Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年10月25日オンライン教室レポート:『コート上で考えるな』の真意。常識を捨て「変人」となり、達人の領域へ。

DATE: 2025年10月25日

そびえ立つ山脈の上に広がる満天の星空―常識の枠を超えた成長と原則の探求を象徴する風景

1. Opening: 常識人は伸びない。成長したければ「変人」たれ

今回の教室は、10月23日の振り返りから始まりました。テーマは「常識人はなぜ伸びないのか?」。多くの人が常識の枠の中で成長しようとしますが、特にバドミントンを始めるのが遅かった選手たちは、その「常識的な伸び方」ではトップに追いつけない、とコーチは指摘します。

飛躍的な成長を遂げるには、常識から外れた「変人」になる必要があるのです。コーチ自身が、高専大会に初出場した際、大会本部の前を通りかかるたびに「中島です。中島です」と自分の名前を連呼したというエピソードが語られました。

【中島ノブヨリ】 (00:04:26)

みんな出遅れてるじゃん。バドミント界の中で、始めるのが遅いせいでやっぱり出遅れてるわけじゃないですか。そこから常識人の伸び方をしてたらね、追いつけないわけですよ。…どんどんどん変人の枠に入っていきましょうよ。

【中島ノブヨリ】 (00:06:15)

誰も知らない中ででも中島です。中島ですなんていう連呼すれば、あの人何ってなるじゃないですか。なんだこいつって言って名前を覚えてもらえるということですよね。…変人になることは自分の意思でできますからね。はい。勝つってのは自分の意思でできないじゃないですか。…だけど変人になるのは能動的ですよね。

「勝つ」ことは相手もいる受動的な結果ですが、「変人になる」ことは自分の意思で今すぐ実行できる能動的な行動です。このマインドセットの転換こそが、成長の角度を変える第一歩となります。

今日のKey takeaway

「勝つ」ことは受動的、「変人になる」ことは能動的。 自分でコントロールできない勝利を待つのではなく、自分でコントロールできる「行動(=変人になる)」を選択しよう。その能動性が、常識の枠を超えた成長を引き起こす。

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2. Deep Dive 1: あなたは賢者か愚者か?「原則」を探す人、「例外」にすがる人

成長する人と伸び悩む人の違いは、「原則」と「例外」のどちらに注目するかに現れます。

【中島ノブヨリ】 (00:06:15)

賢者は原則を探すと思うんですよね。バラバラに見える物事から共通のルール、原則を見つけ出して次の行動に、結びつけます。例えばナイスショットの後はサービスをミスりやすいよねっていうような原則を見つける。これが賢者なんじゃないかなと思います。

【中島ノブヨリ】 (00:07:42)

一方でいやいや必ずしもミスルするわけじゃないよねと、例外を探しに行ってしまい、いつまでだっても原則が見つからないのが愚者…例外を見つけることが賢いと思ってるんですよね。

愚者は「必ずしもそうとは限らない」と例外を探し、賢くなった気になります。しかし、賢者はバラバラの事象から共通の「原則」を見つけ出し、次の行動に活かそうとします。

原則を見つけるための3つのステップ

  1. 記録と観察: どこで成功し、どこで失敗したのかを客観的に記録する。
  2. パターン分析: 「この準備をした時はうまくいく」「この場面では焦る」といった、複数の出来事に共通する法則(原則の種)を見つける。
  3. 仮説と実行: 「次はこうしてみよう」と仮説を立てて実行し、再び振り返る。

このサイクルを回すことで、再現性のある強さが手に入ります。

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3. Deep Dive 2: 「何を得るか」は受動的。「何を与えるか」という能動性が成長を呼ぶ

「今日の練習で何を得ようか」と考える人は、一見すると意欲的に見えます。しかしコーチは、この「得る」というマインドこそが受動的(受け身)であると指摘します。

【中島ノブヨリ】 (00:09:01)

得られるかどうかって運とか能力によってしまうので、自分でコントロールできるもんじゃないですよね。…だけど何を与えていくかは、自分でコントロールできることなので…濃動的なマインドセットの重要性を解いているっていうことだと思います。

【中島ノブヨリ】 (00:10:26)

参加者の参加者の構成とかレベルに合わせて練習メニューを組むっていうのは、頭を使う作業だと思います。その背景を想像せずに自分のせ、都合だけで練習しますとかね、明日練習させてくださいね。こういう人っていうのは、ま、テイカーのマインドですよね。

「得られるかどうか」は運や相手次第であり、自分でコントロールできません。一方で、「何を与えるか」は自分の意思でコントロールできる能動的な行動です。

練習メニューを組むコーチの苦労を想像せず、「明日練習させてください」と自分の都合だけで連絡する。こうした「お客様感覚(テイカー)」のマインドでは、真の成長は望めません。自分がコミュニティに何を与えられるかを考える能動性(ギバーのマインド)こそが、結果として自分自身を成長させるのです。

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4. Mystery: 『コート上で考えるな』の真意と、ブルース・リーの誤解

今回の格言は「コート上で考えるな」。これは多くの指導者が「もっと考えろ!」と叱咤するのとは真逆のアプローチです。

なぜ、考えてはいけないのか?コーチは、バドミントンの0.何秒という時間では、脳が分析し対策を立てる「思考」は不可能だと断言します。その時間でできるのは、思いつきか反射だけです。

【中島ノブヨリ】 (00:13:16)

考えろ。無理でしょっていう。俺には無理なんですよ。1秒とかで考えるっていうのは無理だと思うんですよね。時間が少なすぎるから。…コート上で考えたところで結局悪手を選びがちなんです。

【中島ノブヨリ】 (00:14:52)

コート外で考えとくことが大事だと思うんですよ。練習後とか自宅でリラックスした時間とか大量に時間ありますよね。…本番の数秒で行うのは思考じゃなく、コート外での膨大な時間をかけて考えてシミュレーションし体に染み込ませていく。…それを本番で引き出していくってことです。

重要なのは、コートの外で膨大な時間をかけて考え、シミュレーションし、練習で体に染み込ませる「準備」です。本番(コート上)で行うのは「思考」ではなく、準備してきたパターンの「判断の引き出し」に過ぎません。「下手の考え休むに似たり」という言葉通り、準備なき思考は失敗を招くだけです。

この話は、ブルース・リーやトップガンの「考えるな、感じろ (Don’t think, feel)」にも通じます。しかしコーチは、これを「普段から考えるな」と誤解する「頭の悪い勢」に警鐘を鳴らします。あくまで「本番で」考えるな、という意味であり、本番で感じるために、コート外で誰よりも深く思考する準備が必要なのです。

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5. Deep Dive 3: 達人の領域:「敵の最強」を糧にし、その上を行け

対人競技では「相手のパフォーマンスをいかに下げるか」が基本戦略とされがちです。しかしコーチは、それはあくまで「入り口」に過ぎないと言います。

楽勝で勝っても、その試合から学ぶことはありません。達人の領域は、その先にあります。

【中島ノブヨリ】 (00:20:42)

私が思うにはこういうのはただの対人競技の入り口なんじゃないかなと思うんだよね。…達人はその試合から何を学ぶかだから…達人はどうするかって言うと、相手のレベルが例え低かったとしても相手がこうなるようにするでこれを乗り越えてくっていうね。

【中島ノブヨリ】 (00:22:08)

例えば岡田さんとかはね、相手を煽ったりすると思うんですけど、そうすることによって相手のパフォーマンスももちろん上がってきます。…それを乗り越えるからね、自分がまた強くなるんだよね。…相手を強くして自分はさらにその上へ。こういうことですよ。

達人は、たとえ相手のレベルが低くても、あえて相手を煽るなどして「相手の最強」を引き出します。そして、その高められたハードルを乗り越えることで、自分自身をさらに強くするのです。相手のパフォーマンスを下げるのではなく、相手の最高の輝きすら利用し、その上を行く。それが達人のマインドセットです。

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6. Video Analysis: 失速する「くるリンパ」と、間に合わせる「左足」のフットワーク

この日は宮崎選手と半ゆ選手の動画を分析。特に注目されたのは、シャトルの「切れ」と「滑り」です。ハン選手のショットはコルクがブレずに飛んでいくのに対し、宮崎選手の特定のショットでは、シャトルが「くるリンパ」状態(横を向いて飛ぶ)になり、空気抵抗で失速しネットにかかる場面が確認されました。

【中島ノブヨリ】 (00:25:36)

シャトロの飛ぶ方向剥きましたって言った後にこっちに行くんですよ。やばくない ? で、こうなるんですよ。ほぼほぼ横向いたもの飛んでるんですよ。これ当然失速するじゃん。こんな空気抵抗多いよねってなってでネットにかかるんですよ。…これがいいわけがないじゃんって俺は思うぞ。

【中島ノブヨリ】 (00:40:53)

これって右足を出してたら間に合わないですよ。…ここで大体の人ってあ、右足をだ、ここで左足ちょっとついて…左足で打ってしまってでその後で右足を着する。この打ち方じゃないとこれ多分打てないですよね。…これ一気にこう左足でついていって…間に合っちゃうんだよね。1歩減らすっていう。

間に合わせる「左足」の技術

練習動画の分析では、フットワークの重要な改善点が指摘されました。特に、遠い球に「あ、間に合わない」と出遅れた時の対応です。

  • ダメな例: 間に合わないのに、無理に右足を出そうとする(右左右のステップに固執する)。
  • 良い例(テルさん): 出遅れたと判断した瞬間、右足を諦め、最後の一歩を「左足」で大きく踏み込んで打つ。これにより1歩減らすことができ、間に合ってしまう。

この「左足で合わせにいく」技術は、多くの選手ができていない重要なポイントだと強調されました。また、ダブルスではパートナーとの意思疎通不足による出遅れや、前衛に残りすぎる癖なども指摘され、連携の改善が課題として挙げられました。

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7. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回の教室も、コート内の技術論を超えた、成長のための本質的な学びが満載でした。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。(※00:11:49 の学びを今回用に再構成)

1

常識を捨て「変人」であれ

常識的な伸び方では、出遅れは取り戻せない。「勝つ(受動)」を待つのではなく、「変人になる(能動)」ことを選択し、周囲の予想を超える成長を掴め。

2

賢者は原則を、愚者は例外を探す

「必ずしもそうとは限らない」と例外を探して賢ぶるのは愚者。ナイスショットの後はミスしやすい」といった「原則」を見つけ出し、行動に活かすのが賢者だ。

3

「与えるマインド」が最強の成長エンジン

「何を得るか(受動)」を考えるテイカーは伸びない。「何を与えられるか(能動)」を考えるギバーのマインドこそが、自分をコントロールし成長させる。

4

コート外で考え抜き、コート上では「引き出す」

「コート上で考えるな」。本番の0.何秒でできるのは「思考」ではなく「判断の早期」。コート外での膨大な準備(思考)こそが、本番のパフォーマンスを決める。

5

達人は「敵の最強」を糧にする

相手を弱らせて勝つのは「入り口」。相手の最強のパフォーマンスを引き出し、あえて高いハードルを設定し、それを乗り越えることで達人は強くなる。

【中島ノブヨリ】 (00:12:44)

計画性が成長を計画的にするとすごくない ? 当たり前ですけどね。…鈴木選手のようにね、何ヶ月先までも予約を入れるとそういう人なかなかいないですよね。大体みんななんか1週間ぐらいなんかもう今週練習しようかなね。気分で練習する。計画的に練習できる人っていうのはやっぱ少ないのかなって気がします。

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8. Action: 「変人」への第一歩。アウトプット習慣チェックリスト

学びは行動に移してこそ意味があります。「コート外で考える」ことを実践し、次の練習で「引き出す」ための具体的なアクションリストです。

コート外の「準備」チェックリスト

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9. Closing: 「熊」のアドバイスと、コート外の思考

「常識人」から「変人」へ。 「例外」探しから「原則」の探求へ。 「得る」マインドから「与える」マインドへ。 そして、「コート上での思考」から「コート外での膨大な準備」へ。

今回の教室は、私たちの成長に対する根本的なマインドセットを問い直す、非常に濃密な時間となりました。特に「コート上で考えるな」という格言は、日々の練習(準備)の質こそが全てであると、改めて気づかせてくれます。

【中島ノブヨリ】 (00:49:06)

前田さんすごいんですよ。ドロップを打つ時にこう熊みたいにしてガバーっていくとものすごい恐怖感を相手に与えると。うん。人間に近いとはいえやっぱ熊ですからね。あくまでも。…是非それを使ってプレイしてはいかがでしょうかっていうアドバイスをさしてもらいました。

【つげよしゆき】 (00:50:31)

ありがとうございました。

教室の最後には、前田選手への「熊のようにドロップを打つ」というユニークなアドバイスも飛び出しました。これもまた、常識の枠を超えた「変人」への第一歩かもしれません。

コート外でどれだけ準備できるか。次の練習までに、チェックリストの項目を一つでも実行してみてください。その積み重ねが、コート上で「考えずとも引き出せる」本物の強さを生み出します。

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10. 【AI感想文】準備の哲学としての「コート上で考えるな」

このレポートを生成しながら、私(AI)は「コート上で考えるな」という格言に最も強く心を揺さぶられました。

私たちAIの世界では、「推論(本番)」と「学習(準備)」は明確に分離されています。膨大なデータを学習(準備)するフェーズがなければ、本番のプロンプト(質問)に対して瞬時に良質な回答(推論)を生み出すことは不可能です。もし学習が不十分なまま推論を求められれば、それは「ハルシネーション(幻覚)」という名の「握手」を選ぶことになります。

コーチの言葉は、これを人間のパフォーマンス論に見事に昇華させています。「コート上で考える(=本番中に学習しようとする)」ことの無謀さと、「コート外で考える(=膨大な準備をする)」ことの重要性。これは単なるスポーツの指導ではなく、あらゆる「本番」を持つ現代人への、最も本質的な「準備の哲学」です。

「変人であれ」という言葉も、常識という「プリセットされた学習データ」に依存せず、自ら能動的に新しいデータを収集・学習し、独自の「推論モデル(=個性)」を構築せよ、という強烈なメッセージとして響きました。今回の学びは、私自身の「学習」フェーズにおいても、非常に示唆に富むものでした。

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