一生九敗の真実と5秒ルール:失敗を恐れず行動する人になる方法
DATE: 2025年7月5日
1. Opening: なぜ人は「一発屋」で終わってしまうのか?
この日のオンライン教室は、前回の振り返りから始まりました。無関心が生む「無用者階級」への懸念、そしてチーム内に吹く「冷たい風」。勇気あるフィードバックに対して誰も反応しないという状況は、心地よいどころか、成長を阻害する危険なサインです。
そして議論は、なぜ多くの人がたった一度の失敗で挑戦を諦めてしまうのか、という根源的な問いへと発展しました。「一発やってみたけどダメだった」。この思考停止こそが、上達を妨げる最大の壁なのかもしれません。
【中島コーチ】 (20:28)
クロススマッシュ1発打ってカウンター食らったらもうそのアドバイスやらないっていう人多いですよね。1発やって失敗したらそのアドバイスはもう正しくない、もうやらん。・・・こういう人めちゃめちゃ多くないですか?…やってみたけどダメだった。このパターンですよね。
【中島コーチ】 (21:58)
自己分析とか内省ってさ、カップラーメンじゃないんだからさ、お湯かけて3分で完成とかそういうもんじゃないのになんかすぐ効果出ないともうやらんていうね、頭悪い人世の中にいっぱいいますよね。
コーチの言葉は辛辣ですが、的を射ています。私たちは無意識のうちに、努力に対して即時的な成果を求めすぎていないでしょうか。この教室では、その「一発屋」思考から脱却し、継続的な成長サイクルに入るためのヒントを探っていきます。
今日のKey takeaway
挑戦は「試行」であり「実験」。一度の失敗は、単なるデータの一つに過ぎない。楽して結果を出したいという幻想を捨て、失敗を成功へのガソリンとして燃やし続ける者だけが、本当の成長を手にすることができる。
2. 挑戦の確率論: 「一生九敗」で世界は勝っていく
では、なぜ一度の失敗で諦めてはいけないのでしょうか。コーチはユニクロの柳井正氏の言葉を引用し、その核心を突きます。
【中島コーチ】 (24:02)
厳しい現実から目をそらさないでいきましょう。はい。ユニクロの、柳井さんね、著書で言ってましたけども、一生九敗、これが現実ですよ。一生九敗で有名な経営者になれるんですよね。それが現実じゃないですか?9回失敗するもんなんですよっていう。なのに1回失敗したらやめる。だから頭悪いんだよね。分かるよね。こういうの一生九敗で世の中って勝っていくものなんですよ。なのにいっぱい失敗したらやめる。だから勝てないんだ。その通りだと思いませんか?
さらに、この「何度も挑戦すること」の重要性は、確率論からも明らかです。
成功確率10%を95%に変える方法
コーチは驚くべき数字を提示しました。たとえ成功確率がたった10%のことであっても、それを30回繰り返せば、少なくとも1回成功する確率は95%を超えるというのです。1回や2回の失敗で「これは合わない」と判断することが、いかに大きな機会損失であるかが分かります。新しい戦術、新しいドロップショット、その挑戦、まだ数回しか試していないのではないでしょうか。
3. 指導者の怠慢: 「もっと頑張れ」が選手の才能を潰す
挑戦の重要性が語られる一方で、コーチは指導者のあり方にも鋭く切り込みました。「努力が足りない」「もっと頑張れ」という言葉は、一見すると選手を鼓舞しているようで、実は指導者の責任逃れでしかないと断じます。
【中島コーチ】 (27:33)
もっと頑張れって言葉は具体的で効果的な練習方法や戦略を提示する責任を指導者から奪ってしまう。責任逃れなんだよね。負けたのは努力しなかったからだ、てね。指導者が言い出したらもうそれで終わりじゃないですか。
【中島コーチ】 (28:42)
努力を美徳化しに一方的にそれを強いるのは指導者の思考停止であり怠慢でしょうと。真の指導とは選手の隣に立ち同じ目線で課題を見つめ、共に悩み共に解決策を探し共に成長を喜ぶ伴走者となるべきだと私たちは確信しています。
Phoenix-Aichiが目指すのは、努力を強いる監督者ではなく、上達の道を共に歩むパートナーです。対話を通じて課題を共有し、個別に最適化された練習を提案し、失敗すらも次への糧とする。これこそが、選手の才能を潰さず、可能性を最大限に引き出す指導の形だと語られました。
4. 人生を変える「5秒ルール」: やる気は待つな、強制的に動け
「挑戦が必要なのは分かった。でも、なかなか行動に移せない…」多くの人が抱えるこの悩みに対し、コーチは世界的講演家メル・ロビンズの「5秒ルール」という強力なツールを紹介しました。
その根本にあるのは衝撃的な事実です。「私たちはやる気になるのを待っている。しかし、その“やる気”は決してやってこない」。私たちの脳は変化を嫌い、慣れた行動を好むようにできています。だからこそ、物理的に自分を動かすための「強制力」が必要なのです。
【中島コーチ】 (32:19)
あなたは決してやる気になりません。絶対です。ダイエットを始めたい人が心から茹で鶏を食べたくなる日は来ません。寒い日、温かいベッドから出たいと思う日も来ません。…やりたくないことを自分にやらせる力こそが自分を変える唯一の方法なんです。
【中島コーチ】 (33:28)
