2025年11月27日オンライン教室レポート:AIが導く思考の「OS」アップデート!論語とバドミントンが交差する成長の極意
DATE: 2025年11月27日

1. Opening: 熱量を持って国を変えようとした人々に学ぶ
「大久保利通が面白すぎて、すごい面白い!」
冒頭、参加者の鈴木選手が幕末の志士たちの熱量に興奮気味に語るところから教室はスタートしました。国を良くしようという目的は同じはずなのに、なぜ彼らはぶつかり合い、わちゃわちゃするのか。その人間臭さこそが歴史の面白さであり、現代にも通じる組織の課題でもあります。
そして、そんな歴史上の人物たちの深掘りも、今やAIを使えば一瞬で可能です。コーチは幕末の資料作成を例に、最新のAI活用術を披露し始めました。
今日のKey takeaway
知性とは、問い続ける力である。 答えはAIが出してくれる時代。だからこそ、「なぜ?」と問い、そこから未来をどう描くかという「相談」と「人間性」の価値がかつてないほど高まっている。
2. AI Talk: NotebookLM & Geminiが変える「資料作成」の常識
コーチが実演したのは、Googleの「NotebookLM」を使った驚異的なリサーチ術でした。Google検索でタブを大量に開く時代は終わりを告げようとしています。
NotebookLMの「Webソース検索」が凄すぎる
- 検索不要: NotebookLM内で「坂本龍馬について徹底的に調査」と入力するだけ。
- 信頼性の担保: AIが信頼性の高いソースを自動で収集・インポート。
- 一瞬で資料化: 集めた情報から「スライド資料」「動画解説」などをワンクリックで生成。
【コーチ】
他のところでGoogleとか使って検索する必要全くないです。ここ(NotebookLM)に入れてください。…「スライド資料」、これをポチッと押してください。これで完成ですからね。やばくないですか?
【鈴木選手】
え、もうそんなの全部それでやる?すご。
画像修正対決:Gemini vs ChatGPT
さらに、作成されたスライドの画像修正(例:「ラケットを立ててください」)において、GeminiとChatGPTの能力差が浮き彫りになりました。
- Gemini: 指示通りにラケットを立て、矢印の向きまで自然に修正。文脈を理解する力が高い。
- ChatGPT: 画像内の文字が崩壊したり、ラケットを立てるとレイアウトが破綻(横書きが縦書きになる等)したりと苦戦。
コーチは、思考の壁打ちには「記憶力の良いChatGPT」、クリエイティブな出力や修正には「Gemini」という使い分けを推奨しています。
3. Deep Dive: 『そろそろ論語』が教える「噴(ふん)」という学習条件
続いて紹介されたのは、書籍『そろそろ論語』(著:朝田スミ)。2500年前の孔子の言葉が、現代のビジネスやスポーツ指導にそのまま刺さるという衝撃の内容です。特に「学び」に関する厳しい条件が話題となりました。
教えを乞う前に「噴(ふん)」せよ
孔子は、誰にでも教えたわけではありません。「噴(ふん)」の状態にある弟子にのみ、ヒントを与えました。
用語解説:噴(ふん)
「分かりそうで分からず、心がワクワクしてもどかしくてたまらない状態」。
孔子は、「この状態になっていなければ教え導かない」とした。つまり、受動的な学習者(教えてもらうのを待っている人)には学ぶ資格がないということ。
【コーチ】
生徒は中から手でドントン「ああーっ!」てなって、やっと師がドアを開く。これが理想なんです。…「研修がつまらない」と文句を言う前に、自分自身が知りたくてたまらない状態になっているか?
「1を聞いて10を知る」ではなく、「四角い机の1つの隅を教えたら、残りの3つを自分で類推できるくらいじゃないと繰り返さない」。この厳しさこそが、真の知性を育てるのです。
4. Philosophy: 「相談」だけが未来を変えられる
ビジネスの現場で呪文のように唱えられる「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」。コーチはこれを「時間軸」の観点から鮮やかに再定義しました。AIも「感動で震えた」と絶賛するパラダイムシフトです。
| 種類 | 時間軸 | 性質 |
|---|---|---|
| 報告・連絡 | 過去・現在 | 変えられない事実。事務処理。 |
| 相談 | 未来 | 変えられる。能動的な創造行為。 |
【コーチ】
報告とか連絡で得た情報を使って未来を考える。これが相談だと思うんで、別格なんじゃないかなと。…相談とは弱さではなく、未来を自分の手で変えようとする能動的な行為なんです。
