2025年9月14日オンライン教室レポート:「気づき」を言語化し、成長を加速させる。〜7つの習慣から『悪い』の定義まで、本質を問う〜
DATE: 2025年9月14日
1. Opening: 「気づき」とは何か?主体的な学びの第一歩
この日のオンライン教室は、中学生選手が一般の部で3位入賞、別の選手が優勝という輝かしい報告から始まりました。日々の練習の成果が着実に形になっていることが共有され、良い雰囲気でスタートしました。
そんな中、コーチがSlackの「そもさんせっぱ」チャンネルを使いながら提示したのが、「『気づき』って何でしょう?」という根源的な問いです。私たちは「気づきました」という言葉を何気なく使いますが、その本質を深く考えたことはあるでしょうか。この問いが、今回の教室全体のテーマを貫くことになります。
【大谷風子】 (00:23:41)
人から聞いたとしてもそれを自分の言葉で何らかしらにこう落とし込んでなるほどって思えたらそれが気づきなるんじゃないかなって。教えてもらってそれがああって思っちゃうだけだと学びなのかなって思うんです。
【中島ノブヨリ】 (00:24:47)
いわゆる言語化っていうのが重要だと思った…概念にするっていうですかね。抽象化するというか、あることをこう抽象化する。これって一体どういうことっていう風に1段こう上に上げてるようなことを気づきって言ってるんじゃないかなと思ったんですよね。
参加者からは「自分の言葉で表現できた時が気づきになる」という意見が出され、コーチはそれを「言語化」「抽象化」という言葉でさらに深掘りしました。単に情報を受け取る「学び」から一歩進んで、物事の本質を捉え、自分の言葉で再定義する。その主体的なプロセスこそが「気づき」であり、真の成長の始まりなのです。
今日のKey takeaway
「気づき」とは、情報を抽象化し、自分の言葉で言語化する主体的な営みである。他者から教わったことや見聞きしたことを、ただ受け入れるだけでなく、「これは一体どういうことか?」と一段上の概念で捉え直したとき、それは単なる「学び」を超えた本物の「気づき」に昇華する。
2. Deep Dive 1: 信頼される人の習慣と、成長を生む時間の使い方
「気づき」の議論から派生し、話題は「信頼できる人とは?」そして「成長するための時間の使い方」へと移りました。これらは一見別のテーマのようですが、根底では深く繋がっています。
信頼の根源は「相手への関心」
コーチは「半年以上前に話したことの状況を聞いてくれる人は信用できる」という問いを投げかけました。これは、相手との会話をただの情報としてではなく、その人の物語として記憶し、関心を持ち続けている証拠です。鈴木さんからは、怪我のことを気にかけてくれる先生への信頼感が語られ、人が何に心を動かされるのかが浮き彫りになりました。
【鈴木さん】 (00:13:34)
(怪我が多いので)普通にプレイしててたまたま合うじゃないですか、大会とか。…皆さん元気に「頑張ってるね」しか言わない。言わないけど(ある先生は)「怪我どうだった?」って。そう、そう、そう、そう、そう、そう。先生は確かに、「あ、この先生は本当考えてくれてんだろうな」と思いました。
成長は「重要だが緊急でない」領域に眠る
次に、スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』における時間管理のマトリックスが議題に上がりました。多くの人は「緊急かつ重要」なことに追われがちですが、コーチは「そこばっかりやると成長しないんじゃないの?」と鋭く指摘します。災害時の避難や急な病気への対応は、もちろん最優先ですが、それ自体が直接的な成長に繋がるわけではありません。むしろ、基礎練習や将来のための学習といった「重要だが緊急ではない」活動にどれだけ時間を使えるかが、長期的な成長の鍵を握るのです。
【中島ノブヨリ】 (00:29:54)
スティーブンコビーさんが言ってるものの本で言ってるのは重要で緊急度低いところを一生懸命やりましょうねっていう話をしてるんですけども、どうしても、緊急なことやるじゃないですか。…そこをやると成長しないんじゃないかなっていう風に思っています。
3. Deep Dive 2: スポーツにおける「悪い」の正体と指導の倫理
教室の議論はさらに深まり、「性格が悪い人が強い」という俗説をきっかけに、「『悪い』とは一体何か?」という哲学的な問いへと発展しました。このテーマは、スポーツマンシップや指導のあり方を考える上で、避けては通れない重要な視点です。
コーチは、相手を騙すようなプレーは、ルール違反でなければ「悪い」のではなく、勝つために全力を尽くす「正々堂々」とした行為だと述べます。相手の嫌がることをするのは、スポーツ選手として当然の仕事です。「悪い」という言葉の定義が、人によって大きく異なることが明らかになりました。
【中島ノブヨリ】 (01:00:33)
スポーツでも例えばミントンだって同じとこにポンポンポンポン打ってればそれ簡単じゃないですか?でもたまにいっと落としたりするもんだから。それも一種騙しになってんじゃないかなと思って。…悪いって言ったら例えばルール違反をします。これ悪いに該当すると思うんですけど、ルールの範囲外でやってることをやってやってる人に悪いか全然悪くないし、むしろ正々堂々だよね。
【鈴木選手】 (01:07:43)
