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コーチング・レポート

『身のほどを知れ』は最強の戦略 ― 2025年6月19日オンライン教室レポート

2025年6月19日

険しい山々を見渡す道―個人の力だけでなく、全体の戦略で進むことの重要性を象徴する風景

はじめに:「可能性を信じる」の危うさ

「自分の可能性を信じろ」― この言葉は、私たちを鼓舞する魔法のように聞こえます。しかし、2025年6月19日のオンライン教室では、この”常識”に鋭く切り込むテーマが掲げられました。それは「身のほどを知れ」という、一見ネガティブに聞こえるメッセージです。

コーチは、この言葉こそが「最強のプレイヤーになるための鍵」だと断言します。多くの選手がオールラウンドな能力や弱点のない完璧さを目指す中で、なぜあえて「身のほどを知る」ことが重要なのでしょうか。それは、自分の限界を知り、諦めるべき点を見極め、周りの力を最大限に活用することこそが、勝利への最短ルートだからです。

【コーチ】 (02:29)

一般的にねネガティブに聞こえるこの言葉こそ最強のプレイヤーになるための鍵と思ってます。…やっぱり根本的には(完璧な)オールラウンドの能力をね、持った選手になりたい…弱点のないプレイヤーを目指すみたいなところにいたいんでしょうね。行きたいと思うと「身のことを知る」っていうのはすごくこうネガティブに感じてしまったりとかするんじゃないかなと思います。

【コーチ】 (04:50)

ごく稀れな一例、要するに何億っていう確率でしか発生しない事象を是として「可能性を信じてやり続ければいつか報われる」みたいなさ、そういう論理を持ち込むのは非常に危険なんじゃないかなと。一生を無駄にするよっていうこと。

この日の教室は、「自分」という枠を超え、チームやパートナーを含めた「全体」でいかに勝つかという、より高度な戦略的思考を学ぶ時間となりました。

今日のキーポイント

「身のほどを知る」とは、単なる諦めではない。それは自分の現在地を冷静に分析し、目標達成のために周りのリソース(パートナー、コーチ、仲間)をいかに活用するかを考える、最も知的で高度な自己分析であり、勝利への最強の戦略である。

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「身のほどを知る」は最高の戦略である

多くの人は「自分はどうありたいか」「自分はどうしたいか」という`I am…` `I think…`の思考に陥りがちです。しかしコーチは、それは「勝てない人の発想」だと指摘します。本当に結果を出す人は、自分という小さなリソースに固執するのではなく、周りの人々が持つ可能性に目を向け、彼らをどう動かすかを考えます。

自分の能力に見切りをつけ、諦めるところからが本当のスタート。自分にできないことは得意な仲間に託し、信頼関係を築き、チーム全体で成果を最大化する。これこそが、Googleのような巨大組織からバドミントンのダブルスまで、あらゆる場面で通用する勝利の方程式なのです。

【コーチ】 (09:33)

勝つために周りのパートナーだとか、コーチ、専門家、親御さん、仲間、ま、こういった人たちをどういう風に活用していくのかっていうね、そういうことを考えましょうっていうことです。自分の可能性じゃなくて周りの可能性にかけるってことですよね。

【コーチ】 (10:45)

周りをどう動かしてるかっていう発想ですよね。周りの可能性にかけていくっていうことがやっぱり勝つためには有効な戦略なんじゃないのか。自分なんかしょうもないんだから…周りにかけるしかないじゃんみたいなことですよね。

【コーチ】 (34:59)

身のほど知ってください本当に。可能性を信じるのはやめましょう。身のほど知って、もう上しか来ない、限定して自分は上だけは取るんだ、もうこれですよね。本当にね、さっさと可能性を信じるのをやめた人から上に行けると思うんだよ。

今日から始める「周りに託す力」の磨き方
  • 自己分析:自分の強みと弱みを正直に書き出す。何を諦めるべきか明確にする。
  • 相談相手のリスト化:誰に相談すれば自分の弱みを補えるか、具体的な名前を挙げる。
  • 役割分担:苦手なことを無理に克服しようとせず、得意な仲間に「お願い」してみる。
  • 人脈構築:目標達成に必要な専門家やキーパーソンを普段から探し、信頼関係を築いておく。
  • 感謝の習慣:周りの協力は当たり前ではない。AIにさえも、感謝の言葉を忘れない。

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動画で学ぶ「想定力」と状況判断

理論だけでなく、実践でどう活かすか。教室では実際のラリー映像を分析し、「想定力」の重要性を学びました。特に印象的だったのは、相手に考える時間を与える「何でもない遅い球」が、いかにミスを誘発するかという点です。厳しい球を打つだけが攻撃ではありません。

また、ダブルスにおける動き方も重要なテーマでした。自分の動きがパートナーをどう動かすのか。自分が一歩早く詰めることで、パートナーは次の展開に備えることができます。これは「反応」ではなく「想定」のスポーツであるバドミントンの本質を示すものでした。

【コーチ】 (1:07:17)

ここのラケットね、シャトルとラケットの関係性からもうクロスネットに来る可能性ぐらいある。だからもう先に動けばいいんですよ。…それがバドミントンじゃん、そういうの。これじっとしてみてさ「うわ、来ました」みたいな、そういうのってもう…反応になっちゃってるんですよ。反応じゃないんだからさ、バドミントンは。

【コーチ】 (1:08:40)

本当にみんなに言いたいのは想定力をつけましょうと。技術とかね、フットワークの速さね、ラケットワーク、そんなことよりも想定力を磨いてください。

ケーススタディ:なぜ前に詰められないのか?