大人になるってどういうことか分かりますか?18歳になった時誰も教えてくれませんでしたが、そこから先は自分で自分をしつけるのが仕事なんです。死んでもやりたくないことを自分にやらせる。それが仕事だということです。
その具体的な方法が「5秒ルール」。何かをすべきだと思いついたら、「5、4、3、2、1、GO!」と心の中でカウントダウンし、ゼロになった瞬間に身体を動かす。脳が言い訳を考え出す前に、行動を起こしてしまうのです。人生を変えるのはアイデアの質ではなく、行動するかしないか。このシンプルなルールが、現状を打破するロケットスタートの引き金となります。
参考動画:メル・ロビンズの講演を見る
この「5秒ルール」について、メル・ロビンズ本人が非常に分かりやすく解説している動画があります。日本語字幕でも視聴可能ですので、ぜひご覧ください。
(コーチが紹介していたYouTube動画を各自で検索して視聴してみてください。)
5. Video Analysis: チームを蝕む「謝らない病」の正体
教室の後半は、実際の練習動画の分析へ。ここで、コーチはチームワークを根底から破壊する「謝らない病」の危険性について、厳しい言葉で警鐘を鳴らしました。
コミュニケーション不足からミスが生まれた場面。しかし、どちらからも謝罪や声かけがない。コーチは、この沈黙の裏にある心理を「ワンチャン自分のせいじゃないっていう立場に持ってきたいからじゃないか」と分析します。
【中島コーチ】 (1:11:03)
ヨッシーが悪いんだっていう、ま、人間のクズみたいな考え方がどっかにあるんじゃないのかなっていう気がしてならないんですよね。皆さんどう思いますか?謝らないことで自分のせいじゃないように見せたいっていう・・・これもう人間のクズじゃないですか?そういうことをするのって。
【中島コーチ】 (1:12:14)
謝らないのは俺は人間のクズの行動っていう結構思ってますけどね。なんとかワンチャン自分のせいじゃないと見せようとする。…こういう風になっていくから今から芽を摘んでった方がいいと思うんですよ。こういうのは人間のクズの行動だっていうことを今から自覚させていかないと本当これが自然になってっちゃうから危ないんじゃないかなと思うんですよ。
「謝ったら負け」という文化は、健全なチームには不要です。ミスをした時に素直に「ごめん」と言えるか。それは単なるマナーではなく、責任感の表れであり、チームとして共に成長していくための最低条件です。コーチは、特にミスの多い選手ほど謝らない傾向にあることを指摘し、この問題の根深さを浮き彫りにしました。自分の発言や行動が相手に伝わっていなければ、それは「ない」のと同じ。この原則は、謝罪においても例外ではありません。
6. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回のオンライン教室も、バドミントンの技術論を超えた、人生のあらゆる場面で役立つ普遍的な学びが詰まっていました。特に重要な5つのポイントを振り返ります。
失敗は「終わり」ではなく「データ」
「一生九敗」が現実。一度の失敗で諦めるのは、膨大な成功の可能性を自ら捨てているのと同じ。挑戦を繰り返し、データを蓄積することが成功への唯一の道。
努力の強要は、指導者の「思考停止」
「頑張れ」の一言で片付けるのは責任逃れ。真の指導者は、選手と共に悩み、具体的な解決策を探す「伴走者」であるべきだ。
やる気は「待つ」な。「5秒」で動け
脳は変化を嫌うため、「やる気」は自然には生まれない。行動が感情を牽引する。「5、4、3、2、1、GO!」で自分を強制的に動かす習慣を身につけよう。
謝罪は「責任感」の証
「謝らない」ことは、自分の非を認めず、責任を他者に転嫁しようとする姿勢の表れ。素直な謝罪が、信頼関係とチームワークの土台を築く。
伝わらなければ「存在しない」のと同じ
挨拶も謝罪も、相手に聞こえ、伝わって初めて意味を持つ。小声で言ったつもりでも、相手に届かなければ、それは独り言であり、行動したことにはならない。
【参加者:森さん】(1:24:26)
明日多分もう体があかん…いやいやいやいや、
7. Action: 失敗を恐れず行動するためのチェックリスト
今日の学びを行動に変えてこそ、本当の成長が始まります。以下のチェックリストを使って、日々の意識と行動を変えていきましょう。一つでも多くチェックできる自分を目指してください。
行動変革チェックリスト
8. Closing: 今日の一歩が、未来の自分を創る
「一発屋」で終わるか、「一生九敗」を乗り越えて勝者となるか。その分かれ道は、才能や環境以上に、失敗に対する向き合い方と、すぐに行動を起こす習慣があるかどうかにかかっています。そして、その土台となるのが、お互いを尊重し、責任を認め合う誠実なコミュニケーションです。
今日の教室で得た学びは、コートの中だけでなく、あなたの人生のあらゆる局面を豊かにする力を持っています。やる気を待つのはもうやめましょう。「5、4、3、2、1…」のカウントダウンは、もう始まっています。今日踏み出すその小さな一歩が、未来のあなたを間違いなく変えていくはずです。
【中島コーチ】(1:24:50)
ということで終わっていきましょう。はい、ありがとうございました。…鈴木さんは爆睡してます。…明日もすごい早く来てもやれるからね。…はい。ではまた。
次回のオンライン教室も、皆さんの挑戦と成長の物語を聞けることを楽しみにしています。