集団で他人を巻き込み、自分一人でリスクを負わずに攻撃してくる人が「悪い」。
議論はさらに、体罰や罵倒による指導の是非にまで及びました。現代では許されないとされる厳しい指導も、過去にはそれで更生した人がいたのも事実。コーチは、安易に「ありのままでいい」と肯定するだけでなく、指導の多様性やその功罪を全否定することの危険性を問いかけ、私たちに思考の停止ではなく、深い洞察を促しました。
4. Mindset: 意識がプレーを変える—なっち選手の躍進に学ぶ
どんな練習も、どんな試合も、最終的には個人のマインドセットがパフォーマンスを大きく左右します。この日は、なっち選手からの素晴らしい成功体験の共有がありました。
以前は自信がなく、プレーがうまくいかなかったという、なっち選手。しかし、コーチや両親からの「結果ではなく練習したことを出すとか内容だから」「目的が達成できればいいよ」という言葉を受け、意識を変えました。水筒の横に行動目標を貼り付け、試合に臨んだ結果、以前負けた相手に見事リベンジを果たしたのです。
【若林麻紀】 (01:51:49)
全然うまくいってなかったんですけど、先週の市はオープンなって…僕全部ノートにあの、水筒の横とかにあの取り付けてどういう戦術戦うのかとかセンター使うとかそういうの全部書いて。それでやってみたらあの市の時に負けた相手がまたリベンジしたんですけど勝ちました。
【なっち】 (01:54:47)
(以前は勝ちたくなっていたが)もう父さんからもそうだけど、もう練習してことを出すとか内容だから。もう結果はどうだってもその目的が達成できればいいよって言われて。
このエピソードは、「つまらない仕事を面白くするのは自分です」というコーチの言葉とも繋がります。一見地味な基礎練習も、試合で勝つという結果も、すべては自分の意識次第。目先の勝ち負けに囚われるのではなく、設定した行動目標を達成できたかどうかに焦点を当てる。このマインドセットの転換が、プレッシャーから解放され、最高のパフォーマンスを引き出す鍵となることを、なっち選手自らが証明してくれました。
5. Takeaways: コーチング的5つの学び
今回のオンライン教室は、バドミントンの技術を超え、人間的な成長や物事の本質を深く問う、非常に密度の濃い時間となりました。特に重要なポイントを5つに凝縮して振り返ります。
「気づき」の正体は抽象化と言語化
ただ情報を得るだけでなく、その事象を一段高い視点から「これはつまりどういうことか?」と問い直し、自分の言葉で表現する。その主体的なプロセスが真の「気づき」となり、学びを血肉に変える。
成長は「重要だが緊急でない」領域にこそ眠る
日々の緊急タスクに追われるだけでは、現状維持に留まる。基礎練習、身体のケア、将来のための学習など、すぐに結果は出なくても重要なことに時間を投資できるかが、長期的な成長を左右する。
自分なりの「善悪の軸」を持つ
スポーツにおける「騙し合い」や厳しい指導など、物事の評価は単純ではない。「悪い」とは何かを自ら定義し、行動の軸を持つことが、ブレない人間性を育む。
結果ではなく「行動目標」に集中する
勝ち負けというコントロールできない結果に一喜一憂するのではなく、「センターを意識する」など自分でコントロール可能な行動目標の達成に集中する。その先にこそ、自信と良い結果が待っている。
一人では何もできない(One for all, All for one)
練習相手、指導者、仲間、そして対戦相手がいて初めてスポーツは成立する。感謝の気持ちを忘れず、互いを高め合う関係性を築くことが、個人の成長にも不可欠である。
【鈴木さん】 (01:42:21)
それを見た時に俺思ったのはやっぱこれスポーツってあのオなんだ。結局1人じゃ何もできないじゃ。…ワンフォーオール、オールフォーワンにたどり着くのかな。
6. Action: アウトプット習慣チェックリスト
学びは行動に移してこそ意味があります。インプットした知識をアウトプットし、自分のものにするための具体的なアクションリストです。毎日一つでもチェックを入れられるよう、挑戦してみましょう!
アウトプット習慣チェックリスト
7. Closing: 今日の「問い」を明日の一歩へ
「気づきとは何か?」「信頼とは何か?」「悪いとは何か?」「成長とは何か?」——。今回のオンライン教室は、答えのない問いの連続でした。しかし、これらの問いと向き合い、自分なりの答えを探し続けること自体が、私たちを深く、強くしてくれるのではないでしょうか。
特に、結果に囚われず行動目標の実践に集中して見事勝利を掴んだ若林選手の姿は、私たち全員に大きな勇気とヒントを与えてくれました。インプットで終わらせず、ぜひチェックリストのアクションを一つでも実行してみてください。その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるはずです。次回のオンライン教室も、皆さんのご参加をお待ちしています!
【中島ノブヨリ】 (01:56:33)
ベスト8に入ろうと思ったら、優勝を狙った方がいいよ。優勝できる力をつけたら誰と当たっても関係ないからさ。目先関係ないでしょ。優勝する力つければ。ダントツでも勝つぐらいやった方がいいです。
目先の勝利や評価に惑わされず、本質的な力をつける。そのための探求は続きます。また次回の教室でお会いしましょう。