Phoenix-Aichi オンライン教室

「〇〇しかない」は思考停止の罠!『性弱説』で学ぶ、AI時代の成長戦略

DATE: 2025年9月11日

森の中に伸びる分かれ道―選択の重要性と成長の可能性を象徴する大自然の風景

1. Opening: 「〜しかない」は思考停止のサイン

「スマッシュが速い相手には、こっちから攻めるしかない」「こんなに負けが込んだら、もうこの戦術を捨てるしかない」…私たちはつい、追い込まれると「〜しかない」という言葉に頼りがちです。しかし、コーチは警鐘を鳴らします。その言葉こそが、思考を止め、成長の可能性を閉ざしてしまう危険なサインなのだと。

この日のオンライン教室は、そんな日常に潜む思考の罠から始まりました。本当にその道しかないのでしょうか?山を登るルートが一つではないように、バドミントンの戦術も、課題解決の方法も、無数に存在するはずです。この言葉が頭をよぎったら、一度立ち止まって、他の選択肢を探す癖をつけることが重要です。

【中島ノブヨリ】 (00:00:00)

昨日の振り返りですけども、何々しかないは思考停止のサインですよ。から始まりました。…私たちは日常生活において様々なことでしかないっていう言葉をね、使いがちですけども。うん。それは果たして本当にいいことなのか?そんなことないですよね。…何々しかないって思うかんだらね、もう、あ、これ思考停止したと思って、ま、一度立ち止まってみましょうね。

【中島ノブヨリ】 (00:06:25)

信頼は不快感の先にある。うん。耳障りのいい言葉だけでは真の信頼は気づけません。

また、話題はパフォーマンスに影響を与える「ガッツポーズ」の種類にまで及びました。EXILE風のパフォーマンスは自分を追い込み、逆に児玉清さんのアタックチャンスのような内なる力を示すポーズはパフォーマンスを高める可能性があるとのこと。無意識の行動一つひとつが、結果に繋がっているのです。

今日のKey takeaway

「〜しかない」は、思考の迷路の行き止まり。その言葉を疑うことが、新しい道を見つける第一歩。真の信頼が耳の痛い言葉の先にあるように、真の成長も安易な結論の先にある。

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2. AI Talk: 使いこなす者と、そうでない者の決定的な差

話題は、急速に進化するAIの世界へ。LINEのスタンプを提案する機能から、専門的な資料作成を助けるNotebookLMまで、AIは私たちの日常や仕事に深く浸透し始めています。将棋の世界でAIを活用する棋士が飛躍的に強くなったように、他の分野でも同じ現象が起きつつあるとコーチは指摘します。

【ayako suzuki】 (00:09:26)

そういえば LINE も AI がなんかできません?…メッセージを分析中って勝手に作ってくれる。

【中島ノブヨリ】 (00:11:06)

そして人類とね、また AI を使いこなす人と使いこなさない人のアウトプットはもう全然変わってくるね。…昔よりももう使ってる人と使ってない人でもう大きな差ができちゃってるんですよね。

AIを単なる便利なツールと捉えるか、自身の能力を拡張するパートナーと捉えるか。その意識の差が、これからの時代のアウトプットの質を、そして個人の成長速度を大きく左右することは間違いありません。もはや「AIはよく分からない」と目を背けていられる段階は過ぎ去ったのかもしれません。

AIを成長のパートナーにするヒント
  • 壁打ち相手にする: 自分の考えをAIに投げかけ、別の視点やアイデアをもらう。
  • 要約・翻訳を任せる: 長文の記事や海外の情報を瞬時にインプットし、学習効率を上げる。
  • マニュアル作成を依頼する: チーム内の知識を標準化し、業務効率を改善する。(ayako suzukiさんの実践例)

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3. Deep Dive: 『性弱説』という最強の生存戦略

「練習しているのに上達しない」「大事な場面で練習通りにできない」。多くの選手が抱えるこの悩み。その原因は「気合が足りない」からでも「根性がない」からでもなく、「頑張り方を間違えている」だけかもしれない、とコーチは語ります。そこで紹介されたのが、キーエンスが実践する『性弱説』という考え方です。

「人は弱いものだ」という前提から、すべてを始める。

人間は本来、楽な方に流され、サボり、忘れる生き物である。この「弱さ」を直視し、意思の力に頼るのではなく、「やらざるを得ない仕組み」を作ることこそが、確実な成長への道筋なのです。

悩むのをやめ、「考える」を始めよう

「どうしよう…」と同じ思考をループさせるのが「悩む」こと。それに対して「答えは必ずある」と信じ、論理的に解決策を探すのが「考える」こと。この違いを理解することが、仕組み作りの第一歩です。

【中島ノブヨリ】 (00:24:11)

上達の秘訣は自分の弱さを認め、対策する仕組みづくりにあるというのがキーエンスの考え方になります。

【中島ノブヨリ】 (00:27:20)

意思の力に頼らずやらざるを得ない状況を自分で作り出すことが上達の鍵となります。…他人の目を借りる練習仲間と計画を共有しお互いに内容をチェックし合うとか…1人だとつい甘えてしまう状況を強制的になくす。

例えば「苦手なバックハンドから逃げてしまう」という弱さがあるなら、「練習の最初に必ず30本打つ」というルール(仕組み)を作り、それを練習ノートに記録してコーチに提出する(仕掛け)。こうして自分の弱さを認め、具体的な対策を講じること。精神論ではない、この合理的なアプローチこそが、凡人が非凡な成果を出すための鍵なのです。

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4. Mystery: 「気づき」の正体は”抽象化”だった?