【コーチ】(53:49)

(パートナーが)フリーだからこそ、この一番来そうなところを潰しに行くっていうことが大事。…それがシングルスできるやつと組んだ時にこそやれることじゃないですか。そういうのも身のほどを知るっていうことですよ。自分の役割っていうことを考えて、すっと入って潰しに行くと。

【参加者】(52:42)

なんか出遅れるからこそ、打たれる時に足止められちゃう気がして。もっと近づいてたらいいのに。

【コーチ】(52:42)

そういうことです。動けなくなっちゃう。

前に詰めるリスクを恐れ、後方で「反応」しようとすると、かえって動きが止まってしまいます。パートナーの能力を信じ(身のほどを知り)、自分の役割(一番危険なコースを潰す)に徹して前に出る勇気が、結果的にチームの守りを固め、攻撃へと繋がるのです。

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嬉しい活動報告:少年団大会で関東へ!

理論と実践の先に何があるのか。この日、その素晴らしい答えを参加者のKTさんから直接聞くことができました。以前、練習に参加してくれた息子さんが、少年団の大会で見事5位に入賞し、関東大会への切符を手にしたとのこと。さらに別の大会では優勝も果たしたというのです。

KTさんは「教えていただいたことができてるか分からないですけど、私自身の見る目が変わるところがやっぱりある」と語ります。これは、選手本人だけでなく、サポートする側の視点が変わることの重要性を示しています。

【KTさん】 (1:12:29)

ご報告が遅くなったんですけど、あの練習にお邪魔した翌日の少年団の大会は、あの、5位になってあの関東大会に行けることになりました!

【コーチ】 (1:12:29)

おめでとうございます!

【KTさん】 (1:13:41)

(私自身も)見る目が変わるところがやっぱりあるので、「あ、これは習ったことをやろうとしてるのかな」みたいなのがすごいあるんですけど…本当にあの時ここに行っててよかったなと。

この嬉しい報告は、教室で学んだことが机上の空論ではなく、確実に結果に繋がることを証明してくれました。本当におめでとうございます!

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コーチング的5つの学び

今回のオンライン教室は、単なる技術指導に留まらず、勝つための哲学や戦略を深く考える機会となりました。得られた学びは数多くありますが、特に重要な5つのポイントをまとめました。

【コーチ】 (1:11:16)

こういうね、恐怖を感じながらやるっていうのもバドミントンって伸びるから。のびのびやってもうまくなんないんですよ、本当に。

厳しい指摘やコンフォートゾーンを超える要求の中にこそ、成長の種は眠っています。今回の学びを、ぜひあなた自身のプレーに活かしてください。

  1. 「身のほどを知る」は最強の戦略

    自分の限界を認めることは、敗北ではない。そこから、どうすれば勝てるのかという現実的な戦略構築が始まる。

  2. 勝利は「周りの可能性」にある

    自分一人で全てを解決しようとするな。パートナーやコーチの力を最大限に引き出す発想が、結果を大きく左右する。

  3. 「想定力」が技術を超える

    プレーは「反応」の連続ではない。相手の次の手を予測し、先回りして動く「想定力」こそ、上級者への必須スキル。

  4. リスクを負わないことが最大のリスク

    安全策ばかりでは主導権は握れない。一歩前に詰める、あえて厳しいコースを狙うといった計算されたリスクが、チャンスを創出する。

  5. 「諦め」からが本当のスタート

    自分に過度な期待をするのをやめ、「自分には能力がない」と認めた上で、それでも勝つ方法を探し始めた時に、本当の成長が始まる。

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アウトプット習慣チェックリスト

インプットした知識は、アウトプットして初めて自分のものになります。以下のチェックリストを使って、学んだことを行動に移せているか確認しましょう。一つでも多くチェックを入れられるよう、日々の練習で意識してみてください。

アウトプット習慣チェックリスト

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結びの言葉

「身のほどを知る」という一見厳しい言葉の裏には、自分を客観視し、仲間を信頼し、チームとして勝利を掴むための、深く、そして温かい戦略が隠されていました。自分の可能性を信じるロマンも素敵ですが、確かな勝利を手にするためのリアリズムもまた、スポーツの大きな魅力です。

【コーチ】 (1:12:16)

岡田さんを避けようとすると岡田さんに捕まるんです。そういうもんだからバドミントンって。

逃げずに向き合うこと、そして自分にできないことは周りを信じて託すこと。この両輪が、あなたを次のステージへと押し上げてくれるはずです。インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるはずです。

次回のオンライン教室も、皆さんのご参加をお待ちしています!

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