2025年8月3日オンライン教室レポート:「捨てる勇気」が勝利を呼ぶ!アドラー心理学とカット技術で拓く新境地
DATE: 2025年8月3日
1. Opening: 「何も捨てられない人は何も変えられない」
この日のオンライン教室は、ある映画の衝撃的なセリフから始まりました。「何を捨てるかではない、すべてを捨てるんだ」。この言葉をきっかけに、コーチは「成長とは得るものではなく、捨てることである」という、核心的なテーマを投げかけます。
私たちは、新しいスキルや知識を得ることばかりに目を向けがちです。しかし、本当に変化を遂げるためには、古い考え方、無駄なプライド、そして時には「足の速さ」のような一見すると有利に思える要素への執着さえも手放す必要があるのかもしれません。この日の議論は、バドミントンのコートを越え、私たちの生き方そのものに問いを投げかけるものでした。
【中島コーチ】 (06:47)
何も捨てられない人は何も変えられないということで、ここ最近ずっと毎日言ってるような気をしますけども、昨日見た映画の中にね、何を捨てるか?じゃなくて全てを捨てるみたいなセリフがあった。結構衝撃でしたよね。
【中島コーチ】 (07:11)
成長とは得ることでなく捨てることですよね。と、それから、哲学の1つであるストイシズムの話をさせてもらいました。コントロールできることとコントロールできないこと区別しましょうと。
不利な状況でこそ、その人の真価が問われる。流れが悪い時にどう戦うか、誠実さを失わずにいられるか。技術論だけでなく、そうした人間的な強さこそが、信頼できるプレーヤーの条件だとコーチは語ります。
今日のKey takeaway
成長の本質は「捨てる」こと。 新しい技術を得る前に、古い固定観念や不要なプライドを手放す勇気を持つ。コントロールできない結果に一喜一憂せず、コントロールできる自分の行動と姿勢に集中することが、真の成長への第一歩となる。
2. Psychology: アドラー心理学に学ぶ「幸せになる勇気」と貢献感
議論はさらに深まり、アドラー心理学の「幸せになる勇気」へと展開しました。人間の悩みのすべては対人関係に起因すると言われますが、では、どうすれば人は幸せになれるのでしょうか?
コーチが紹介したのは「貢献感」というキーワード。自分が誰かの役に立っているという感覚こそが、幸福の源泉だというのです。しかし、それは他者からの承認を求めることとは根本的に異なります。
【中島コーチ】 (32:37)
アドラ心理学が示す、幸せの第一歩は驚くほどシンプルです。自分は誰かの役に立っているという感覚。貢献感って言葉を使ってますけども、この感覚が自分に価値がある思わせてくれる源泉です。
【中島コーチ】 (34:18)
他人の期待に答えるためではなくて、自分の幸せを優先しましょう。この順番が幸福への道を大きく左右します。承認欲求の罠から抜け出しましょう。
他人に褒められたい、認められたいという「承認欲求」は、他人の人生を生きることに繋がりかねない危険な道。そうではなく、自ら与え、貢献していると「自分が思える」こと。たとえ無視されようとも、価値あると思うことをやり続ける姿勢が、自分自身の幸福に繋がるのです。
豊かな対人関係を築くためのヒント
- 待つのではなく、自ら与える:愛されるのを待つのではなく、まずはこちらから相手を信用し、手を差し伸べる。
- ありのままを受け入れる:相手を良い悪いと判断せず、そのままを認める。
- 対等な関係を築く:上下関係ではなく、一人の人間として対等に接し、話に耳を傾ける。
3. Deep Dive: 世界トップ選手の心理戦—ジェンスウェイの巧妙な「演技」
理論的な話だけでなく、実際のトップ選手のプレー分析も行われました。特に注目を集めたのは、驚異的なカウンターショットを決めた後の「ウィニングラン」が引き起こす落とし穴と、それを利用した心理戦です。
ウィニングランの罠
会心の一撃の後に感情が高ぶり、走り回ってしまう「ウィニングラン」。これは一見、勢いに乗る行動に見えますが、コーチは「大体次のラリーでやらかす」と指摘。興奮状態が冷静な判断を鈍らせ、信じられないような凡ミスを誘発するのです。
そして、その心理を逆手に取ったのが、世界王者ジェンスウェイ選手の巧妙な「演技」でした。
【中島コーチ】 (26:30)
ウィニングラン・・・自分で思ってもないような最高のショットを放ちでウィニングラン。ここで実はもう1個ポイントがあって、ジェンスウェイが演技してるんすよ。
【中島コーチ】 (27:56)
こういう風にね、相手が愕然としてることで余計に満足感が高まる...さらに満足度を高め、ウキウキするわけですよね...そうするとストーンと落ちるわけですよね。ビットコインが最高値から暴落するわけです。
相手がウィニングランで有頂天になっている最中、ジェンスウェイ選手はわざと悔しがるようにラケットを床に投げつけます。しかし、それはラケットが壊れないように計算された「演技」。この演技によって相手の満足感をさらに煽り、舞い上がらせることで、次のプレーでのミスを誘発したのです。これは、技術だけではない、トップレベルのしたたかな戦術眼と言えるでしょう。
