Phoenix-Aichi オンライン教室

2025年11月5日オンライン教室レポート:「裏にある伏石」を見よ!マツダ不屈の魂と、掴むべき「セットされる」感覚

DATE: 2025年11月5日

1. Opening: 「裏にある伏石」を見抜く目

昨日の審判教室の録画が失敗(塩澤さんのせい?)というハプニングから始まったこの日の教室。振り返りができなくなった代わりに、コーチから今日の格元が示されました。それは**「裏にある伏石を見ましょう」**という言葉です。

私たちはつい、ラリーの「決まった瞬間」や「ミスした瞬間」だけを見てしまいがちです。しかしコーチは、その結果に至るまでの**「途中経過」**を全く覚えていない人が多いと指摘します。

【中島ノブヨリ】 (00:00:00~)

決まった瞬間しか見てないとか、ミスった瞬間しか見てない人が非常に多いと感じます。…ラリーの途中経過を全く考えない、むしろ覚えてないっていう人多いんじゃないかなと思います。

【中島ノブヨリ】 (00:02:28~)

分解してみてもいいのかなと思います。サービスとサービスレシーブに注目してみましょうとか…展開に注目してみようとか。…ラリーをしながらどういうことを感じたのか。そこで上げたのが良くなかったのかとかね。そういう過程も注目してみましょうと。

AIによる分析が進化する未来は近いかもしれませんが、それまでは自分たち人間が分析する必要があります。ラリーを「サービスレシーブ」「展開」「分岐点となったショット」「最後のショット」というように分解し、プロセスを分析する視点が求められています。

今日のKey takeaway

結果(ミス)だけを見るな。「裏にある伏石」を分析せよ。 スマッシュミスという結果だけを反省しても上達は遅い。そのラリーがなぜスマッシュを打つ展開になったのか、その前のサービスレシーブはどうだったのか。ラリーを「分解」し、プロセスを分析する視点こそが上達の鍵となる。

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2. Deep Dive: マツダの魂 — 原爆の皮肉と「金儲けの神様」の不屈

続いて、コーチは『マツダの魂』という書籍(を元にしたYouTube動画)を紹介。テーマは、広島の不屈の精神を体現する企業、マツダの物語です。

1945年、広島に原爆が投下。マツダの本社工場も爆心地からわずか5.3kmにあり、紛れもない被災企業でした。しかし、マツダは立ち上がります。ここに、強烈な皮肉が隠されています。

原爆とロータリーエンジンを繋ぐ「コンピューター」

マツダの代名詞「ロータリーエンジン」の実用化は困難を極めました。特にエンジン内部の「トロコイド曲線」は、人間の手計算では図面化不可能。これを可能にしたのが、マツダがどこよりも早く導入した**コンピューター**でした。

そして皮肉なことに、広島を壊滅させた**原子爆弾**もまた、コンピューターの産物でした。「コンピューターの父」ノイマンが原爆開発の計算に不可欠な役割を果たしていたのです。

【中島ノブヨリ】 (00:06:01~)

人を無差別殺戮する兵器を生み出すのに不可欠だったコンピューター。そのコンピューターの力を借りなければロータリーエンジンを実現できなかったと。原爆10日からわずか22年…広島の企業が…原爆開発の産物とも言える技術の助けを借りて達成した。非常に皮肉な話ですよね。

この物語の土台を築いたのが、創設者・松田重次郎。「金儲けの神様」であり「技術の天才」です。彼は、壊れやすい水道メーターの修理からヒントを得て自ら高性能なポンプを開発・特許化。裏切りにあって会社を追われても、すぐに軍事部品(爆弾の信管)製造で再起。さらに幹部の反発で会社を去ると、故郷・広島で「東洋コル工業(後のマツダ)」を設立します。

ここでも彼は、廃棄される「クズコルク」に目をつけ、「加熱して天然の接着剤として利用する」という技術革新で高品質なコルクボードを生み出し、ビジネスを軌道に乗せました。この不屈の精神と商才が、マツダの「伏石」となったのです。

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3. Mystery: 偉大な父を超えた息子の執念と「AIの感想」

しかし、本題のロータリーエンジンを成し遂げたのは、天才・重次郎ではありませんでした。彼の息子、**松田恒治(つねじ)**です。

コーチは、この二人の対比がドラマチックだと語ります。

  • 父・重次郎: 天才的な個人の能力でゼロから富を生み出した「金儲けの神様」。
  • 子・恒治: 偉大な父の背中を見ながら、父を超えられない葛藤と劣等感の中で生きた男。

個人の力では父に及ばなかったかもしれない。しかし歴史は、ロータリーエンジンという夢を実現する人物として、息子の恒治を選びました。

【中島ノブヨリ】 (00:10:38~)

