Phoenix-Aichi

2025年10月3日 オンライン教室レポート

目次

1. はじめに:なぜ「教えてもらう」だけではダメなのか?

「教えてもらうスタンスでは何も学べない」

これは、私たちPHOENIX愛知が大切にしている考え方の一つです。一見すると、これは突き放した冷たい言葉に聞こえるかもしれません。しかし、この言葉の裏には、選手の真の成長を願うからこその、深い愛情と確信が込められています。

ただ答えを聞くだけの学習は、まるで他人が作った地図をなぞるだけのようなもの。道は知れても、道を見つける力は一向に身につきません。この記事では、なぜ受け身の姿勢が成長の最大の敵となるのか、そして、自らの力で道を切り拓くための「問いの力」について掘り下げていきます。

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2. 「学んだ気」という甘い罠:知っていると出来るは違う

指導者から的確な答えをもらうと、その瞬間、霧が晴れたように感じ、「なるほど!」と勉強したような気分になります。これは非常に心地よい感覚ですが、実は危険な罠が潜んでいます。

なぜなら、それは「自分の頭で考えていない」からです。脳は、自ら試行錯誤し、悩み、苦しんだ末に得た知識やスキルを長期的な記憶として定着させます。答えをショートカットして得る行為は、この最も重要なプロセスを省略してしまっているのです。

ポイント

  • 他人の答えは「情報」:あなたの血肉にはならない。
  • 自分の試行錯誤は「経験」:失敗すらも成長の糧となる。

結局、その場では分かったつもりでも、いざ一人で同じ問題に直面したとき、再現することはできません。「知っている」ことと「出来る」ことの間には、自分で考え抜いた経験という、深く大きな川が流れているのです。

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3. 指導現場のカオス:教えたい指導者と、教わりたい選手の共犯関係

ここで、指導現場はさらに複雑な様相を呈します。選手が成長できないのは、選手だけの問題ではないからです。

指導する側は、「先生、教えてください!」と熱心に教えを乞う生徒を、素直でかわいいと感じやすいものです。頼られることは指導者としての喜びでもあり、ついつい答えをすぐに与えてしまいがちです。これが、私たちが「指導現場はカオス」と表現する所以です。

選手側は「教えてもらうスタンスでは学べない」のに、指導者は無意識に「そのスタンスを求めてしまう」。

この矛盾した構造が、選手の主体性を奪い、依存的な関係を生み出してしまいます。選手は「答えをもらうこと」が目的となり、指導者は「答えを与えること」で満足する。これは、一見良好な師弟関係に見えて、実は互いの成長を阻害する「共犯関係」に陥っているのかもしれません。

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4. 成長への処方箋:「問い」を立てる勇気を持つ

では、このカオスから抜け出し、真の成長を手にするためにはどうすればいいのでしょうか。答えはシンプルです。それは、「答え」を求めるのではなく、「問い」を立てる勇気を持つことです。

質問の質が、学びの質を決定します。これからは、質問の仕方を変えてみましょう。

【NG】受け身の質問

「どうすればいいですか?」
「何がダメですか?」
→ 思考停止。答えを他人に委ねている。

【OK】主体的な質問

「〜を改善するためにAとBを試しましたが、うまくいきません。他にどんな視点がありますか?」
「私は〜が原因だと考え、こう修正しようと思いますが、どう思われますか?」
→ 自分の仮説と行動がベースになっている。

自分の考えや仮説をまず指導者にぶつけてみる。そうすることで、指導者はあなたに単なる答えではなく、より深い思考を促す「ヒント」や「別の視点」を与えてくれるようになります。この対話こそが、あなたを本当の意味で成長させるのです。

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5. 結論:自ら道を切り拓く者となれ

「教えてもらう」という快適な場所から一歩踏み出し、自ら考え、仮説を立て、問いを発する。それは、時に孤独で、困難な道かもしれません。しかし、その道の先には、誰にも奪われることのない、本物の「考える力」と「課題解決能力」が待っています。

PHOENIX愛知は、手取り足取り答えを教える場所ではありません。選手一人ひとりが自分自身の最高の指導者になれるよう、問いを投げかけ、思考をサポートし、挑戦を後押しする場所です。

さあ、答えを探す旅はやめよう。
世界を変える、自分だけの「問い」を見つける旅を始めよう。

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