Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年10月9日オンライン教室レポート:シャトルの挙動を見抜け!一流のレシーブ技術と「頑固勢」を脱する思考法

DATE: 2025年10月9日

霧深い森の中に差し込む光―技術の本質と深い洞察を象徴する大自然の風景

1. Opening: 「バドミントンカースト」を超え、一点の重みを知る

この日の教室は、前回の振り返りからスタート。ナイスショットの後に潜む連続失点の罠、そして試合のネット際で問われる「トロッコ問題」—勝利のために相手を危険に晒すのか、それとも仲間の安全を選ぶのか。一点の重みを知るからこそ、その選択は選手の人間性を映し出します。

さらに、多くのチームに存在する「バドミントンカースト」に話は及びました。「俺の方が上だ」と誇示するためのプレーは、ラリーの質を低下させ、チーム全体の成長を阻害します。真に上達を目指すチームは、序列争いではなく「ラリーを続ける」という共通目的を持つのです。

【コーチ】 (08:16)

目的の欠如。ラリーの質を高めることではなく、目の前の相手に勝つことになってしまった。一方で本当に上達を目指すチームにはこういうカースト制度ではないんですよね。…まあ、ミスを恐れず新しいショットに挑戦し、仲間のミスを許容する文化がある。

【コーチ】 (00:08:16)

脱バドミントンカーストの第一歩は、目的を宣言すること。例えば練習の前に「今日は何回ラリー続けよう」と。「1000回続けよう」とやってましたよね。

今日のKey takeaway

強さの証明は、序列にあらず。 目の前の相手に勝つことよりも、仲間と協力して質の高いラリーを続けること。その共通目的こそが、個人とチームを同時に成長させる唯一の道だ。

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2. Deep Dive: トップ選手のレシーブは、なぜ失速しないのか?

この日のハイライトは、トップ選手のレシーブ動画をコマ送りで分析する技術解説でした。テーマは「失速しないレシーブ」。なぜある選手のショットはネット際で失速し、ある選手のショットは安定して相手コートに届くのか?その秘密は、インパクト後のシャトルの「コルクの向き」にありました。

良いレシーブ vs 悪いレシーブの分岐点

  • 良い例(奈良岡選手など): インパクト直後、シャトルのコルクがすぐに進行方向を向き、ブレずに飛んでいく。外へ向かうシャトルに対しラケット面をわずかに内側に入れることで、シャトルの滑りを抑え、安定した軌道を生み出している。
  • 悪い例(失速する球): インパクト後もコルクが横を向いたままで、左右にブレる複雑な動きをする。これにより空気抵抗が大きくなり、シャトルは失速。ネットを越えるかどうかの不安定なショットになってしまう。

【コーチ】 (15:49)

コルクに当たって当然1回横になります。で、すぐに前向いてますよね。…狙ってる方向にコルクが向いて打ってます。これで安定するんだよね。…これをまず良い例として。

【コーチ】 (22:00)

ラケット面で横方向に滑るからね、コルクが横向いたりすると。滑らせない。来た方向に直角に向けてると。これを意識して。これが「切れてない」状態。…(シャトルが)右行ったり左行ったりするのが「切れてる」。

コーチは「ギリギリに落ちて喜んでいる中級者は多いが、それは失速した結果であり、ミスと紙一重」と指摘。シャトルの挙動という微細な違いを観察し、理解することが、質の高いショットを身につけるための第一歩なのです。

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3. Mystery: なぜ人は変われない? 成長を阻む「頑固勢」の正体

技術論から一転、話題は「人の成長」という深遠なテーマへ。コーチは「伸びる選手かどうかって、次に会う時に分かる」と語ります。1週間でガラッと変わってくる選手がいる一方で、全く変化のない選手もいる。その差はどこにあるのでしょうか。

コーチは、変われない人の特徴として「頑固さ」を挙げ、それを「頑固勢」と表現。アドバイスを受け入れず、自分のやり方に固執する。そうした姿勢は、まるで成長の機会に自ら税金を課しているようなものだというのです。

【コーチ】 (34:00)

1週間後も変わってないなって。…(そういう人は)全然もう1週間後に全くうまくなってなかったんだよ。「うまくなんないっすわ」って言って。そういう人はね、うまくなんないんですよ。

【コーチ】 (35:28)

頑固な人って、どうしてもいるじゃないですか。…ぶん殴ってなんかもう強制的にもうやらせるとか、もう恐怖で従わせるしか変わらないんじゃないか。…塩澤さんとかぶん殴ってましたよ。そしたらね、うまくなった。本当にね、頑固な人って、ぶん殴らないとやらない。

コーチは過激な表現を用いながらも、「恐怖で従わせる」以外の方法で頑固な人を変えることの難しさを問いかけます。これは、指導者が直面する根源的な課題であり、同時に私たち自身が「頑固勢」になっていないか、自らを省みるきっかけとなる厳しい問いかけでした。

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4. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回も技術の深掘りから人間性の考察まで、多岐にわたる学びがありました。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。

1

シャトルの挙動が技術を語る

一流の技術は、インパクト後のシャトルの安定性に現れる。コルクの向きという微細な現象に注目し、ミスの本質を見抜く観察眼を養おう。

2

過去の「自信」を捨て、未来への「自己信頼」を育てよ

過去の成功体験に基づく「自信」は、時に変化を拒む足かせとなる。捨てるべきは、未来の自分は成長できるという「自己信頼」ではなく、硬直した過去のプライドだ。

3

バドミントンカーストからの脱却

練習の目的は序列争いではない。ラリーの質を高めるという共通目的を持つことが、チームを健全に成長させる。

4

「頑固」は成長の最大の障害

変化を恐れ、アドバイスを受け入れない姿勢は、上達の機会を自ら手放しているのと同じ。素直に試し、変化を受け入れる勇気が成長を加速させる。

5

思考の前提を疑う勇気

「感謝するから運が良くなる」のか、「運が良いから感謝できる」のか?物事の因果関係を問い直す批判的思考が、本質を見抜く力を養う。

【コーチ】 (11:51)

本当に育てるべきは自己信頼なんですよね。…これはもう未来への信頼だと思うんです。「自分は成長できる」っていうね、可能性を信じている。…捨てるのはやっぱり過去の自分に対する自信と、過去の成功体験は正しいという硬直した思考。

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5. Action: 「頑固勢」を脱却するための実践チェックリスト

今日の学びを行動に移し、成長を加速させましょう。自分は「頑固税」を払っていないか?以下のリストで日々の練習を振り返ってみてください。

アウトプット習慣チェックリスト

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6. Closing: 今日の気づきを、明日の一球へ

一流のレシーブ技術に隠された物理法則から、成長を妨げる心理的な壁まで。今回の教室は、バドミントンの上達には、ミクロな視点とマクロな視点の両方が不可欠であることを教えてくれました。シャトルの挙動を観察する「目」と、自分自身の「頑固さ」を客観視する「心」。この二つを磨くことが、次のレベルへの扉を開く鍵となるでしょう。

インプットだけで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな変化が、コートの上で大きな違いを生み出すはずです。次回のオンライン教室で、さらに成長した皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

【コーチ】 (00:38:24)

こんなもんですかね。寝ましょう。若干体調がまた悪くなってきました。…でもなんかピークを過ぎたような気がします。

【参加者】 (00:41:40)

ありがとうございました。お大事にしてください。

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