4. Practice Drill: カット技術の深層—なぜリバースカットは相手を惑わすのか?
教室の後半は、アキコとのマンツーマン練習の動画分析を通して、より具体的な技術論へと移りました。テーマは、ストレートカットとリバースカットの精度向上です。
特に興味深かったのは、リバースカットの本当の目的についての解説でした。多くの人が「わかりにくくするため」と考えがちですが、コーチはその奥にある狙いを明かします。
【中島コーチ】 (56:00)
リバースの意味ってさ、皆さん何だと思いますか?...相手のロビングをばらつかせるっていうのが1番のあの狙いだと思うんですよ。
【中島コーチ】 (57:59)
リバースカットを打つとえっと空中で回転が逆転するんです...で、その逆転がどこで発生するかわかんないんですよ。
回転がロビングを不安定にさせる
リバースカットを打たれたシャトルは、通常とは逆の回転(逆回転)をします。この逆回転は空気抵抗を減らし、シャトルを飛びやすくさせます。しかし、カットのかかり具合によって、飛行中に回転が止まったり、通常の回転(巡回転)に戻ったりと、挙動が予測不能になるのです。
これにより、相手がロビングで返そうとした際に、シャトルの飛び方が安定せず、バックアウトしたり、浅くなったりするミスを誘発できるのです。これは、ただタイミングをずらすだけでなく、相手の返球そのものの質を低下させる、非常に高度な戦術と言えます。
5. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回の教室も、コートの内外で活かせる深い学びに満ちていました。特に心に刻むべき5つのポイントを振り返ります。
成長とは「捨てる」勇気から始まる
新しいものを得る前に、古い固定観念や成功体験、不要なプライドを捨てる。身軽になることで初めて、新しい変化を受け入れるスペースが生まれる。
幸福は「貢献感」から生まれる
他人の評価を求めるのではなく、「自分は誰かの役に立っている」と自分が思えることが重要。見返りを求めず与え続ける姿勢が、結果的に自分を幸せにする。
不利な時こそ、人間の真価が問われる
試合の流れが悪い時、逆境に立たされた時にこそ、誠実さを失わず戦い続けられるか。その姿勢が人間的な信頼を築き、本当の強さに繋がる。
「演技」もまた、高度な戦術である
トップレベルの戦いでは、相手の心理を揺さぶることも重要なスキル。ジェンスウェイのように、相手の感情をコントロールし、ミスを誘うしたたかさも学ぶべき点だ。
ミスを放置しない文化を作る
ミスは悪ではないが、それを放置するのは悪。ミスを笑ってごまかすのではなく、「どうすれば改善できるか」を真剣に議論する文化が、チーム全体のレベルを引き上げる。
【中島コーチ】 (01:21:12)
ミスはミスとしてね。ごの話もそうだけど、ミスはミスとしてミスを糾弾するんじゃなくてミスをどう改善していくかっていう議論していきましょうよことですよね。ミスをミスじゃないって、ぼやかすのは違うんじゃないかってことです。「ありのままでいいんだよ」じゃないんだよ。ミスを放置していいわけない。
6. Action: 「捨てる勇気」を育む実践チェックリスト
今日の学びを具体的な行動に変えていきましょう。「捨てる」こと、そして「貢献する」ことを意識するためのアクションリストです。一つでもいいので、明日の練習や生活で試してみてください。
アウトプット習慣チェックリスト
7. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ
「捨てる勇気」と「貢献感」。今回のオンライン教室で提示された2つのキーワードは、私たちのバドミントン、そして人生をより豊かにするための羅針盤となるはずです。
ミスを恐れず、他人の評価に惑わされず、自分が信じる価値ある行動を積み重ねていくこと。その地道なプロセスこそが、揺るぎない自信と本物の幸福感をもたらしてくれます。今日の学びを頭の中だけで終わらせず、ぜひコートの上で、そして日常の中で実践してみてください。その小さな一歩が、あなたを新しいステージへと導いてくれるでしょう。
【アキコ】(01:25:32)
ありがとうございました。
【中島コーチ】(01:26:15)
やりすぎても・・・やっぱり1時間ぐらいにシュッとしたいね。前半結構飛ばしたんですけど。やっぱり動画をじっくり見ちゃうね。はい、終わりましょう。はい。ありがとうございます。
次回のオンライン教室も、皆さんの成長に繋がる深い議論ができることを楽しみにしています!