2025年9月21日オンライン教室レポート:「どうでもいい」が最強の武器?頑固さを捨て、リスクを愛する者がチャンスを掴む
DATE: 2025年9月21日
1. Opening: 「どうでもいい」が拓く新境地と「信念」の真価
この日の教室は、前回のテーマ「頑固さ」の振り返りから始まりました。「自分のやり方を変えないこと」を信念だと勘違いしている人は多い。しかし、真の信念とは「目的達成のために、柔軟に変化し続けること」ではないか。コーチはこの問いかけから、成長の本質に迫ります。
そして、今日の格言として紹介されたのが「どうでもいいわ」。一見、無関心で冷たい言葉に聞こえますが、その実、相手への「無条件の受容」と、自分自身を「執着から解放する」という、深く温かい意味が込められていると解説されました。去る者を追わず、来るものを拒まず。その境地に至った時、人は真に自由になれるのかもしれません。
【中島ノブヨリ】 (00:07:27)
成長することに信念を持ってる人っていうのは変わり続けることができるんじゃないかと思うんですよね。うん。自分のやり方にこだわってる人、こういうのはやっぱり頑固じゃないかなと思うんですよ。一方で信念があるっていうのは目的に対して柔軟に変化し続けること。これが信念なんじゃない。
【中島ノブヨリ】 (00:13:33)
君がどちらの道を選んでも君の価値は何も変わらない。君の人生なんだ。君が最善だと思う道を選んでほしいとね。心から思えた時に言える言葉。これがどうでもいいですよね。…結果に対する執着を手放し相手の自由意思を100%信頼してる証です。
今日のKey takeaway
「どうでもいい」は、相手と自分を解放する最強の優しさ。執着を手放すことで、コントロールではなく信頼が生まれ、自分も相手も次のステージに進むエネルギーが湧いてくる。それは、真の変化を恐れない「信念」を持つ者の強さの証でもある。
2. Community Talk: 叱る人への信頼と「挨拶=人間力」のウソ
Slackでの参加者KTさんとのやり取りから、議論はさらに深まります。「叱ってくれるコーチや監督が信頼できる」というKTさんの意見に、コーチは自身の中学時代の恩師とのエピソードを重ね合わせました。感情をストレートにぶつけ、本気で向き合ってくれた先生への信頼は、今も色褪せないと言います。
一方で、「挨拶ができる=人間力が高い」という風潮には疑問を呈します。トップレベルの選手には、挨拶や人付き合いを「テクニック」として駆使し、可愛がられることでチャンスを掴んできた者が多い。挨拶は大事な社会スキルですが、それ自体が人間性の証明になるわけではない。表層的な指導に逃げず、物事の本質を見抜く視点が重要だと語られました。
【中島ノブヨリ】 (00:25:31)
やっぱね、中1の時の先生がね、すごいおしかりがあったんですけど、その人未だに1番信頼できるなって思ってんですよね。…めちゃくちゃなんか怒られたんですけど多分分かってんですよ先生も。あ、お前やりやがったなと。…嘘ついて帰らしたなっていうのも分かってる感じがあったんだよね。で、なんかさ、なんかちょっと笑いながらこうゲンコツをガーンでやってくれたんですけど、なんかそこで信頼関係っていうかね、精神的な結びつきを強く感じた思い出があるね。
【中島ノブヨリ】 (00:31:54)
人挨拶を大事にするがイコール人間力の育成ってこれは違うでしょって俺は思うんですよ。やっぱりテクニックでしかないよってね。…そういう表面的に見えることさえきちんとおはようございます。ありがとうございました。これさえ言えればなんとなく人間育成したら気になれるからね。そういうことをやってしまうというか、安易にそっちの道に走るんじゃないかなっていう風に私は思ってます。
