2025年9月30日 オンライン教室レポート
格言:自信を疑え、そこに成長の扉がある。

「もっと自信を持っていけ!」
試合前や練習中、誰もが一度はかけられたことがある言葉ではないでしょうか。しかし、この普遍的なアドバイスが、時として私たちの上達を阻む「罠」だとしたら…?
今回のオンライン教室では、多くのプレイヤーが陥りがちな「自信のパラドックス」について掘り下げました。根拠のない自信がなぜ危険なのか、そして真の成長を遂げるために必要な「知的な謙虚さ」とは何か。その核心に迫ります。
「自分はできている」という、最も危険な思い込み
著書『バカと無知』でも触れられているように、人間には「自分は平均以上だ」と思い込む認知バイアス(ダニング=クルーガー効果)があります。これはスポーツの世界でも例外ではありません。
バドミントンで言えば、「自分は人並み以上にバドミントンの技術を知っている」「自分のスマッシュはかなり速い方だ」といった思い込みです。
思い込みが、成長の壁になる
この「できている」という勘違いこそが、上達における最大の壁となります。なぜなら、自分に課題があると思わなければ、フォームを変えようとも、戦術を学ぼうともしないからです。
「自分のプレーに満足した瞬間から、成長は止まる。現状維持は、すなわち後退の始まりだ。」
周りから見れば明らかな改善点も、本人だけが気づいていない。これほど怖いことはありません。自信を持つことは大切ですが、それが客観的な事実に基づかない「過信」になった時、成長の扉は固く閉ざされてしまうのです。
上達の鍵は「無知の知」にあった
では、この危険な思い込みから脱却するにはどうすれば良いのでしょうか。その答えは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが説いた「無知の知」にあります。
「無知の知」とは、「自分は何も知らない」ということを知っている、という状態です。
これをバドミントンに置き換えれば、「自分にはまだ知らない技術や戦術がある」「自分のフォームには改善の余地がある」と素直に認める姿勢こそが、爆発的な成長の第一歩となります。
今日からできる「客観視」トレーニング
- プレーを録画する: スマートフォンで十分です。自分の動きを客観的に見て、イメージとのギャップに驚くはずです。
- 信頼できるコーチに見てもらう: 専門家からのフィードバックは、自分では気づけない盲点を教えてくれます。
- あえて格上の選手と練習する: 自分の「できないこと」を痛感させられる経験は、何よりの学びになります。
結論:根拠なき自信から、根拠ある自信へ
「自信を持って行け!」という言葉を、「自分の無知を自覚して、探求しに行け!」と翻訳してみましょう。
自分の弱さや課題を直視することは、時に辛い作業かもしれません。しかし、それを乗り越え、一つひとつ課題をクリアしていくプロセスから生まれる自信こそが、本番で揺らぐことのない「本物の自信」です。
Phoenix-Aichiオンライン教室では、皆さんが自分の課題を正確に認識し、それを乗り越えるための具体的な道筋を一緒に探していきます。
さあ、その「できている」という思い込みを手放し、無限の成長への一歩を踏み出しましょう。