私たちはよく「良い気づきがあった」という言葉を使います。しかし、その「気づき」とは一体何なのでしょうか?コーチは、その正体について非常に興味深い視点を提示しました。それは、「気づきとは抽象化のことではないか」という仮説です。

【ayako suzuki】 (00:38:25)

気づくって結構外的要因があって、人に言われてとか、話しててとか、そういうの本読んでとかなんか自分の頭の中だけで気づけます。

【中島ノブヨリ】 (00:40:00)

私のイメージを言うと、それって抽象化のことを言ってんだよね。…気づきとは抽象化ですっていう風に出てきたらおこいつやるなって私は思いますですね。

【中島ノブヨリ】 (00:41:48)

マウンティングという具体的な行動を(より一般的な言葉である)快感の行為っていう言葉に置き換える。なるほど。つまりバイクで高速道路を飛ばしてるのと同じだとかさ、ジェットコースターでね、乗ってんのと一緒じゃんとかっていう風になるわけですよ。

具体的な事象(例:A選手のマウンティング行為)を、より一般的な概念(例:快感を得るための行為)に置き換える。これが「抽象化」です。一度抽象化できると、全く違う分野の事象(例:バイクで暴走する、ジェットコースターに乗る)との共通点が見え、物事の本質を深く理解できるようになります。

「自分で気づいて初めて意識が変わる」という言葉の裏には、こうした「自分で抽象化し、他の事象と結びつけることで、物事の捉え方が根本的に変わる」というプロセスが隠されているのかもしれません。ただ経験するだけでなく、その経験を言語化し、抽象化する訓練が、成長を加速させるのです。

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5. Video Analysis: 東野・志田ペアの試合分析〜笑顔の裏の心理戦〜

教室の後半は、東野有紗・志田千陽ペアの試合映像を分析。特に印象的だったのは、17-10とリードした場面で、志田選手の打球が相手の身体に当たってしまったシーンでした。

【中島ノブヨリ】 (00:58:33)

これは良くない。完全に笑ってるじゃないですか、これ。当たっちゃったことに対して笑ってんですよ、これ。完全これサイコパスですよね。…これ良くないなと思ったら連続失点するんですよ。こっから…サイコパスから5点失点というこれもすごかったです。

【中島ノブヨリ】 (01:01:39)

人に当たって笑うっていうのはやっぱりね、良くないんですよ。相手の脳機能も上げちゃうしね。で、自分たちもちょっと悪かったなっていう気がしちゃうんですよ。やっぱネガティブな思考に陥りますので…

コーチが「サイコパス」と表現したこの笑顔。本人は「アウトになるはずの球が当たってラッキー」という無邪気なものだったかもしれませんが、このプレーを境に、流れは一変。なんと5連続失点を喫してしまいます。この現象は、単なる偶然ではありません。

  • 相手の闘争心に火をつけ、脳機能を活性化させてしまう。
  • 「悪いことをした」という無意識の罪悪感が、自分たちのプレーを萎縮させる。
  • チーム内の集中力や流れを断ち切ってしまう。

たった一つのリアクションが、試合の勝敗を左右する。トップレベルの戦いでは、技術や戦術だけでなく、こうした心理的なコントロールがいかに重要であるかを物語る、象徴的なシーンでした。

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6. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回のオンライン教室は、バドミントンのコートを越え、思考法や成長の哲学にまで踏み込む、非常に密度の濃い時間となりました。重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。

1

「〜しかない」を疑う勇気

その言葉は思考停止のサイン。安易な結論に飛びつかず、常に別の選択肢を探す姿勢が、ブレイクスルーを生む。

2

弱さを認め、仕組みで克服する(性弱説)

人間は本来弱い生き物。意思の力に頼るのをやめ、「やらざるを得ない」環境やルールを自ら作り出すことで、成長は自動化される。

3

「悩む」を「考える」に変換する

同じ場所を回り続けるのが「悩み」。出口があると信じ、解決策を論理的に探すのが「考え」。このスイッチを意識的に切り替える。

4

「気づき」とは物事を抽象化する力

具体的な出来事を一般化・概念化することで、本質が見え、他のことにも応用できる普遍的な知恵へと昇華される。

5

無意識の行動が流れを左右する

ガッツポーズの種類や、失礼な笑み。何気ないリアクションが相手を奮い立たせ、自分たちの足を引っ張る。常に客観的な視点を持つことが重要。

【ayako suzuki】 (00:24:11)

本当(人は)弱いと思う。

【中島ノブヨリ】 (00:24:11)

はい。人は弱いだからこそもっと強くなれるという話。

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7. Action: 成長を仕組み化するチェックリスト

学びを行動に変え、習慣化するためのアクションリストです。「気合い」や「意識」に頼らず、具体的な「仕組み」として日々の練習に取り入れてみましょう。

アウトプット習慣チェックリスト

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8. Closing: 弱さを認めた先にある成長へ

「人は弱い」。この言葉は、諦めや停滞の言い訳ではありません。むしろ、自分たちの不完全さを受け入れ、そこから出発することこそが、最も確実で、再現性の高い成長戦略であるという、力強いメッセージです。

意思の力に頼ることをやめ、自分の弱さを前提とした「仕組み」を作る。思考停止のサインに気づき、安易な答えから距離を置く。そして、日々の出来事から本質を「抽象化」する訓練を続ける。バドミントンというスポーツを通じて、私たちは人生のあらゆる場面で通用する、普遍的な知恵を学んでいます。

【前田郁真】 (01:02:51)

応援に行きます。

【中島ノブヨリ】 (01:14:22)

さあ、週末もだんだん見えてきましたね。…はい、寝ましょう。…それではまた。

インプットはアウトプットして初めて血肉となります。ぜひ、チェックリストの項目を一つでも実践してみてください。その小さな仕組みが、あなたの「頑張り方」を正しく導き、未来を大きく変える一歩となるはずです。

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