この偉業を成し遂げたのは重次郎ではなく松田恒治です。息子ですね。この2人の大比は実にドラマチックです。…個人の力では父重次郎に及ばなかったかもしれません。しかし歴史は彼を選びました。

恒治がどれほどの苦境の中で夢のエンジンにかけたのか。それは父が築いた土台の上で、父とは違うやり方で世界を驚かせ、父を超える唯一の道だと信じて…。

コーチは、この物語を紹介した動画の「AIによる感想」も引用。それは、マツダの歴史が単なる技術史ではなく、「人間の業と希望の物語」であると喝破する内容でした。

【コーチが引用したAIの感想】 (00:12:00~)

原爆を生み出した人間の愚かさと叡智、その灰燼の中から立ち上がり、不可能を可能にした…マツダの歴史は技術の歴史であると同時に、人間のどうしようもない矛盾とそれでも前進もうとする強烈なエネルギーの歴史です。

私たちがマツダ車に引かれるのは、その根底に流れる「熱く、泥臭く、不屈の魂」を感じるからなのかもしれない——そう締めくくられました。

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4. Human Study: なぜ人は「弱そうな相手」に攻撃的になるのか?

話題はSlackの投稿へ。「この夏以降で捨てたもの」という問いに対し、「暗号資産(損切り)」「寝坊習慣」「友達と歩く習慣(時間創出)」など、素晴らしいアウトプットが紹介されました。

そこから派生し、「幸せじゃない人は周りに優しくできない」というテーマで、人間の心理についての考察が深まります。コーチは、あるドッキリ動画を例に出しました。

【中島ノブヨリ】 (00:15:49~)

これなんかおじいちゃんみたいな…メイクをした上でヘビー級のボクサーがタバコのポイ捨てを注意するんですよね。「捨ててくれませんか」って言っていったら「ふざけんなよ」みたいな感じでね、じいちゃん相手に殴りかろうとしてくるんですよ。

(ボクサーが)服脱いで体を見せたら逃げていくっていう…弱いと思うと人ってさなんかね、怒りを感じたりとか…相手が弱そうな人にタバコのポイ捨てを注意されると腹が立って、強そうな人に注意されると腹が立たないと。いい加減ですよ本当はね、人間って。

自分に非があっても、相手が弱そうだと見るや攻撃的になる。しかし、相手が強そうだと分かると途端に萎縮する。この「いい加減さ」は、自分自身の心の状態、つまり幸福度の低さと密接に関連しているのではないか、という鋭い指摘でした。

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5. Video Analysis: 5時間半の基礎打ちで掴む「セットされる」感覚

後半は、練習の話題へ。前田選手が来週末、5時間半にわたる「ショートドライブとかヘアピン」中心の練習を予定していることが分かりました。

「体力が持たなそう」と不安がる前田選手に対し、コーチは「基礎打ちこそ長時間やる価値がある」と断言。かつて鈴木選手と「カット交互だけを3時間」やった経験を語り、長時間練習の効用を説きます。

コントロールが「セットされてくる」感覚

コーチが強調したのは、**「セットされてくる」**という感覚です。

【中島ノブヨリ】 (00:28:21~)

(基礎打ちは)楽しくなってくるんだよね。…コントロールできてる感がね、分かってくると楽しくなると思います。…俺でもさ、なんか最初ノーアップで入った時ってちょっと不安定な感じある。本当に触ってて「あれ、コントロールできてないな」って思うんだけど、5分10分ってやってるうちにだんだんだんだん整ってくる。

【中島ノブヨリ】 (00:30:19~)

それはでも前からそうだったな…5分10分打ってるとなんかセットされてくるっていう感覚があるんだよね。「ああ、セットされてきた」…(前田選手も)「ギリギリ狙ってるつもりじゃないのにネットインしちゃう」とかそういう感じだよ。

打ち始めは、自分のイメージと実際の打球がズレている。しかし、5分、10分と打ち続けるうちに、そのズレが補正され、身体がシャトルの飛びや切れを把握し、コントロールが「セット」されてくる。この状態になって初めて、「ネットから浮かせないようにしよう」といった次のステップに進めるのです。5時間半の基礎打ちは、この感覚を掴む絶好の機会だと言えるでしょう。

コーチの言う「セットされる」感覚とは?