3. Deep Dive: なぜ「全方位戦略」は卒業すべきなのか?
後半は、具体的なダブルスの動画分析へ。特にayako suzuki選手へのアドバイスを通して、中級者から上級者へステップアップするための重要なマインドシフトが語られました。それは「すべてを受け切ろうとする守りの意識」からの脱却です。
これまでは「やられないこと」が重要だったかもしれませんが、次のレベルでは「リスクを負ってでも前に出る」意識が不可欠になります。遅い球に対して待つのではなく、自ら迎えに行き、高い打点で処理する。後ろに振られたら「しょうがない」と割り切る勇気。このリスクテイクこそが、試合の主導権を握る鍵となります。
【中島ノブヨリ】 (00:46:45)
だから鈴木選手にこれから求めていくものはやっぱりリスクをってくことじゃない。あの、全部受け切ろうじゃないんだよね。受けれないかもしれないポジショニングをどう取れるかだよね。前に前に前に前に前に行ってで後ろに振られました。もうしょうがねえじゃん。
【中島ノブヨリ】 (01:00:01)
これ遅いんですよ。これ本当にレベル高い要求ですよ。…上のレベルで行ったら遅いっす。もうこの時点で前行って欲しいんですよ。…プッシュないイコールもう詰めていってこれをもうペチで終わりなんですよ。そういうタイミングなってくるんですよ。
4. Strategy Session: 強いパートナーを活かす「一点集中」の技術
「全方位戦略」からの脱却は、パートナーシップの質を劇的に向上させます。特に、自分より格上の選手と組んだ時に真価を発揮するのです。コーチは「強いやつと組んだ時に機能するプレイ」を目指すべきだと力説します。
その核心は、自分の守備範囲をあえて「限定」し、その代わり、そのエリア内での反応速度と処理の質を極限まで高める「一点集中」戦略です。自分がどこを捨て、どこを絶対に取るのかを明確にすることで、パートナーは安心して自分の役割に集中できます。これができる選手は、強い選手から「組みやすい」と思われ、結果的に大きなチャンスを掴むことができるのです。
【中島ノブヨリ】 (01:08:38)
今はまだまだこう全部全方位戦略っていうのかな。全部を取りに行ってる感じがあるんで、もうそろそろ脱却して、もうバミューダさん(一点張りの名手)の道を歩んでって欲しいんです。…少しずつ自分の取るエリアを限定していって、だけどその分早いっていうねことですよね。そうするとパートナーはやりやすくなってくると思う。
【中島ノブヨリ】 (01:10:27)
強いやつと組んだ時に組みやすいよねっていうプレイを目指しとくともしかしたらチャンスが転がり込んでくるということになるわけですよ。だけど大体の中級者は、自分が頑張ろうとするからから、強い人からするとめちゃくちゃ組みづらいんですよ。組みたくないんですよ。
5. Extra: インド宗教入門—苦しみから抜け出す3つの道
この日はバドミントンの話だけでなく、コーチ自身の知的好奇心から、インドの三大宗教(バラモン教、ヒンドゥー教、仏教)についてのミニレクチャーもありました。古代インドの人々の最大の関心事は「どうすれば苦しみの輪廻から抜け出せるか」であり、その問いに対する3つの異なるアプローチが紹介されました。
- バラモン教: 司祭による儀式(祭式)を重視し、神々を祀ることで救いを求めるアプローチ。
- ヒンドゥー教: バラモン教を土台としつつ、多様な神々への信仰や親愛(礼拝)を中心とするアプローチ。
- 仏教: ブッダが開いた、儀式や権威を否定し、自らの修行によって悟り(涅槃)を目指すアプローチ。
苦しい時にどうやって抜け出すか。儀式に救いを求めるのか、信仰に身を委ねるのか、それとも知恵と修行で乗り越えるのか。現代を生きる我々にとっても、示唆に富む内容でした。
【中島ノブヨリ】 (00:37:06)
古代インドの人たちの最大の関心はどうすれば苦しみの輪廻から抜けられるかっていう。このぐるぐるぐるぐる生きてから死んで再生みたいな、この輪廻からどうやったら抜けられるのかっていうのに興味がありましたと。で、その中で、ま、3つの方法っていうかね、方法論がこう唱えられたんですよね。
6. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回のオンライン教室も、バドミントンの技術指導に留まらない、普遍的な学びが満載でした。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。
信念とは変化し続ける勇気
頑固さは現状維持の言い訳に過ぎない。真の信念とは、目的達成のために自分のやり方すらも疑い、柔軟に変化し続ける姿勢そのものである。
「どうでもいい」は最強の肯定
執着を手放すことで、相手も自分も自由になる。コントロールではなく信頼をベースにした関係は、新たなエネルギーと可能性を生み出す。
挨拶は人間性ではなく「技術」
挨拶や礼儀を人間力育成と短絡的に結びつけない。チャンスを掴むためのコミュニケーションスキルとして捉え、磨き上げる視点を持つ。
守りから攻めへの意識改革
「やられない」から「リスクを負って前に出る」へ。失点を恐れず、得点への最短ルートを探求するマインドが上級者への扉を開く。
強いパートナーを活かす一点集中
全方位を守るより、自分の役割を限定し、速さと質で貢献せよ。それが最高のパートナーシップを築き、チャンスを最大化する道となる。
【中島ノブヨリ】 (00:17:51)
最近ちょっとテルさんがね、またバドミントンやってる時の表情が明るくなった気がすんだよね。なんか戻ってきた気が3年ぶりぐらいの表情がなんか戻ってきたなってね。…今ね、なんかつき物が落ちたというか、またなんか伸びるフェーズが来た気がするよね。
7. Action: アウトプット習慣チェックリスト
学びは行動に移してこそ意味があります。インプットした知識をアウトプットし、自分のものにするための具体的なアクションリストです。毎日一つでもチェックを入れられるよう、挑戦してみましょう!
アウトプット習慣チェックリスト
8. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ
「頑固さ」という成長の壁を壊し、真の「信念」を持つこと。執着を手放し、「どうでもいい」という強さと優しさを手に入れること。そして、コートの上では「全方位戦略」を卒業し、パートナーを活かす「一点集中」と「リスクテイク」を実践すること。
今回の教室で語られたテーマは、バドミントンという枠を超え、私たちの生き方そのものに深く関わるものでした。特に、強い人と組んだ時にこそ輝くプレースタイルを目指すという視点は、多くの選手にとって新たな目標となったのではないでしょうか。
【ayako suzuki】 (01:07:11)
いや、そんなことないです。なんか今まで言われてることの延長線上のような気がします。
【中島ノブヨリ】 (01:07:11)
難しいんですよね。今まで通りね、全部受けられるようにとかね。そういう感じから脱却していくのって結構大変。
変化には痛みが伴います。しかし、その先には必ず新しい景色が待っています。インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるはずです。