人ひとりの動きを詳細に解説します。

高速フットワークを生む2つのポイント

  1. ブレーキをかけない足の着き方: 踏み込む足(右足)を進行方向に対してまっすぐではなく、少し内側に入れる。これにより骨格で身体を支え、膝の屈伸によるタイムロスをなくし、素早い方向転換を可能にする。
  2. ラケットヘッドを低く保つ: 前に移動する際、ラケットヘッドを胸の高さで水平移動させる時間が長いとロスになる。ギリギリまでヘッドを低い位置で我慢し、インパクトの瞬間に一気に引き上げることで、より速く、力強いショットが生まれる。

【アキコ(スズキさん)】(55:25)

なんか私中島さんの見てて1本目がくっついてそこでギュンって蹴ってると思ってたんですけど結構い浮いてちょンってついていって…

【中島コーチ】(01:00:32)

ここずっと下を這っていくイメージです。ラケットが下を這っていって最後に上げていくんですよ。…みんなちょっとラケットヘッドが上に上がっちゃってるんですよ。

特にナギサさんの動きは「奇跡」「ミサイルナギ」と評されるほど、理想的なフォームに近く、大きなポテンシャルを感じさせました。一見、僅かな差に見える動きの違いが、プレーの迫力やスピードに決定的な影響を与える。まさに「動きを科学する」時間でした。

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5. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回の教室は、バドミントンの技術論に留まらず、人間としてのあり方や成長の本質に迫る、非常に密度の濃い時間でした。重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。

権利より貢献を問え

不平不満は、自分の貢献度の低さから目を逸らすための逃避行動。成長する人は、権利を主張する前に、自分がチームや社会に何を貢献できるかを考える。

指導者は謙虚であれ

「教える」という行為に潜む傲慢さを自覚する。自分のやり方を押し付けるのではなく、相手を深く観察し、自ら伸びる環境を整え、共に学ぶ姿勢が不可欠だ。

人間の「愚かさ」から学べ

歴史上の事件や優れた物語は、人間の普遍的な愚かさや弱さを教えてくれる最高の教科書。「自分の正義は誰かの悪」という視点を持ち、無知と偏見を乗り越える努力を怠らない。

何も捨てない者は、何も変われない

成長とは、古い自分を捨てること。「人に嫌われたくない」というプライドや、慣れ親しんだ我流のプレー。それらを捨てる勇気がなければ、新しいステージへは進めない。

動きの質は「見えない部分」に宿る

フットワークにおける足の角度、インパクトまでのラケットヘッドの軌道など、微細な違いがパフォーマンスを大きく左右する。動きを感覚ではなく、物理法則で捉え、科学的に改善していく。

【中島コーチ】(26:57)

教えるとは自分の知識で相手を満たすことではありません。相手の世界を共に探求し、相手自身が答えを見つけるまで信頼できる伴走者となることですよね。

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6. Action: 人間性を磨く実践チェックリスト

今日の学びは、コートの中だけで完結するものではありません。日々の生活の中で実践してこそ、真の力となります。明日から挑戦できるアクションリストです。

人間性を磨く実践チェックリスト

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7. Closing: 学びを明日のコートへ

「権利より貢献を」「教えるな、共に学べ」「自分の正義を疑え」。今回の教室で提示されたテーマは、どれも重く、深いものばかりでした。バドミントンというスポーツを通じて、私たちは技術だけでなく、人間性そのものを磨いているのだと改めて気づかされます。

人間の愚かさと向き合い、それでもなお成長しようともがく。その姿勢こそが、私たちを次のステージへと導いてくれるはずです。今日の学びを胸に、明日の練習に、そして人生に臨みましょう。

【中島コーチ】(01:08:52)

さて、寝ますか。ナギィ明日練習あるんだっけ?…お願いします。明日もやりましょう。

【参加者】

お願いします。

【中島コーチ】(01:09:05)

じゃあ終わりましょうか。早寝して明日の練習、また8時から頑張りましょう。はい、ではまたありがとうございます。

インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるはずです。次回のオンライン教室も、皆さんのご参加をお待ちしています!

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