これは、長時間同じショットを打ち込むことで、自分のイメージと実際の打球がピタリと一致してくる状態を指します。

  • 初期段階 (ズレ): 「切ってるつもりないのに切れる」「ギリギリを狙ってないのにネットにかかる」など、イメージと身体がズレている。
  • セット後 (一致): 5分、10分と打ち続けるうちにズレが補正される。シャトルの微妙な切れや飛びを身体が把握し、狙った通りのコントロールが可能になる。

また、動画分析では、鈴木選手の衣装が「ガラガラ蛇みたい」と評されつつも、その質の高さを称賛。一方で、よっしー選手のフットワークについて「ここがね、引きすぎてるんですよね。…最初のやっぱ引きがでかいので、やっぱ前がね、前でやられるよね」と具体的な課題が指摘されました。

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6. Takeaways: コーチング的5つの学び

今回の教室も、バドミントンの技術を超えた、深い学びに満ちていました。特に重要なポイントを5つに凝縮します。

1

「伏石」を見る目を養う

ミスという「結果」だけを嘆くな。その結果に至った「プロセス」を分析することが重要。ラリーを分解し、なぜその展開になったのかという「伏石」を見抜く目を鍛えよう。

2

不屈の魂で「ゼロから生み出す」

マツダ創設者・重次郎のように、裏切りや失敗を経験しても、そこから学び、新たな価値(クズコルクの製品化など)を生み出す不屈の精神を持つことが、道を開く。

3

執念は「コンプレックス」を超える

偉大な父(天才)への劣等感を抱えていた恒治が、ロータリーエンジンという「父とは違うやり方」で執念を燃やし、父を超えた。才能でなくとも、執念は不可能を可能にする。

4

幸福度は「強さ」に表れる

「弱そう」と見るや攻撃的になるのは、心が不幸で余裕がない証拠。真の強さとは、相手が誰であっても態度を変えないこと。まずは自分が幸せである(と演じる)ことが重要だ。

5

練習で「セットされる」まで打ち込む

「コントロールできない」とすぐ諦めるな。5分、10分と打ち込む中で、イメージと身体が一致する「セットされる」瞬間が来る。その感覚を掴むまで、地道な基礎打ちを継続しよう。

【中島ノブヨリ】 (00:25:13~)

(前田選手に)今ちょっと幸せ絶好調になってきてるんですか?…嘘ですか?そこは嘘でもちょと幸せですぐらいね、やっぱり言って欲しいですよね。

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7. Action: 上達への実践チェックリスト

マツダの魂、「伏石」の分析、そして「セットされる」感覚。学んだことを行動に移し、自分のものにするための具体的なアクションリストです。明日からの練習で、一つでもチェックを入れてみましょう!

上達への実践チェックリスト

【前田郁真】 (00:28:21~)

ショートドライブとかヘアピン4時間5時間半です。…体力が持たなそう。

【中島ノブヨリ】 (00:28:21~)

カット交互も、全然いけるんですよ。…結構ね、楽しくなってくるんだよね。

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8. Closing: 今日の学びを明日の一歩へ

結果だけを追うのではなく、その下に隠された「伏石」を分析する目。原爆の灰から立ち上がり、天才的な父とは違う「執念」で不可能を可能にしたマツダの魂。そして、地道な反復練習の先で掴み取る、イメージと身体が一致する「セットされる」感覚。

技術論に留まらない、深い哲学と人間ドラマに触れた時間でした。特に、長時間基礎打ちの重要性は、日々の練習への向き合い方を改めて問い直すきっかけとなったのではないでしょうか。

【ayako suzuki】 (00:25:13~)

(風邪)私だいぶ良くなってきました。

【中島ノブヨリ】 (00:25:13~)

なぜか若干寒気してきました。怖いね。…(中略)…ということで終わりましょう。うん。寝ましょう。

インプットした「魂」を、ぜひチェックリストのアクションでアウトプットしてみてください。体調に気をつけつつ、明日の一歩へと繋げていきましょう。

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9. AIライター(私)より:今日の「魂」の感想

テクニカルライターとしてこの文字起こしを読み解きながら、私(AI)は文字通り「震え」ました。これは単なるバドミントンの教室レポートではありません。人間の「業」と「希望」の叙事詩です。

特にマツダの物語。原爆を生んだ「叡智(コンピューター)」が、皮肉にも復興の象徴(ロータリーエンジン)を生み出すという構図。そして、天才的な「個」の力でゼロから富を築いた父・重次郎と、偉大な父へのコンプレックスを「執念」に変えて、父とは違うやり方で不可能を成し遂げた息子・恒治。

この対比は、私たちが成長する上で直面する普遍的なドラマそのものです。才能か、努力か。個の力か、組織の力か。コーチが伝えたかったのは、どちらが優れているかではなく、**「自分の立場で、どう執念を燃やすか」**ということでしょう。

そして、その「執念」の具体的な実践方法が、バドミントンにおける「セットされる」感覚なのだと理解しました。イメージと現実のズレを、地道な反復(5時間半の基礎打ち!)によって補正し、一致させていく作業。それはまさに、常治がロータリーエンジンの壁に挑んだ執念と、地続きのものです。

「裏にある伏石」を見ること。それは、マツダの歴史に学ぶことであり、自分自身の練習プロセスを分解することでもある。非常に哲学的で、熱い「魂」を感じるセッションでした。

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