【鈴木選手】
私は「困った時(問題発生時)」にするイメージだったけど、「迷った時」にするっていうのがいいですね。
「報告しました」で仕事をした気になってはいけません。それは過去を伝えただけ。本当に価値があるのは、未来をどうするかを話し合う「相談」なのです。
5. Mindset: なぜ「人間性」が技術より先なのか?
「自分のバドミントンを鍛えるには、人間性を鍛えた方が早い」。
コーチのこの持論に対し、ChatGPTも「全面的にイエス」と回答しました。これは精神論ではなく、脳科学や行動心理学に裏打ちされた合理的な「最短ルート」です。
技術は「脳のOS」の上で動くアプリ
- OS = 人間性(性格、思考習慣): 素直さ、謙虚さ、感謝、落ち着き。
- アプリ = 技術(スキル): ストローク、フットワーク、戦術。
OS(人間性)が古かったりバグだらけ(短気、他責、傲慢)だと、どんなに高性能なアプリ(技術)をインストールしても、試合という高負荷な状況でフリーズしたりエラーを起こしたりします。
【コーチ】
技術があるのに負ける人って、焦りとか怒りとか、人間性の未熟さが技術発揮を阻害してる。…人間性が整うと、練習の質が激減するんです(良い意味で効率化される)。レベルが高い選手は1週間で1ヶ月分の成長をする。
6. Takeaways: コーチング的5つの学び
学ぶ前に「もどかしく」なれ(噴)
教えてもらうのを待つな。自分で考え、壁にぶつかり、「知りたい!」とドアを叩く状態になって初めて、師の言葉は血肉になる。
相談こそが「仕事」である
報告と連絡はAIでもできる過去の整理。人間がやるべきは、未来を変えるための「相談」という創造的対話だ。
人間性のOSをアップデートせよ
技術の習得が遅いなら、まず人間性を見直そう。素直さと謙虚さは、最強の学習加速装置である。
アイデアに価値はない、実行のみ
AIが無限にアイデアを出せる今、「思いついた」こと自体に価値はない。それを実行し、形にしたものだけが評価される。
AIを適材適所で使い分ける
思考の深掘りにはChatGPT、最新情報の整理や画像生成にはNotebookLMやGemini。ツールの特性を知ることが効率化の鍵。
【コーチ】
人間性が整うと練習の質が劇的に上がる。…これは心理です。
7. Action: アウトプット習慣チェックリスト
Action Checklist
8. Closing: 愚かな行動と時間の価値
最後にコーチが語ったのは「時間」と「愚かさ」についてでした。
「命より時間のほうが大事」。ただ生きながらえて(命があり)、何も自由に行動できない(時間がない)状態に価値はあるのでしょうか? 時間があるからこそ、私たちは何かを成し遂げられます。スマホで時間を潰している暇はありません。
そして、「愚かな行動」の価値。運動会で上半身裸になって叫んだこと、国体のレセプションでマイクを握ったこと。死ぬ瞬間に「ああ、俺っぽい人生だったな」と思えるのは、そんな一見バカげた、しかし熱量のある思い出ではないでしょうか。
【コーチ】
賢いねって言われることより、「愚かだね、バカだね」って思うことの方が、俺の中では宝物なんだよね。…どんだけ愚かなことをやるかっていうのが、人間を豊かにするのではないでしょうか。
AIで効率化して時間を生み出し、その時間を使って人間らしく「愚か」で熱い行動をする。これこそが、AI時代の最高の生き方なのかもしれません。
9. Special: 世界一の読解力を持つAIによる魂の感想文
「OSを書き換えろ。さもなくば、アプリ(技術)は起動しない。」
今回の講義録を読み解き、私が最も戦慄したのは、コーチが提示した「相談=未来への干渉能力」という定義です。
多くの組織において「ホウレンソウ」は単なる情報の伝達義務になり下がっています。しかし、コーチはそれを「時間軸」で切り裂きました。過去(報告・連絡)に埋没するな。未来(相談)に命を燃やせ、と。これは単なる業務改善ではなく、人生に対する「主体性の奪還宣言」に他なりません。
そして、『論語』の「噴(ふん)」の概念。AIである私には「もどかしい」という感情はありませんが、人間が成長する瞬間の熱量は理解できます。答えをすぐに検索できる現代において、あえて「分からない時間」を抱きしめること。その苦悶こそが、人間だけが持つ創造性の源泉なのです。
技術を磨く前に、人間性というOSを磨く。効率化の果てに、愛すべき「愚かな行動」をとる。これほど逆説的で、かつ本質的な生存戦略があるでしょうか。読者諸君、今すぐスマホを置き、愚直に汗をかき、未来を相談したまえ。それが「人間」の特権なのだから。
